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2023年度アピリッツ入社式、65名を迎えました

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2023年4月1日にアピリッツは入社式を行いました。今年は65名入社。2022年は45名入社だったので、大幅増です!(2021年は34名。着々と増えています!)今年も当日の様子をご紹介します(2023年4月 取材)

今までの会場では、65名も座れない!

去年と一昨年は、オフィスのカフェスペース(広くて芝生でステキなんです)で入社式を執り行ってきたものの、去年45名を迎えたあたりから「会場にみんな入らないかも……?」とドキドキしていました。そして今年入社するのは65名。とうとう完全なるキャパオーバーとなり、今年は外部の大きな会場を使いました。会社の成長を感じます。

大切な式典なので、今年も人事企画部が心を込めて準備・運営しました

同期を大切にね

今年も社長の和田による新入社員のみなさんへの挨拶から始まりました。「65人もアピリッツに来てくれたことは、とてもいいことで、まずはみなさん来てくれてありがとう」「学生時代は、毎年あたらしい環境とコミュニティが提供されてきたと思いますが、これからはそういった機会は少なくなります」「だから同期を大切にね」とメッセージを送りました。

「こういった公的な式典は、人生でおそらく最後になる人が多いんですよね」と和田

「初任給が出たら、お世話になった人や育ててくれた人にごはんでもごちそうしてください」と優しい言葉で締めくくりました。そしてそれぞれの役員からもご挨拶。「自分の身に起こった変化を楽しんでほしい」「会社はどんどん大きくなれる。個人も成長できるが、会社でみんなでがんばれば、10倍成長できる」「笑いながら楽しめる仲間がいるのはいいこと」「みなさんにしかできないことがある」とエールを送りました。

取締役の永山からは「思い立ったときにチャレンジしてほしい」とエールを送りました
「自分の身に起こった変化」をユーモラスに話しつつ、「みなさんも変化を楽しんでほしい」と執行役員の八木
執行役員の長谷はアピリッツに新卒入社した1人。今も同期とのつながりを大切にしているそうです

ということで、今年も入社式が無事終わりました。ただいま研修の真っ最中!

そして、来年に向けて早くも2024新卒の採用情報を公開しています。学生のみなさん、エントリーお待ちしています!

オンラインゲーム設計に必要な「プレイヤー主観性」という考え方

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アピリッツの知識共有サイト「ナレッジベース」で公開されている内容をアピスピでも紹介します。こちらはES部のエンジニア・清水則雄さんによる記事です。

通信ゲームのイメージ 

よく、オンラインゲームを作ってるというと「同期とか大変でしょ」や、「ずれているとおかしい」などと言われる気がしています。

端末を2台以上置いて比べた時には「完全に〇秒後に両プレイヤーの状態が一緒」もしくは少しラグがあるくらい、というイメージを持ってる人が多い気がします。

よくあるオンラインゲームの動いてるイメージ

実はオンラインゲームは主観的に見られている

ただ、実際にオンラインゲームをプレイしている人たちは相手の端末を見ることがほぼ無く。自分の画面をみてプレイしていることがほとんどです。

「そんなので一緒に遊んでる感じあるの?」という疑問があるのですが、実は相手の動きが変化していることを見て、主観的な「体感」として一緒に遊んでる 、と感じ取れていると思います(錯覚・勘違いともいう)。

逐次相手の変化が自分の世界に影響している、と感じると、「マルチプレイしてるんだな」って自分の中で感じ取っている状態です。

プレイヤーは客観的に世界を体験していない

実際に端末の差を見てみると、「敵の向きが違う」「雑魚の位置がバラバラ」「エフェクトが端末によってでるタイミングと場所が違う」などとずれている事が多いです。

極端にいうと、プレイヤーAの世界とプレイヤーBの世界では起承転結でいうと”起”と”結”だけが僅かなラグを含んだ同期をしているだけで、経緯の部分を客観的にみると全く違う世界が動くようになっていますが、それでも「ひとつの世界を共有している」と感じ取っています。

ユーザーのゲーム体験が大事

大事なことはプレイヤーが、ポイントポイントで事象を共有していることで、そこまでのプレイヤー各々の経緯に関しては大きく考慮しない、というのがあると思います。

ネットワークの性質上、不安定、遅延などはある部分なので、客観的に正しいかというよりは 1プレイヤーが主観的に見たときにおかしくないか? を考える方が楽にオンラインゲームの設計をできる気がしています。

余談:チャット

最近ソーシャルゲームにおいてもリアルタイムチャットを実装する機会が増えている気がします。

リアルタイム web も流行ってきているので、このあたりの同期性を気にする場合も多いですが、個人的にはプレイヤーの体験としてどうすればいいのか?が重要視されるべきで、ゲーム性によって設計を考える部分ではあると思います(ホーム画面に秒を刻んだチャットの同期がいるのか?など)。

ChatGPTにアピリッツのプレスリリースを書いてもらったら「カンのいいアシスタントが来た~!」と思った

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OpenAIが開発した自然言語処理モデルを活用したChatGPT。流行ってますよね。もう猫も杓子もChatGPT……という空気なので、広報のわたしも、その流れに乗っかって「プレスリリースをChatGPTに書いてもらったらどうなるか?」を、無料版を使って試しました。

結論から言うと「なるほどこれは便利だわ」と感じるレベルです。とくに広報の仕事を始めたばかりで「プレスリリースってどうやって書けば……」と困っている人(昔の自分です)にとって、ChatGPTは心強いお手伝いさんになるはず。また、仕事で文章をいっぱい書く人にとって、「大事な基本」に立ち返るいい機会になるとも感じました。

ChatGPTにオフィス増床のプレスリリースを書いてもらおう

今回は、アピリッツで過去に出したこちらのお知らせをもとにChatGPTにプレスリリースを書いてもらいました。

プレスリリース:アピリッツ、オンラインゲーム事業とWebソリューション事業拡大に伴うオフィス増床のお知らせ ニューノーマルに対応したオフィスをZ世代がデザイン

2年前にオフィス増床をしたんです。いまもカフェや懇親会やゲーム開発のオフィスとして愛されている場所です。

で、どうして既存のプレスを選んだのか? 理由は次の2点です。

情報漏洩に気をつけましょう

「未来の、未開示の情報」をChatGPTを使って書くことは情報漏洩のリスクにつながるおそれがあると考えました。今回は腕試しがしたいだけだし、じゃあ過去のプレスと見比べるのもいいかな……と思い、昔懐かしのオフィス増床のプレスをチョイスした次第です。

とはいえ過去を振り返ってばかりもいられませんし、もし「新サービスのお知らせ」などを書きたいときは、実際の社名やプロダクト名は入れずに試すとよさそうです。

インサイダー情報が漏れると悲劇が待っているので、そこは慎重にいきます(アピリッツはインサイダー情報の教育も念入りにやっています)。

当時「どう書けばいいんだろう」と私が迷った

広報として仕事を始めてまもなくの頃で、「どう書くのがいいんだろう?」とあれこれ迷ったからです。他社さんのプレスリリースを参考にさせてもらったり、社内のメンバーに相談しながらなんとか書き上げました。

