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Apple 社のOSX 10.9 無料配布に見る戦略

この記事はアピリッツの技術ブログ「DoRuby」から移行した記事です。情報が古い可能性がありますのでご注意ください。

今回、アップル社はOSX 10.9を無償配布した。すでに多くのユーザーがOSX 10.9を利用しており、様々な感想を持っているだろう。今回は、このフリーソフト化したOSXとそれをとりまくセキュリティ事情について考えてみよう。

 今回のアップデートについて

OSXの配布は、過去にも数千円程度で配っていたこともあり、今回の配布においても、同様の価格帯での配布が以前よりささやかれていた。このため、今回のアップデートも1500円くらいかな?と、筆者は考えていたこともあった。今回のアップデートは、従来のアップデートと異なる点がほかにも存在している。旧来のアップデートでは、セキュリティパッチの兼ね合いもあり、新しいOSを出す際には、必ず旧来のOSに対してもセキュリティパッチを提供していた。しかしながら、今回のアップデートには、旧来のOSXにアップデートが含まれておらず、数多くの脆弱性のあるOSXを使わずに、新しいOSXを使わせようとした風潮が見て取れる。

また、従来のアップデートでは対象外とされていた古いMacも今回のアップデートでは利用可能となり、今から5年以上前に提供されたMacも最新OSを利用可能となる。

 古いMacを使うとどうなる?

旧来の古いMacで、最新のOSを利用しようとした場合、確かに利用することは可能だろう。しかし、快適に利用するにはほど遠いと考えられる。まず、めもりの消費量が非常に多いことがすでに予測されている。手元の、この原稿をタイプしているMacの場合、起動時のメモリ使用率が、すでに99%近く埋まっていることがある。このMacは、12Gバイトのメモリを搭載しており、従来の発売されているMacに比べても、遜色のないメモリであることはおわかりだろう。

確かに、バックグラウンドで利用しているアプリはOSX 10.9に於いては、メインメモリ上で圧縮されているため、ほとんどの場合はメモリにそれほど気を遣う必要はないかもしれない。しかしながら、それは高速なメモリと高速なSSDを搭載しているためであり、従来の古いメモリや古いハードディスクを搭載している場合は、遅く感じることもあるだろう。

 今回のアップル戦略をどうみる?

まず、OSX 10.9が利用できるユーザー数を圧倒的に増やすことで、マイクロソフトとの差を縮めようとしていることが容易に予測できる。

また、従来のMacユーザーが利用した場合、遅さに耐えきれずに従来のMacを手放し、新しい「リーズナブル」なMacを買ってくれるかもしれない。こうして、アップルは虎視眈々と、古いMac利用者を新しいMacへ導き、Windowsにいくのをブロックしているように見える。いずれ、この結果はわかることだが、きっと、アップルとしてはOSXをフリーにすることで、新しいMacの購入数を増やすことに成功するだろう。

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