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利用規約の解釈

この記事はアピリッツの技術ブログ「DoRuby」から移行した記事です。情報が古い可能性がありますのでご注意ください。

昨今、様々なサービスが展開されているが、サービスを利用するに当たり、利用規約が掲げられている。今回は、利用規約のなかから「あれ?」と思わせるような内容をいくつか、ピックアップしてみよう。

 どこからか持ってきた規約

いくつかの規約で、共通する文言を目にする事がある。そういった文言を、googleに入れ検索すると、大量に同じような規約が登場する。当然、元の規約*1があるわけだが、それを探そうにも、どれがマスターだったのか解らない状況に。

 電気通信事業法?

SNSの利用規約に見られるモノとして、[電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第4条に基づき,利用者の通信の秘密を守る]と書かれたモノがあるが、そもそも、電気通信事業法は、「電気通信事業者」に対する法律であり、電気通信事業者を取得していない者は関係ない法律だ。

電気通信事業者では無いにもかかわらず、こうした事を掲げる場合、詐称もしくは詐欺行為と見なされる場合がある。注意が必要だ。

 電気通信事業者?

もうひとつの問題もある。それは、何らかの利益を得ての役務が発生している場合だ。

通常、電気通信事業者は、第三者を経由する通信を「有償」で提供している場合に取得する必要のある資格だ。友達から施設負担金として、月額数百円レベルでお金をもらっていても、この資格は必要であるし、また、アフィリエイトなどの広告を掲載している場合も、同様の資格が必要となる。当然として、出会い系サイトなどを運営する場合も、同様の資格が必要となる。過去の事例としては、国内のみにサービス提供しているゲームで、海外の利用者を、国内のproxy経由でアクセスできるようにしていた、中国人留学生が検挙されたが、これも、きっかけは電気通信事業者の資格を有していなかった事に端を発している。こうしたサービスを提供する際には、電気通信事業者の資格取得を、忘れないよう、注意されたい。

 インターネットの仕組みを理解していない

[サービスに関わる記載について,無断でそのコピー,複製,アップロード,掲示,伝送又は配布等をする行為]と書かれたモノを多く見る。が、コンピュータやインターネットでは、多くの情報を「常に複製」し、画面に表示したり音にしている。たとえ、マウスやキーボードで入力したデータであったとしても、メモリやCPU、その他のIOデバイスを経由するなかで「すべて複製」したものであり、どれ一つとして「オリジナル」と呼べるモノは無い。そういった中で、こうした規約は「あぁ、コンピュータやインターネットの仕組みを理解していないんだな」と、考えざるを得ない。本来、こうした規約は、本や雑誌などの物理内容について、作られたモノと推測されるが、そのまま、ネットのサービス規約に持ってくるのが、そもそも間違いと言えよう。

*1: 規約そのものに対しては著作権法の適用対象外なので、複製しても問題は無い

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