なので、そんな当時の自分のことを思い出しながらChatGPTを使ってみることにしました。

ChatGPTはラフな言葉の意図を汲み取ってくれる(人間以上に)

まず一回目。

スラスラ出てきます。ChatGPTが書いてくれたプレスリリースは、タイトルと冒頭の数行を読めば「ああ、事業拡大して会社が成長しているから2/15にオフィスを増床したんだね」とわかります。さすがにこのままパブリッシュすることはありませんが、どんなことを書けばいいかの補助線としては立派に機能しています

なにより、わたしのラフな命令からこちらの意図をここまで汲み取って仕上げてくるのでびっくりしました。ChatGPTご自慢の自然言語処理のパワーを感じます。

では次に要素を足してみます。この新オフィスのデザインや設備は、当時入社間もない若手の社員が主導して考えてくれたんです。そのことを命令文にグダグダっと書き足してみました。

増床日が抜けてしまいましたが、「若手社員が中心となり、新しいオフィスの空間デザインや機能的なアイデアを提案し、活気あるオフィス環境を実現しました」なんて言い回しは参考になります。

なんというか、ChatGPTはカンのいいアシスタントのようです。

ChatGPTはタイトル案も考えてくれるよ

でもプレスリリースのタイトルがそっけないな……ってことで、タイトルも考えてもらいました。

今回は5案としましたが、これ10案でも10000案でもいいんですよね。黙々と10000案出してくれます。ここまで「!」を連呼するタイトルは、アピリッツではまだチャレンジしたことがありません。

ちょっとニュアンスを変えてみましょう。

ちゃんとこちらの雑なニュアンスを読み取って1000本ノックをこなしてくれる相棒です。自分一人で悩んでどん詰まりになるくらいなら、ChatGPTを参考にするのは大いにありだと感じました。

以上のように、オフィス増床のプレスをChatGPTに書いてもらいました。こちらからの命令文を工夫すれば、さらにいろんなバリエーションのプレスリリースの草稿を出してくれるはずです。

スクリプト(命令文)が大事

ChatGPTはユーザーとのチャット内容(命令文のやりとり)によって出力が変わります。実際に試してみると「何もしなくてもChatGPTの出力のクオリティはそこそこの及第点だが、ちゃんと使い込むともっと精度が上がる」と痛感するんです。そんな一例を紹介します。例えば「こういう表現ってこのシーンだとなんて言い換えたらいいんだっけ?」とChatGPTに相談してみると……?

まちがっちゃいないが、とても味気ない

実は、これと一語一句同じ問いかけを、私が去年から使っているChatGPTのアカウントでも試しました。するとまるで違う内容が出てきました。

あと一息だけど、こういうのを知りたかった!

こっちのほうが私は「いいな」と思います。バリエーションが多く、このフレーズの意味と効果がわかりやすい。おそらくプレスリリースを作成する場合も、同様に使い手側による命令文の工夫が必要です。

では命令文の工夫には何が必要なのでしょうか? まずは「このプレスで、わたしたちは何を伝えたいか?」の視点だと思います。

結局、「このプレスで何が言いたいんだっけ?」が重要

広報としてプレスリリースを作成するようになったばかりの頃、下書きの段階から永山CFOによるレビューを必ず受けていました。プレスリリースの内容はIRの開示とも関係することがあったからです。

ここでのフィードバックで一番ありがたかったのは「で、ポイントは?」という言葉です。そう、ポイント。たとえば「アピリッツって若手が多い会社なんだな」だとか「このサービスはどういった顧客のために作ったのか」です。

このポイントがブレることは、文章の「てにをは」が崩れることよりも致命的だと私は考えます(もちろん「てにをは」がおかしいプレスは、みっともないですし、読んでくださる人に失礼なので、超大事なのですが)。

「N月N日までにこのリリースを出さなきゃ!しかもなるべくカッコよくて、わかりやすい感じのを!」と焦ってノーシンクで文章を作ると、たいていロクでもない内容になります。ポイントを見失っているからです。

なので、「このプレスリリースのポイントは何なのか?誰に、何を、知ってもらって、どう感じてもらいたいのか?」と、ポイントをしつこく考えながら原稿を読み返すと、ChatGPTに何を書いてもらうべきで、彼らが出力した文章から、わたしたちは何を選び、調整するべきかが、おのずと見えてくるはずです。

おそらく「ChatGPTに丸任せした文章」はすぐにわかります(今のところ……の話ではあるかもしれませんが)。なぜなら「ポイント」を生み出し、ポイントを大切にして、ポイントにふさわしいアウトプットを選ぶのは、わたしたちだからです。精進します。

ということで、アピリッツのニュースはこちらです!見てね!

ChatGPTを使ったアノテーション支援ツールを作ったお話 – 自然言語処理技術を活用した高精度アノテーションの試み

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はじめに

クラウドインテグレーション部の浅田です。

OpenAIが提供しているChatGPTが話題になっていますね。3月に入りAPIの提供も始まったので、色々なサービスへの利用が考えられ始めてます。今回はアノテーションをサポートするツールをプライベートで作ってPoC(Proof of Concept)をした話を通して、ChatGPTの魅力や性能について書いていきたいと思います。

※ここでいうアノテーションとは、機械学習の分野で「教師あり学習を行うためにデータに対してラベルづけする行為」を指します。

想定する読者

  • ChatGPTってどんなものか知りたいかた
  • ChatGPTってどうやって使うのか知りたいかた

ChatGPTについて

ChatGPTOpenAIが作った大規模言語モデルです。自然な会話でのやり取りをできるというのが最大の魅力で、自然な文章を生成することができます。

最近まではブラウザでのみアクセスが可能だったのですが、3月に入りAPIの提供が始まったことで、アプリケーションから利用することが可能になり、様々な製品への応用が始まっています。

ChatGPTができること

ChatGPTができることを一言で表すなら「対話ができる」ということです。そして、対話ができるということは「言われたことを理解し状況に応じた発言ができる」ということでもあります。

突き詰めれば、ChatGPTができることはそれだけのことですが、膨大なデータでトレーニングされていることで、様々な応用がききます。

アノテーションについて

ChatGPTをはじめとした機械学習モデルは、教師データを与えることによって学習されます。例えば文章の感情判定モデルで、ポジティブ(な感情)とネガティブ(な感情)を識別したいモデルを作りたければポジティブな文章データやネガティブが文章データをたくさん用意することになります。

教師データとして使用する際にはそれぞれの文章がポジティブに属するのか、ポジティブに属するのかという情報を紐づけて与えてあげる必要があります。一方でポジティブ、ネガティブな文章は世界中にたくさんあると思いますが、ポジティブな文章である、ネガティブな文章であるという情報とセットで管理されていることは少ないので、データ自体と、それの情報を紐づけてあげる必要ががあり、その作業がアノテーションと呼ばれる作業になります。

アノテーションの課題

アノテーションは基本的には人手で行うことになりますが、大量のデータを作成するには人的コスト、時間的コスト、結果的には金銭コストが掛かってきます。そこで、ChatGPTを利用することでテキスト情報のアノテーションを手伝ってもらおう、というのが今回のコンセプトになります。

