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一貫性の原理について

この記事はアピリッツの技術ブログ「DoRuby」から移行した記事です。情報が古い可能性がありますのでご注意ください。

一見すると命名規則なんかの原理っぽく感じますが、今回はビジネス系の記事です。
ちょっと街角でアンケートに答えていたはずが、気づいたら壺を買わされていた。なんて話を聞いたことがあるかもしれません。
これは一貫性の原理を用いたセールス方法だと言われています。フット・イン・ザ・ドア・テクニックと言い換えるともっと分かりやすいかもしれないです。
フット・イン・ザ・ドア・テクニックがどんなものかというと、大きい頼みごとをする前に小さい頼みごとをしてOKを貰うと、そのあとの大きい頼みごとを受け入れられやすくなるというものです。
これはセールスが玄関に足先を入れる様子が語源です。最近では見ない光景ですが。
俗説っぽい話ですが、初出は1966年の社会心理学のジャーナルで、それ以降も研究されていることなので一応ちゃんとした原則のようです。
大きい頼みごとをする前には、受け入れられやすい頼みごとをする。これがポイントです。
人は一旦決めたことに対して、決定を覆すというのが苦手なんですね。
なので当初の約束と違ったことでも、一度受け入れてしまうと次々と受け入れてしまいます。
お金のかからない運動会をするはずが、会場を壊して立て直すところから始まってしまうわけです。

さて、ここまではセールスの話でしたが、一つ視点を上げて、ぼくの学んでいた経営学から一貫性の原理について話します。
サンクコストについてです。
サンクコストとは、その時点で事業などをやめても戻ってこないコストのことです。お金や時間などですね。
ある事業に対して大きな投資をしているときに、その事業が間違っていると気づいたときでも、既に投資している金額が大きいため、手を引くことができない。といった文脈でサンクコストが出て来る場面が多いです。
この例であれば、合理的な意思決定は事業をやめてしまうことです。
サンクコストと期待投資収益に相関はないので、サンクコストは本来考慮されるべきではない。というのが合理的な判断ですね。

さて、2つの例で一貫性の原理について書きましたが、人は様々なバイアスによって合理的な判断ができないというのが現在では明らかになっています。
この点では心理学よりも行動経済学の方が今では盛んかもしれないですね。
バイアスを除いて合理的な意思決定をすることは、日頃の買い物のような場面においても、会社などの大きな場所でも意識しておいていいのではないでしょうか。

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