ホーム デザイナー アートディレクター 【生成AI】のゲーム開発への活用事例紹介
【生成AI】のゲーム開発への活用事例紹介
 

【生成AI】のゲーム開発への活用事例紹介

0

~ 式姫プロジェクト最新作【カクリヨ・トーキョー】の現場より ~

▼【生成AI】への取り組み

【生成AI】近年耳にしないことがないほどの単語ですので、
 ご存じの方も多いのではないでしょうか。

ChatGPTを始めとする多数のAI技術が革新した昨今
株式会社アピリッツ(以下アピリッツ)でも、
【生成AI】の活用について全社的に取り組んでいます。

この記事中におきましては、
アピリッツのゲーム開発及び運営にかかわる部門より
最新作【カクリヨ・トーキョー】を研究開発している式姫プロジェクトでの
生成AI技術(以下AI)への取り組み方の一部をご紹介します。

こんにちは~。広報担当の山田アイコです。
今回は、フィールドゲーム・テクノロジー学部で開発中の
式姫プロジェクト最新作【カクリヨ・トーキョー】
のチームにお邪魔しています!

【生成AI】って最近のトレンドですよね~。
名称はよく聞くのですが、私もまだよく解っていない所が多いと思いますので
式姫プロジェクトチームのみなさんに、【生成AI】について色々とお話を伺わせてください。

現在鋭意開発中のプロジェクトとなるため
リリース前にお伝えできる情報が限定的になってしまい、
物足りない点があるかもしれませんが頑張ります!

▼【生成AI】とは?

古今東西、人々はゲーム開発に限らず、ものづくりという分野で
【文章を書く】【絵を描く】【音楽を奏でる】【動画を撮影する】など
頭で考えて、手を動かし、匠ともいえる芸術的なコンテンツをこの世界に生み出してきています。

本や絵画、音楽に映画、そしてゲームにおいて名作と呼ばれるコンテンツが多々ありますよね。

コンピューターなどの道具は、あくまで人間が使う道具の延長線上での進化を遂げて
コンテンツ制作の速度や生産性や品質の向上に一役買っていたわけです。

最近の映画やゲームの映像で、現実と間違えてしまいそうなくらいクォリティ高いなと感じることあります!

そこへ【生成AI】は、各コンテンツのパターンや関係を大量に学習することで
道具の領域を超えて、人間の役割の一部をこなすことが期待できる
新たな技術のひとつとして登場
したものとなります。

なるほど~
だから全世界がこれほど【生成AI】に色めきだっている訳ですかぁ。

プロジェクト内での活用法を想定

さて【カクリヨ・トーキョー】はスマートフォン用のゲームとして開発を進めています。
AIを使ってゲームを開発するというと、
【自動で様々なコンテンツが制作される夢のような開発環境
を想像される所があるかと思いますが

【生成AI】は、まだまだ新しい技術なので、
「私達のゲームプロジェクトに活用するためにはどうする?」
からチーム内で考えることとなりました。

素晴らしい道具や機能も使いこなせなければ宝の持ち腐れとなってしまうからです。

たしかに最新のスマホ機能ですら、『まだまだ、私使いこなせていないなあ』と思うときありますもんね~。

そこで『式姫プロジェクト』では、

①AIでできることの調査
②各セクション内のタスク・工程を洗い出す
③洗い出した中からAIでできることと、タスクの中でマッチするものを検討
④マッチした内容でAIを使い、効率化できる箇所を想定
⑤手順化
⑥量産

までを考慮して着手しました。

セクションごとの取り組み

生成AIを役立てることができそうな項目の精査を行ったあと
現在『式姫プロジェクト』チーム内では

・2Dイラストセクション
・シナリオセクション
・3Dキャラセクション

の3つのセクションでAI技術への取り組みを進めています。

それでは各セクションの担当者にお話を伺ってみようと思います。

◾️2Dイラストセクション

- ゲーム中に表示されるスチル画像やアイテムの画像を描くセクション -

※開発中のイメージ画像です。今後ゲーム中で採用される場合がありますので、少しモザイクとなります。

2Dイラスト制作では、どのような制作項目でAIの導入を推進したのですか?

そうですね~
・アイコンラフ生成
・イメージ下絵生成
・イメージ背景生成
・アイテムスチル生成

という項目で
案出し/コンセプトパターン出し/イメージ素案/クォリティ合わせの標準化
の作業で生成AIをテストしていきました。

ゲームではたくさんの画像が使われていますもんね。
様々な絵のアイディアを出すだけでも大変な作業ですよね!