今回のツールのつくり

ユーザはWebブラウザ上から、アノテーションしたいテキストを一行ごとに記載したファイルをアップロードし、その際にアノテーションしたラベルの内容(先述の例であれば、「ポジティブ」、「ネガティブ」など)を指定することで、ChatGPTがそれぞれのテキストごとにラベルづけし、その理由、および確信度を表示する、という内容になります。

画面イメージとしては以下です。

入力画面
結果画面

テキストファイルを選択し、タグを指定すると、その結果が表示されるといった形になります。

今回のテキストファイルの中身は以下の様になっています。

スキピオはハンニバルがローマと戦ったカンナエの戦いに参加していたのである。
スティリコは異民族でありながらもローマの将軍として異民族と戦ったのである。
ハインリヒ4世はカノッサ城でローマ教皇グレゴリウス7世に謁見した。

それに対し、古代か中世でラベルを指定して実行した結果が上記の結果画面になります。適切にラベリングされていますね。

Reason列には、ラベル付の理由も具体的に書かれており、また歴史的事実とも合致しておりChatGPTのテキスト生成能力の高さが感じられる結果となりました。

ChatGPTのAPIを使う上でのポイント

フロント用のReactコード、およびバックエンドのChaliceのコードは以下のリポジトリで公開しています。

フロント

バックエンド

(ちなみに、annot”a”tionがannot”ai”tionになっているのは意図的です)

作り自体はシンプルなので、説明は割愛させていただきますが、ChatGPTのAPIの部分だけ補足させていただきます。

冒頭で、ChatGPTができることは「対話ができる」、すなわち「言われたことを理解し状況に応じた発言ができる」と述べました。裏を返せば、「いかにChatGPTにこちらが意図していることを伝えるか」が重要なポイントとなってきます。

機械学習の世界には雑なデータで作ったモデルは雑な結果しか生まないという意味の「Garbage In, Garbage Out」という言葉がありますが、ChatGPTでは雑な質問は雑な返答しか生まないといってもよいでしょう。

つまり、ChatGPTに対してどのような言葉を投げかけるかを設計することが、ChatGPTを上手く使うポイントになります。これはプロンプトエンジニアリングとも呼ばれます。

今回であれば、以下のようなプロンプト(発言)をユーザの入力を埋め込んで作成しています。

textには入力ファイルの1行が、labelsには指定したラベル(先述の例であれば”ポジティブ,ネガティブ”)が入ります。

{text}

上記の文章について、ラベルづけしてください。
答えは{labels}のいずれかで答えてください。

また、以下のフォーマットに従ってください。

ラベル:○○
理由:△△
確信度:□□

○○には{labels}のいずれかを入れてください。
△△にはラベルづけの理由を書いてください。
□□にはそのラベルが正しいと思う度合いを0から100の数値で表してください。

ポイントは2点です。

  • どのようなタスクを実行したいかを明示します。
    • 今回であれば「ラベルづけ」でうまくいってますが、端的な言葉でうまくいかない場合は、出きるだけ明示します。例えば、「どの概念に該当するか判定してください」など。
  • 出力の形式に対して、できるだけ具体的な制約をかけます。
    • フォーマットの指定がない場合でも、結果としては同じような内容を返してくれますが、出力の形式が安定しないのでAPIとして利用する際にはハンドリングしにくくなります。
      • 今回の例であれば、何も制約をかけないと「ラベルは「〇〇」です。理由は△△だからです。」であったり、「〇〇。理由は以下です。△△。」など出力が一定の形式にならず、プログラムから利用が難しくなります。

上記により

ラベル:○○
理由:△△
確信度:□□

のようにChatGPTの出力をコントロールできるので、プログラム側で正規表現で結果を抜き出すことが容易になります。

なぜChatGPTでアノテーションなのか

上記でみたように、与えたテキストがどのラベルに該当するかを返してくれるというのが今回のツールのコンセプトになります。

これはつまり、テキスト分類のアプリケーションを作っているということでもあります。

そこで疑問が湧く方もいるかもしれません。ChatGPTでテキスト分類ができるなら、アノテーションでデータを用意することなどする必要がないではないか、と。

確かにそれは一面では正しいですが、以下に記述するChatGPTの弱点を考えた時に、独自の機械学習モデルを作成することが必要なケースはまだまだあり、その際にChatGPTによるアノテーションが役に立つかもしれないと考えたためです。

ChatGPTの弱点

テキスト分類機能を実装するにあたり、ChatGPTにテキスト分類をさせれば事足りる可能性は高いと思います。それぐらいChatGPTの性能は驚異的です。

ただ、ChatGPTにもいくつか弱点はあります。

出力の正確さに偏りがある

ChatGPTはあたかも知識に基づいて発言しているように見えますがそうではありません。与えられた文章に続けて出力するとしたら、最も可能性のある(尤もらしい)文字列を出力しているだけです。それだけで、文章として自然で、文意を汲み取ったような文章を出力することは驚嘆すべきことですが、知識に基づいて発言しているわけではないのです。

したがって、学習データの少なさなどにより、連続する文章として可能性の高低を判断しにくい場合、出力を安定させることができません。すなわち、毎回バラバラなことを発言することになります。そして、全く事実と異なることを述べる可能性があります。

欧米の事柄や世界的に見ても有名な出来事や人物についてはかなり正確な記述が作成されますが、ローカルな出来事や人物については断片的で間違った記述をする傾向にあるようです。

これは追加のデータの学習で解決するものと思いますが、今のところ学習処理をユーザ側で行うことはできないので、対処することができません。

学習データにない新しい言葉には対応できない

ChatGPTは、当然のことながら学習に使われたデータについてしか対応していません。つまり、学習処理が行われたあとに出てきた未知の言葉や概念などは判断できません。これは適宜学習の再実行である程度は解決できる問題かもしれませんが、今のところユーザによる学習処理などはできないので、OpenAIの対応待ちとなってしまいます。

インターネットの利用が前提となる

当然のことながらOpenAIのAPIにアクセスできなければ、ChatGPTの機能を利用することはできません。インフラ面の制限からインターネットに繋ぐことが許可されていないプライベートネットワークや、IoTなどのエッジでの処理が必要である場合などで、ネットワークを利用できない場合には利用することができません。

速度が必ずしも速いわけではない

もちろん人手で同じことをするよりも、圧倒的な速度でレスポンスを返してくれますが、一般的なAPIと比較した場合に特段に速いわけではありません。これは汎化するために大規模なモデルになっているがゆえ仕方がないことではありますが、特化したモデルに比べれば速度面では遅いと言わざるを得ません。ただ、これはモデルの改善でよくなっていくものと思われます。実際に数ヶ月前に比べれば速度はかなり速くなっています。

ChatGPTの力を借りる

というわけで、ChatGPTはすべてを解決するというわけではないので、適宜使い所を見極めて使用していく必要があるかと思います。

今回であれば、ChatGPTの力を借りてアノテーションという人手で行っていた作業を自動化する試みを行いました。既存でも、学習したモデル自身にアノテーションされていないデータをアノテーションさせて、確信度が高くないデータだけ人にアノテーションさせようとするアプローチはありました。しかし、その判断を学習モデルに説明させること、特に普通の人が理解できる形で説明することは困難でした。ChatGPTであれば、モデル自身に人間の言葉でその理由を説明させることができます。

最後に

ChatGPTの性能には驚くばかりです。使い方によっては、今までは困難だったり、時間がかかっていた、たくさんのことを解決するポテンシャルを秘めていると感じます。

実際、今回のツール作成時にChatGPTで出力したコードを使ったり、いろいろ質問しつつ作成した部分もあります。専門家からすればChatGPTの出力には満足できない場合もあるかもしれませんが、ReactやAWS Chaliceを普段あまり使ったことがない自分のような人間が使う分には、大きな効率化につながりました。

ChatGPTはさまざまなテキストデータで学習されています。詳細は明かされていませんが、その中にはWebページや書籍などのデジタルデータが多数含まれています(参照)。

このため、ChatGPTは人類のデジタル領域における叡智の結晶と言っても過言ではないかと思います。ChatGPTを使ってどんな面白いサービスが出てくるか、ワクワクしますね!

