ホーム エンジニア AI デジタルトランスフォーメーション(DX)の文脈における生成AIの価値について
デジタルトランスフォーメーション(DX)の文脈における生成AIの価値について
 

デジタルトランスフォーメーション(DX)の文脈における生成AIの価値について

はじめに

クラウドインテグレーション部の浅田です。
ChatGPTをはじめとした生成AI(Generative AI)がデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)の文脈においてどのような価値があるか、という点について考察してみたいと思います。

今回は主にテキストを出力するもの(代表例としてはChatGPT)を対象にします。

生成AIの基本的な仕組み

まず生成AIは、自然言語処理や機械学習の技術を活用して人間の言語を理解し、新たなテキストや画像などを生成(Generate)する能力を持つ人工知能(AI)のことです。テキストを出力する生成AIの仕組みを簡単に言うと、与えられた入力文字列の続きを考えた場合に、確率的に高い文字列を出力する仕組みになっています。

例えば、「今日は雨になるらしい。だから傘を」という入力文字列があった場合、「持っていこう」という文字列が出力される可能性が高そうなことを統計的に予測して出力する、という仕組みです。端的に言えば、入力となる情報が多ければ多いほど、より生成文字列の予測精度は高まります。

DXにおけるパーソナライゼーションの価値

DXの重要なキーワードの一つに「顧客体験の改善」があります。そして顧客体験の改善方法の一つにパーソナライゼーションの実施があります。サービスをより顧客にとってフィットした形で提供することにより、ユーザにとってより価値ある体験を実現することでサービスの価値を高めます。有名どころでは、Youtubeでのおすすめ動画、Amazonのおすすめ商品などのレコメンデーションはその最たるものです。ユーザの視聴履歴や購入履歴から趣味嗜好に合うものをレコメンドすることで、ユーザにフィットした選択肢を提供して顧客満足度を高めます。

それと同じようにユーザの行動履歴や属性に合わせてサービスをフィットさせることで、サービスの価値を高めるというのが、DX実現へのひとつの道になるのかと思います。

既製品 vs. オーダーメイド

ところで、先ほどのレコメンデーションは基本的には大量の既製品の中からユーザの趣味嗜好にあったコンテンツをうまく提示するプロセスです。言ってみれば倉庫の中にある大量の服からユーザの体型にフィットするものを探すのに似ています。

それに対し、生成AIを使うことで、その場でユーザの趣味嗜好にあったコンテンツを生み出すことができます。テーラーにオーダーメイドの一張羅を作ってもらうのに似ています。

例えば、Google検索はインターネットに存在するさまざまWebページの中でユーザの要求に一番近いものを探し出して提示しますが、ChatGPTなどの生成AIサービスはユーザの要求にフィットする情報をその場で生成します。

このオーダーメイドが可能という点が生成AIの革命的なポイントだと考えます。

生成AIによるパーソナライゼーション

例えば、メディアサイトを考えてみます。基本的にはメディアサイトの記事は静的なものです。ある記事は誰が読む場合においても同じものが提示されます。ですが、読み手によっては必要となる情報は異なります。例えばIT技術の記事の場合に、経営者目線であればこの技術によって、自社のビジネスへの影響を知りたいでしょうし、開発者目線であれば、IT技術の仕組みを知りたいかもしれません。そのような場合に、生成AIによって異なる視点に基づいた記事を生成することが可能です。そうすることで両者の要望にフィットした情報を提供することができます。

または、ECサイトであれば、ユーザの属性(年齢、立場など)をもとに商品の紹介文のテイストを変えて、よりコンバージョン率を高めるなどの施策もとることも可能だと思います。

いずれの例の場合も、時間やコストをかければそれぞのバージョンのコンテンツを用意することは可能ですが、それを生成AIによって実現することでより効率的になります。

ChatGPTの例
入力:

- 低価格である
- 耐久性が高い 
- 人気のキャラクターが書いてある

上記の情報をもとに、自社の新製品であるシャープペンシルの紹介文を小学生、その保護者、教師をターゲットとしてそれぞれ作成して

出力:

小学生向け:

こんにちは!新しい鉛筆が欲しいなら、これが完璧だよ!私たちの新しいシャープペンシルは、君のお財布にやさしく、しかもとっても頑丈だよ。大好きなキャラクターが書いてあるから、学校で自慢できるね。毎日、楽しく宿題ができるように、このシャープペンシルが君をサポートするよ!

保護者向け:

お子様の学習用品をお探しでしょうか?弊社の新製品、シャープペンシルは低価格で購入いただける上に、耐久性が高く、一本で長い間ご使用いただけます。さらに、お子様が喜ぶ人気のキャラクターがデザインされています。学習ツールとしてだけでなく、子どもたちの楽しみも提供できるこの商品をぜひお試しください。

教師向け:

教材として経済的で信頼性の高い選択肢をお探しの先生、弊社の新製品、シャープペンシルをご覧ください。このシャープペンシルは低価格でありながら、高い耐久性を備えています。さらに、学生たちが大好きなキャラクターがデザインされているため、学生の興味を引き、楽しみながら学習する環境を提供します。先生方の教育への情熱をサポートするための我々の製品を、ぜひご利用ください。

実際にシステムに組み込む場合には、プロンプトを工夫する必要がありますが、イメージとしては上記のように一定の条件をもとに複数のバリエーションを生成AIに出力させることで、パーソナライズされたコンテンツの作成が可能になります。

独自データ×生成AIでデータの価値を高める

生成AIによるパーソナライゼーションを最大限発揮させるには、パーソナライゼーションの元になるデータが重要です。先ほどの例では簡略化しましたが、ある商品の紹介文を書くにあたって参考にする、自社が把握している独自の情報があるはずです。記事であれば記事の元になるネタであったり、別バージョンを作るための元記事のデータです。それらの独自データを整理し生成AIに利用できるようにデータを管理する仕組みを構築することが重要になってきます。

つまり、DXを実現するために、生成AIを活かすためには独自データを生成AIと組み合わせることが重要であり、そうすることでより強い競争力の源泉となるのではないかと考えます。

まとめ

DXの文脈においては、生成AIは強力なパーソナライゼーションエンジンとして利用できるツールだと捉えることができます。また、その際に独自のデータを生成AIとともに利用することで、そのデータの価値を高める起爆剤になるものだと考えます。

最後に

実際にChatGPTなどの生成AIと独自データを組み合わせる技術的な詳細は別の機会にでも執筆できればと思いますが、独自のデータを管理するための仕組みというのは、基本的には今までのITシステム開発と同様のものです。したがって、アピリッツの強みやノウハウを発揮できる分野だと考えます。生成AIを利用したシステム開発のご要望は、ぜひアピリッツにご相談いただければと思います。

記事を共有

最近人気な記事