多数のポーズ案/背景イラストの構図案等を
短時間で目に見える形にする点で【生成AI】のレスポンスの良さが活かせると考えました。
それらの画像案は、そのままゲーム内で使用するのではなく
多数のアイディアを必要とする場面での効率化の為に使用しています。

なるほど。
絵のクォリティをさらにあげていく為に、
人の手をかける時間が式姫プロジェクトでは必須と考えられるので
AIの得意とする【絵のバリエーションを短時間で数多く揃える】
ところに使用しているのですね。

『式姫プロジェクト』においては
 世界観やキャラ設定を、特に大切にしていますので
その整合性について必ず人の目で確認を行ってから
ユーザーの皆様にお届けしていきたいと考えて作業を行っています。

◾️シナリオセクション

- ゲーム内の世界観や物語を描くセクション -

※開発中のイメージ画像です。今後ゲーム中で採用される場合がありますので、少しモザイクとなります。

シナリオ制作では、どのような制作項目でAIの導入を推進したのですか?

・多面的なアイディア出し
という項目ですかね。

基本的に、物語の内容や考えこむ時間の短縮化に寄与しています。
生成AI】を活用することで
思ってもみなかったシナリオアイディアのパターンがアウトプットされる事もあり、
アイディアをひねり出す時間の短縮等に活用しています。

AIというと、ChatGPTを代表としてテキスト生成では一日の長があり
多分野で使われているイメージがあるかと思いますが
シナリオ制作活用時の課題として、プロンプトの精度を上げていく必要もあり
なかなかそのまま使用できるクォリティには届かない事も多かったです。
ですのであくまでアイディア出しへの使用にとどめている現状です。

なるほど。
シナリオは、考える、まとめる、確認する
を繰り返して物語の流れを構築していかないといけないので
気づきを得るトリガーにAIを有効活用しているのですね。

【生成AI】でたくさんアイディアが出てきたとしても
どのアイディアを選択/選別して、どのように使っていくのかという場面では
人間がキャラクターやゲームの世界観に対する思い入れと
熱意をもって創作していかないと
まだまだ胸を打つ文章をお届けするのは難しい
とあらためて感じました。

■3Dキャラクターセクション

- ゲーム内キャラクターの3Dモデルを描くセクション -

※開発中のイメージ画像です。今後ゲーム中で採用される場合がありますので、少しモザイクとなります。

3Dキャラクター制作では、どのような制作項目でAIの導入を推進したのですか?

各キャラクターの動きとなる【3Dモーション】を
ダンスムービー等から式姫用モーションデータとして

生成できるかをテストしています。

3次元のキャラクターの外見を制作することをモデリングといいます。
キャラクターの外見を制作しただけでは、キャラクターは動きません。
モーションと呼ばれるキャラクターの動きのデータを制作する必要があるのです。

有名な作り方としては、モーションキャプチャーという
実際に人間が動いて、そのリアルな動作をデータ化するという技術があります。

ただこの方法が頭を悩ませる点として
モーションを撮影するスタジオと専用の機材
その動きを再現するアクター(俳優)さん
が必須となり
様々な大きめのコスト(お金や時間、小道具の準備やアクターさんの選定等)
が発生してしまうんです。

その解消法の一つとして、
動画からのモーションデータ作成に【生成AI】を活用できればと考えました。

なるほど。
特に時間のかかる制作物の納期短縮方法を模索しているのですね。
だいたいの仕事って、時間の削減がコストの削減に直結してる場合が多いですもんね。

まだテストを開始した段階なのでどこまで導入できるかは、未知数な段階です。

▼まとめ

このように【生成AI】【カクリヨ・トーキョー】にもたらす恩恵は種々様々となりますが
プレイヤーの皆様に各キャラクター達の魅力を
最大限に引き出してお届けすべく開発を進めております。
アピリッツよりリリース予定の式姫プロジェクト
【カクリヨ・トーキョー】を楽しみにお待ちいただければと思います!

【生成AI】に関する取り組みのお話ありがとうございました。
私も可愛らしい式姫ちゃん達が大好きですので
式姫プロジェクト【カクリヨ・トーキョー】のリリースを
楽しみにしています!

記事を共有