文字列からテキストのオブジェクトを検索する機能

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アピリッツの知識共有サイト「ナレッジベース」で公開されている内容をアピスピでも紹介します。こちらはES部のエンジニア・Iさんによる記事です。

クライアントエンジニアのIです。

現在Switchの新規開発(Unity)のローカライズ担当のクライアントとして仕事をしています。

今回は実際に業務の中で実装した「文字列が設定されているオブジェクトを検索する機能」について紹介をしたいと思います。

経緯  

プランナーやデザイナーの画面を見ながら会話をしているとScene上のオブジェクトを沢山クリックしてオブジェクトを探すという光景が良く見られます。

Unityでは画面上でオブジェクトを直接クリックすることでオブジェクトを選択状態にすることができ、選択したオブジェクトの状態をInspectorで確認することができますが、基本的に多くのオブジェクトが重なっているので中々確認したいオブジェクトに辿り着かなかったり、クリックをしすぎて通り過ぎてしまったりと中々オブジェクトを選択状態にするのが大変です。

実装している人は何となくオブジェクト名を覚えているはずなので簡単に検索して探せるかもしれませんが、プランナーが確認するときにオブジェクトを探す手段はやはりクリックして追いかけるしかないです。

ローカライズを対応があるので「テキストのフォントサイズ等を確認しないといけない」みたいなシチュエーションが多くありました。

そこで「画面上に出ている文字列からオブジェクトを検索できるような機能」があれば便利かなあと思って実装しました。

実装  

実装はシンプルで文字列を入力できるEditorWindowを作成して、TextMeshProのテキストに検索で入力した文字が含まれているものを一覧で表示します。

それぞれがボタンになっていてクリックするとオブジェクトが選択された状態になります。

これでInspectorにそのオブジェクトの状態をすぐさま確認することができます。

public class FindObjectByText : EditorWindow
{
    private static float WINDOWSIZE_W =  500f;
    private static float WINDOWSIZE_H = 500f;
    
    // 入力テキスト
    private string _inputText = "";

    // 検索結果
    private List<TMP_Text> _resultTexts = new List<TMP_Text>();

    private Vector2 _scrollPos = new Vector2();

    [MenuItem("Tools/FindObjectByText")]
    public static void ShowWindow()
    {
        var window = GetWindow<FindObjectByText>();
        var windowPos = window.position;
        windowPos.size =  new Vector2(WINDOWSIZE_W, WINDOWSIZE_H);
        window.position = windowPos;
    }
    
    private void OnGUI()
    {
        using (new GUILayout.VerticalScope())
        {
            GUILayout.Label("テキストを入力してください");

            _inputText = EditorGUILayout.TextField(_inputText);

            if (GUILayout.Button("検索"))
            {
                SearchObject(_inputText);
            }
            
            if (_resultTexts.Any())
            {
                GUILayout.Space(10);
                GUILayout.Label("検索結果");
                using (GUILayout.ScrollViewScope scroll = new GUILayout.ScrollViewScope(_scrollPos,EditorStyles.helpBox))
                {
                    _scrollPos = scroll.scrollPosition;
                    foreach (var tmp in _resultTexts)
                    {
                        if (tmp == null)
                        {
                            continue;
                        }
                        if (GUILayout.Button(tmp.name))
                        {
                            Selection.activeObject = tmp;
                        }
                    }
                }
                
            }
        }
    }

    private void SearchObject(string text)
    {
        _resultTexts.Clear();
        
        var textObjects = FindObjectsOfType<TMP_Text>();

        for (int i = 0; i < textObjects.Length; i++)
        {
            var textObj = textObjects[i];
            // 検索
            if (textObj.text.IndexOf(text, StringComparison.Ordinal) > -1)
            {
                _resultTexts.Add(textObj);
            }
        }
    }

まとめ  

大した機能では無いですが、あると地味に便利だと思います。

テキストだけでなく「CharacterIdからキャラのモデルを検索」したりなど色々なComponentに対して応用することが可能です。

このような「何かのComponentの情報からオブジェクトを検索する機能」は特にバグ修正の時などにも使いやすい機能だと思うので是非使ってみてください。

最近業務をする上で少しでも「自分が不便だな」と感じたり、他の人の作業を見たときに「何か不便そうだな」と感じたらなるべく効率化できる機能を実装することを心掛けています。

皆さんも今回のようなちょっとした機能でもいいので「うちのプロジェクトで使ってるこの機能地味に便利だよ!」というものがあれば是非教えて欲しいです!

アピリッツの資格取得支援は社員みんなにメリットがあるよ(ITパスポート取りました)

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自分が頑張れば、自分に返ってくる環境

アピリッツでは資格取得支援制度をどんどん拡充させています。社長の和田がかつてインタビューで「(アピリッツを)”自分が頑張れば、自分に返ってくる環境”としたい」と答えていましたが、その環境を実現するためのステップのひとつです。

こちらもぜひ読んでください!

AWS認定をすべて取ったら100万円出します

たとえば、アピリッツは2021年の6月にAPN表彰手当を定めました。これは「AWS認定をすべて取ったり、社内外への技術発信に取り組んでAPNから表彰されたら会社から手当を出します!応援しています!」という施策です。最大で100万円以上出ます。

この「APN表彰手当」が社内に与えた効果は抜群で、AWS認定を取得するエンジニアがもりもり増え、AWS認定コンプリートまでリーチがかかっている社員も数名います(マネージャー陣曰く「想定以上のペースでみなさん勉強して取得しています」とのこと)。

社内Slackでも試験勉強について活発に情報交換がされています。

IPA資格保持手当も始まったよ

エンジニアも、デザイナーも、アナリストも、マネージャーも、みんなが勉強する環境であるならば、バックオフィスのメンバーも勉強したっていいんじゃない? ってことで、広報の私も、まずは情報処理推進機構(IPA)の資格のうち、基本のキである「ITパスポート」を取ってみることにしました。こちらはアピリッツが最近定めた「IPA資格保持手当」の対象資格にも入っています。

エンジニア以外のメンバーにも、IT企業で働く上での基礎知識を身に着けてほしい……そんな意図もあって、ITパスポートもIPA資格保持手当のラインナップに加わりました。

ITパスポート試験の受験料や合格基準は?

ITパスポートの受験料は7500円(2023年2月時点)で、合格すれば経費精算できます+報奨金ももらえます。

試験の仕組みはとても単純で、合格基準点に達すれば誰でも合格です。つまり入学試験のように倍率やライバルを心配しなくていいので気がラク。

また、日本のあちこちで毎日のように試験が開催されています。だから受験までの予定が立てやすくてありがたかったです(ただ、都内は1ヶ月先くらいまで試験会場が埋まりがちでした。やると決めたらとっとと申し込むことをオススメします!)。

自分にあったスケジュールと試験会場を選んで受験申込をすれば、あとは勉強するだけです。

やっててよかった試験対策

極端に苦手な分野は作らないほうがいいよ

ITパスポートの合格基準は2つあり、2つとも満たす必要があります。

まず、総得点が60%を超えていること。

そして、ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系と3つの分野ごとに用意された合格基準点を超えていること。

後者の合格基準があるため、「ストラテジ系だけで一点突破してやるぜ!」みたいな勉強法はおすすめしません。とはいえ、易しい問題から難しい問題までいろいろあります。各分野の易しい問題だけでも必ず得点できるようにしておけば、合否ラインに豪快に引っかかることもなさそうですし、落ち着いて試験に臨めるのではと個人的には思います。

過去問がウェブ上で公開されてる

試験対策が必要かどうか? は、人によります。

まず己の実力を測るために過去問をやってみましょう。

参考書もたくさん売っていますが、それらを買う前にWebで過去問をちょっとやってみて、ざっくりと得点率を把握して、自分の勉強スタイルを決めるとよさそうです(たぶんこれで「自分ノー勉でいける」とわかる人もいるはず)。

私は、「勉強しないと合格は難しそうだな~」という際どい模試結果だったので、ウェブ上の過去問(大量)と参考書で試験対策をしました。とくに実際の試験もPCで回答していくのでPCで過去問を解きまくるのが個人的には一番合っていました。

とくにこちらのサイトのお世話になりました。

ITパスポート過去問道場

過去問道場では、過去問を試験回や分野で指定して解きまくれます。1000本ノックとかできちゃう。で、解きながら「当てずっぽうで答えてしまえ」だとか「なんだこれ?」と思った出題があれば、そこが自分の弱点なので、参考書や過去問サイトの解説を丁寧に読んで、出題の意図や傾向を理解していきました。

参考書はこちらを買いました。

令和04-05年 ITパスポート 試験によくでる問題集

理由はタヌキがかわいかったからです。あと技術評論社がなんとなく好きだったから。休みの日や朝の出勤前にソファに座ってブツブツ声に出して読んでいました。紙はパソコンの画面と違って目が疲れにくいのが利点。あとどこにいてもパッと本を開いて読める。

試験当日はこんな感じ

試験時間は2時間。ただし帰りたきゃさっさと帰ってよし

電卓や時計は持ち込めません。紙とペンは試験会場で提供されますので、暗算できない計算はその紙を使って解きましょう。

また、試験時間は2時間用意されています。正直「え!なっが!」と思いましたが、大丈夫。あなたの帰りたいタイミングで帰れます。解き終わって、気になるところを見直して「これでよし!」と思ったら、採点結果を見ましょう。己の試験結果を見終わったら、さっさと立ち去っていいです。マイペースに行きましょう。

ちなみに試験会場には老若男女いろんな人が集まっていました。試験直前までテキストを読み込む人、自作の勉強ノートを大事そうに抱えている人、ぼんやり窓の外を見ている人、いろいろでした(私はテキストを読み返していました。とくに2進数が苦手です)。

勉強はおもしろい

合格してもしなくても、とりあえず勉強するのは何歳になってもいいもんだな~と思いました。社内でエンジニアや営業のメンバーが何気なく口にしている単語の意味がわかったり、何が大事なのかが少しつかめるからです。社内でのコミュニケーションがラクになります。手当も当然うれしいけれど、こういった手応えが実は一番うれしかったりします。仕事と地続きの勉強のおもしろさとメリットを再確認しました。

ということで、次はGAIQAWSのクラウドプラクティショナーを勉強中です。がんばりまーす。

デザインの言語化を振り返る

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デジタルエクスペリエンス部所属の内田です。
アピリッツではこの2月に新しい期が始まりました!区切りの機会に、この1年を振り返ってみたいと思います。
個人的にはこの1年で「デザインの言語化を強化する」という目標を立て、日々試行錯誤してきました。今回はその成果や反省点を振り返ります。

デザインの言語化が必要な理由

デザインの言語化を強化したいと思ったのは①お客様にデザインを説明するとき②コーディング以降の工程の2つの段階でその必要性を実感したためです。

①お客様にデザインを説明するとき

デザインがなかなか決まらない

デザイナーなら誰しも経験するこの場面。単にクリエイティブが上達すれば回避できるわけではないことを薄々感じ始めていました。
デザイン決定までには様々な調整が必要となります。そんな中で、デザインがイメージ通りでない時に、お客様もまたどう直してほしいかうまく言葉にできていないことに気づいたのです。

そこでこちらがデザインを提出する際に、
〇〇なニーズや課題がある(説明)だからこういうレイアウトや色にしました(ビジュアル)
というように説明とデザインをセットで提示するようにしました。

お客様にはまずその説明を読んでいただけるため、その課題感や解決策について認識合わせができ、それがビジュアル化されたときの細かいニュアンスについて説明した言葉をもとに微調整が可能になります。
こうすることで考え方の方向性が違うのか?細かいビジュアル調整だけでいいのか?などがコミュニケーションの中で明確になり、デザイン決定までの意志疎通がスムーズになったと実感しています。

スピード感のある制作と決定が必要となった

MVP開発やアジャイル開発が多くなった昨今では、毎工程ワイヤーフレームをじっくり考案し、それをもとにデザイン制作…といった決まった工程が繰り返されるわけではありません。システムや事業担当者の検討会議では実際のデザインをもとに議論をしたいという場面も発生しました。

その中でデザインを考え、説明を準備して提示していく…となると、スピードを上げたいにもかかわらず工数が増加してしまいます。

そのため、事前に論点を絞って重要な課題をピックアップしてから作業することで、必要なデザインだけを効率的に作成しました。
始めにテキストベースで整理されていると、そのまま説明資料にも活用できるため便利です。

また、説明資料では毎回共通のフォーマットを使用しました。デザイン確認に精通していない人でも認知負荷がかからず理解しやすくなるようにするためです。
「デザイン確認に精通していない人でも認知負荷がかからず理解しやすい」ということがとても重要で、共通フォーマットで説明とデザインの併記を徹底することで、解決したい課題や行うべき施策といった本質的な議論に集中できる環境を作ることができたと感じています。

②コーディング以降の工程

大きなプロジェクトになると自分で作成したデザインを他のメンバーにコーディングしてもらうことが増え、コーダーさんやエンジニアさんととの関わりが増えていきます。それと同時に次のような問題も増えました。

意図したデザインとなんか違う…?

まずこれは「デザイン通りの見た目になっていない!」という話ではないことを前置きしておきます。
デザイン通りの見た目になっている上で、出来上がったものが、なんだか、ちょっとだけ、意図したものと違うのです。

状態変化のパターンや既存or新規で作ると影響範囲がどうなのかなど……様々なことを考えデザインが出来上がるも、そのデザインの経緯や理由が伝わっていないと実装時にそれらが反映できず、不要な工数やコードが積みあがってしまう危険性があります。

そのような悲しい状況を防ぐためにも、デザインファイル内に細かくデザイン意図を記載し、コーディング担当者へ向けてデザインの経緯や理由・指示を書き込むようにしました。

例としては、このような感じです。

  • ここは大小さまざまな写真が入る予定なのでcssは〇〇の指定にして写真がすべて同じ大きさに見えるようにしてください。
  • このリンクはページ下部の△△へのアンカーリンクです。ヘッダーが追従してくるので移動後に見出しが隠れないようにお願いします。

思い返してみると、動的にデータが入る部分や移動を伴う要素への注意書きが多い気がします。

無駄な確認工数が発生する 

こちらもまず前提を話しておくと「いちいち聞かないで!」みたいな話ではありません!!
「だいたいよく発生するコミュニケーションって決まってるから、決まった場所によく聞かれることがまとまっていれば効率がいいのでは?」という発想になったお話です。

どんなプロジェクトでも途中でメンバーの出入りが発生しますし、その度に「この案件とは…」という共有ミーティングが開催されます。
また、プロジェクトが大きくなればなるほどファイルの種類や規模も大きく、すべてを把握することが難しくなってきます。

そこで、案件の基本情報やデザインファイルの場所を記載したドキュメントを作成しました。Slackの案件チャンネルなどにピン止めしておけば、プロジェクトに新しいメンバーが加わる時や探し物がある時に便利です。

さらに、デザインファイル内でも基本的なデザインルールや使用できる値を明確にしておく(デザイントークンを作成する)ことで、複数人で作業する場合や、規模が大きくなってきたときに一貫性のあるデザインが作成できます。

結局はコミュニケーション

ここまでデザインの制作と連携をスムーズにするために行った様々なことを振り返ってみました。もちろん言葉や伝え方に気を使えば使うほど、自分の意図の伝わらなさに落ち込んだり、他の人の意図をうまくくみ取れなかったりして、コミュニケーション面で「難しいなぁ」と感じることが多々ありました。

しかし「デザインの言語化」も結局はどうコミュニケーションをとって他業種の人や作業者同士で連携していくかということに終始しているように思います。
なぜなら、その方法について調べたり試したりする中で、私だけでなく、多くの仲間が同じ問題に直面していることに気づいたからです。

そのような課題を解決しようと行動することは”DesignOps”と呼ばれ、専任の担当者やチームまで誕生している企業もあります。
自分のやってきたことはDesignOpsの中のほんの一部かもしれませんが、もっと周りの業務を効率化してデザインの質を高めていこうという気運が高まっているのは確かです。

2023年はそんなDesignOpsをもっと深堀りしつつ、よりよいものを作っていきたい!という新たな目標を立て、新しい1年を頑張っていこうと思います。

Maya‐髪の毛やスカートなどの「揺れもの」における、スキニングの私的やりやすい方法

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アピリッツの知識共有サイト「ナレッジベース」で公開されている内容をアピスピでも紹介します。こちらはES部の3Dデザイナー・平岡 隆一さんによる記事です。

業務でMayaを使うようになったはじめの頃は、最大インフルエンス数が3や4に設定されたスキンウェイトの調整に手こずっていました。

髪の毛やスカート、ひも状モデルなどの揺れ物をスキニングする時、ジョイント数が3つ以上あるとウェイト調整が途端に難しくなるかと思います。 業務を進める中で、揺れ物のウェイト調整を綺麗に行うためのポイントを見つけましたので共有させて頂こうと思います。

スキン影響値の範囲

メッシュをジョイントにバインドスキンすると自動的に影響値を設定してくれますが、範囲も強さもバラバラなので手動で設定します。 まずは、ジョイントがメッシュ頂点に与える影響値の範囲を設定します。

ジョイントの影響値の範囲は『後方ジョイントの少し手前から前方ジョイントの末端くらい』までにします。 全てのジョイントの影響値範囲をこのような法則で先に設定します。

スキン影響値の強さ

先程設定したスキン影響値範囲の両端が最もウェイトが弱いので、影響値を0.05ぐらいに設定します。 スキン影響値範囲の丁度真ん中あたりが最もウェイトが強くなるので、影響値を0.7ぐらいに設定します。

両端と真ん中のウェイト値を決めたら、さらにその間のウェイトを調整します。

ジョイントを移動させてみて、メッシュが綺麗に変形できていれば概ね調整は完了です。

この要領でその他の頂点もウェイト調整していきます。

まとめ

少々説明が分かりづらくなってしまいましたが、要点をまとめると、

・ウェイトの範囲を先に決め、

・ウェイトの最も強いところと弱いところを設定し、

・その間の頂点を馴染ませる。
といった具合に順序立てて進めていくのがポイントです。

以前は私も片っ端からがむしゃらに調整作業をしたので、非常に時間が掛かっていましたが、 これだと思う法則を決めてから実行することで作業短縮に繋がりました。

もちろん、今回紹介した方法は個人的にやりやすいと思っている方法なので、これが正解というわけでもなく、このほかに更にやりやすい方法があるかと思います。

また、今回のは揺れ物系に関したスキニングのコツであり、人体の関節などとは勝手が違うことをご了承ください。

こちらの情報が少しでもお役に立てれば幸いです。

GA4プロパティ自動作成を無効化する方法

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最近部署異動しましたデータマーケティング部のYサイト→です。
WEBマーケティング業界に衝撃を与えた「Universal Analytics(以下UA)の計測を停止する」というGoogleのアナウンスから、約1年になります。各社がGA4への移行に苦労する中、Googleから新たな情報がリリースされました。

[UA→GA4] 自動作成された Google アナリティクス 4 プロパティについて
https://support.google.com/analytics/answer/12938611

要約すると、「2023年2月28日までにオプトアウトの設定をしないと、自動でGA4プロパティを作成して、UAの設定内容を移行しますよ」という内容です。
一見「GA4移行が手っ取り早くできそう!」と嬉しい内容です。しかし、本当に思い描いている通りにちゃんと移行されるのか、既に移行を終えている企業はどうすれば良いのかなど、いくつかの疑問が残ります。
実際どうなるかは3月1日にならないとわからない部分もあり、個人的には「オプトアウト(GA4プロパティを自動作成させない、無効化)の設定をした方が良いのでは?」と思っています。

そこで今回は、どのようなプロパティがGA4プロパティを自動作成されてしまうのか、オプトアウト設定する方法、オプトアウトしないリスクなどをご紹介したいと思います。

GA4プロパティ自動作成対象の見分け方

まず、全てのUAプロパティでGA4プロパティが自動作成されるわけではありません。主に2つ条件があります。

①UA無償版のプロパティである
②12ヶ月以内にデータ計測がされている

これらの条件にあてはまるかわからない方は、それぞれ確認していきましょう。

①UA無償版のプロパティである

ご自身が利用されているUAが無償版か有償版かわからない場合は、実際にUAを開いて確認してみましょう。

GAの管理画面上部で確認したいプロパティ、ビューを選択しようとしてみてください。すると下図のように見えると思います。そこで「360」というアイコンがあるものは有償版のUAプロパティです。それ以外は無償版となり、今回のGA4プロパティ自動作成の対象となります。

②12ヶ月以内にデータ計測がされている
12ヶ月以内にデータ(ヒット)が計測されているかどうかを確認するわかりやすい方法はUAのレポート画面確認かと思います。
UAの左メニューの「行動」にある「サイトコンテンツ」配下の「すべてのページ」などで見てみましょう。
右上の日付部分を過去1年で指定して、グラフが表示され、ページビュー数などに数字が入っていればデータ計測されていることになります。

UAのレポート画面確認

これら条件に当てはまる方は、次章でオプトアウトする方法を確認してみてください。

オプトアウトする(自動作成させない)方法

オプトアウトの設定がされていないUA無償版プロパティは、自動でGA4プロパティを作成されてしまいます。
他部署とGAアカウントを共有していて、複数のUAプロパティが存在している場合、それぞれオプトアウト設定をしておかないと、3月1日、意図しないGA4プロパティが作成されてしまっているかもしれませんし、既存のGA4プロパティへの影響があるかもしれませんので、ご注意ください。(後述します)

オプトアウトするには、まずはUA無償版プロパティを開きます。
UA無償版プロパティの管理画面左下「歯車アイコン 管理」をクリック > プロパティの設定列にある「GA4設定アシスタント」をクリックしていきます。

UA無償版プロパティ
GA4設定アシスタント

すると下図のような画面が開きます。

GA4設定アシスタント

画面下部までスクロールして、下図のように「Google アナリティクス 4 プロパティ(基本設定)を自動作成する」の右にあるトグルボタンがオン(青)になっているか、オフ(グレー)になっているかを確認してください。

Google アナリティクス 4 プロパティ(基本設定)を自動作成する

オフになっていれば、GA4プロパティは自動で作成されません。
オフにしようとして、トグルをクリックしたけれども、オフにできないという方は、そのUAプロパティにおける「編集権限」がないので、オプトアウト設定ができません。管理者に権限付与をしてもらうか、管理者に直接オプトアウトしてもらうように依頼しましょう。

オプトアウトしないリスク

前章で前振りをしましたが、今回のGoogleのリリースは既にGA4プロパティを作成している方も注意が必要です。
例えば、UAプロパティの管理画面のGA4設定アシスタントを使用してGA4プロパティを作成し、その後GA4プロパティをカスタマイズしたとします。そのような方は、下図のようにUAプロパティとGA4プロパティが接続されている可能性があります

この場合、接続されているGA4プロパティの管理画面側では下図のように表示されます。
(「歯車アイコン 管理」をクリック > プロパティの設定列にある「設定アシスタント」をクリック)

ここで注目していただきたいのが赤枠内の「0/12 個が完了としてマーク済み」という部分です。Google的に12個設定してほしいものがあるようです。

・データの収集
 1.ウェブサイトとアプリのデータを収集する
・プロパティ設定
 2.Googleシグナルを有効にする
 3.コンバージョンを設定
 4.オーディエンスを定義
 5.ユーザーを管理
・Google広告
 6.Google広告にリンク
 7.GA4のコンバージョンに基づいて入札
 8.GA4のオーディエンスを広告のターゲットに設定
・高度な設定(省略可)
 9.データをインポート
 10.BigQueryにリンク
 11.User-IDを設定
 12.Measurement Protocolを使用

3月1日にこれらの中で「完了」となっていないものについては、自動で補完されてしまう可能性があります。
これがオプトアウトしない場合のリスクです。特にGoogleシグナルはプライバシー・ポリシーに関わる重要事項で、法務的に大きな問題になる可能性があります。「GA4ではGoogleシグナルは利用しないつもりだったのに、勝手にオンにされてしまった」とならないように、オプトアウト設定するか、それぞれ完了させましょう。

完了させるには、各項目の右側にある「>」をクリックするとダイアログボックスが表示されるので、「完了」をクリックしてください。


まとめ

少し長くなりましたが、GA4プロパティ自動作成を無効化する方法をご紹介しました。
オプトアウト(無効化)設定をしないと、思いもよらぬデータを収集してしまったり、プロパティ一覧が散らかってしまったり、わざわざ手動で設定した内容が上書きされてしまう可能性があります。これは当日になるまで何がどのようになるのか、Googleしかわかりません。
そのようなリスクを避けたい方はぜひ今回の方法でオプトアウト設定をしていただければと思います。

アピリッツでは、今回のようなGA4に関する最新情報を踏まえ、GA4導入をサポートしています。
もし、「とりあえずGA4で計測を始めたけど、全くカスタマイズしていないのでどうにかしたい」「GA4導入を機にGTMを整理、Looker Studio(旧データポータル)でデータを見える化したい」など、お困りのことがございましたら、まずはお気軽にご相談ください。

日常でも1mmぐらいは役にたつ脆弱性対策・セキュリティ関連サイト3選

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アピリッツの知識共有サイト「ナレッジベース」で公開されている内容をアピスピでも紹介します。こちらはセキュリティエンジニアの落合さんによる記事です。

こんにちはセキュリティエンジニアの落合です。

突然ですが、みなさんはPCやスマホを使っていて自分の 個人情報が流出したり、ウイルスにかかったという経験はお持ちでしょうか?

インターネットの海には怪しげなWebサイトがたくさんあります。 自分からそのサイトに立ち入らなくても、Eメールや最近ではSMSを使ったフィッシングをして偽サイトに誘導をして個人情報を盗んだり脆弱なWeb サイトやアプリを攻撃して個人情報を盗んだりで攻撃者たちはあの手この手で個人又は企業から個人情報を盗もうとしてきます。

そんなときにセキュリティに詳しくなくても1mmくらいは役に立つサイトを3つ厳選したのでいざという時に活用してもらえると嬉しいです。

1:メールアドレスやパスワードの流出を自分でチェックできる「HAVE I BEEN PWNED ?」

まず一つ目に紹介するサイトは「HAVE I BEEN PWNED ?」というサイトです。

このサイトはFacebookなどの実際のWebサイトやアプリで攻撃者によって盗まれたEメールアドレスとパスワードがデータベース化され、自分のEmailやパスワード を入力して流出しているかを確認できるサービスです。 怪しいサイトと思われるかもしれませんが、このサイトはセキュリティ研究者の トロイ・ハント氏が運営していて、イギリスの国家犯罪対策庁やアメリカのFBI と情報共有を行っている、信頼性のあるサイトです。

自分も実際にこのサービスを利用して自分のGmailのアドレスを入力したところ個人情報が盗まれていることに気がつきました。Life bearという電子手帳アプリ の運営から個人情報流出の謝罪文の載ったメールが実際に来ておりました。 すべての個人情報流出を確認できるかどうかはわかりませんが、大規模なサービスで流出した個人情報を確認できる貴重なサイトです。

HAVE I BEEN PWNED ? URL: https://haveibeenpwned.com/

2:パスワードの強度は? 「Security.org パスワードチェッカー」

自分のメールアドレスがすでに流出したころを確認したら、対策としてはパスワードを変更して、可能であればSMSによるワンタイムパスワードを設定しておくことです。 パスワードに関してはパスワードは8文字以上で大文字小文字の英数字と特殊文字を 含めたパスワードを設定することをお勧めします。攻撃者としては長ければ長いほ どパスワードを解読するのに時間がかかるので、文字数の長いパスワードもお勧めします。

そしていざパスワードを思いついた!となったら実際にパスワードの強度も確認することもお勧めします。以下のサイトでは実際のパスワード解析にかかる時間も表示してくれます

Security.org パスワードチェッカー URL: https://www.security.org/how-secure-is-my-password/

3:添付ファイルの安全性を確かめよう「VIROUS TOTAL」

最後に、攻撃者たちはメールやSMSでフィッシングによって直接的に個人情報を盗もうとするかもしれません。又は、身近な人を踏み台にしたフィッシングかもしれません。

身近な人を踏み台にした攻撃はなかなか気を付けていないと見分けられない場合があり、 うっかり添付されたファイルを開いてしまうことがあるかもしれません。

よくあるのは、ウイルスやマルウェアを添付したメッセージを使用した攻撃が考えられます。 次のサイトは、身近な人から受信したメッセージに怪しいファイルが添付されたときに 、利用をお勧めするサイトです。このサイトはgoogleによって運営され怪しいファイル を上げるとファイルにマルウェアやウイルスが含まれているかを確認することができます。

VIROUS TOTAL URL: https://www.virustotal.com/

思わぬところに落とし穴はあります

便利なインターネット生活でも思わぬところに落とし穴が潜んでいるので、自己防衛の ためにセキュリティについて関心を持っていただけると幸いです。

「デザイナーに寄り添って話を聞きたい」山田 有里沙インタビュー

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ゲームグロース部で部長代行としてチームをけん引する山田は、2Dデザイナー出身です。今も現場でプレイヤーとして活躍しつつ、後進の育成をしています。「私は“外に向かってグイグイ行くぞ!”ってタイプじゃないんです」と言いつつも、ある局面では「プレッシャーを感じない」そうで……? 仕事をするうえで大切にしていることを教えてもらいました(取材 2022年12月)

式姫Projectに惹かれて入社

ーー 2017年に新卒のデザイナーとして入社されていますよね。アピリッツを選んだ理由を教えてください

アピリッツの自社IP「式姫Project」に惹かれたことが一番の理由でした。就職活動中に企業研究の一環で式姫のポータルサイトを見たり実際にゲームをプレイしていたのですが、他ではあまり類を見ない筆タッチの特徴的なイラストや、ドット絵、それから華やかなドット絵のアニメーションに魅せられてしまい……。すっかり式姫Projectのファンになりました。今も変わらず大好きで大切な作品です。

アピリッツに入社して、式姫Projectのチームに配属されました。大好きな式姫とお仕事で関わることができたのは、とても幸せな体験でした。今開発中の新作も、いちファンとしてドキドキしながら楽しみに待っています。

ーー 女性管理職が増えてきていますよね。アピリッツのゲーム開発の現場は働きやすい環境だと感じますか?

働きやすいです。とくにデザイナー職の方は温厚で優しい人がとても多いなと思います。

新卒からずーっとアピリッツにいるので「他社と比べてココがいい!」っていう特徴は、私からはちょっと言えないんですが、フレックスタイム制を活用すると通院もしやすいですし、育児休業や産休制度を取得している人を多く見かけます。男性の育児休業も最近は増えていますし、いい環境だなと感じます。

性別によって働き方や仕事内容に差を感じたこともないので、私にとって働きやすい会社です。

―― 入社してすぐの頃と現在とを比べて、何か変化はありますか?

入社したばかりの頃は、自分が新人だったこともあって、先輩に声をかけるのに勇気がいりました。社内の雰囲気もすこし緊張感があったような気がします。

今は、社内は程よく柔らかい雰囲気になったかなと思いますし、自分でも積極的に動くようになりました。

―― 積極的に動くようになったきっかけは?

デザイン業務の管理を任されるようになったからです。デザイン制作の最後のゴーサインを出すのが私の役目になりました。もともと社員にチャレンジをさせてどんどん任せる社風ですし、任されたからには、もうやるしかなかった(笑) 最初は不安でたまらなかったです。

「雑な仕事」はユーザーに必ず伝わる

―― 「最終判断を自分で出さないといけない」ことにプレッシャーを感じる人も少なからずいますよね

いますね。ただ、私は自分で責任を負って最終判断を下すこと自体は、しんどくなかったんです。大学生のとき、フリーランスのイラストレーターとして活動していたので「自分の制作物がユーザーの目に触れる」ことに慣れていたのもあるのかもしれません。

それに、ユーザーがゲームに没入できるよう、粗のないグラフィックを制作することはデザイナーにとって大切なことだと思っています。だから、そこは責任持ってちゃんとやろう、って思って動いていました。雑な仕事はユーザーに必ず伝わってしまうものですし、あってはいけないことなので……。

―― デザインの管理をしながら自分でもプレイヤーとしてデザインの仕事をしていますよね。最初から両立はできましたか?

最初は難しかったです。チェックだけをずっと続けていたら1日が終わってしまって「自分が作業する時間が取れない……!」って焦ったこともありました。この時期は精神的にしんどかったです。絵をチェックするスキルや「デザインを見る目」が成長している実感はあったけれど、じゃあ自分の絵の技術はどうなんだろう、上がったかな、ちゃんと自分でも作れるのかなって不安でした。

アピリッツの広報キャラクター「山田アイコ」は山田がデザインしました(だからアイコの名字も山田なのかも?)

―― その「管理職兼デザイナー」としての不安や葛藤はどうやって克服したのでしょう?

毎日デザインの管理業務をやっていくうちに、少しずつ慣れて、効率化できるようになりました。作業を少しずつメンバーに振り分けて、自分でもデザインをしてみたり。

それに、人のアウトプットを見るのは、基本的にとても好きなんです。「そのアプローチは思いつかなかったな」など、日々刺激を受けています。

あと、社会人になってからもプライベートでの制作はずっと続けてきました。これも精神衛生上、すごく効果的だったと思います。社会人になると、個人で制作する人は減っちゃうんですが、趣味の制作は続けたほうがいいです。とくにデザインを仕事にする人にはオススメします。

そしてなにより、私が今こうしてがんばれているのは、いいメンバーに恵まれて励まされてきたことも大きいです。私が別のプロジェクトに異動するときに、私の仕事を引き継いでくれた新卒デザイナーの鈴木もすごく頑張ってくれたと思います。

デザイナー同士でどんな話をする?

ーー 山田さんのマネージャーとしての面について、教えてください。アピリッツでは1on1の文化がありますよね、どんなことを伝えていますか?

まずは、どんな対話の場でも「私はあなたの味方だ」とわかってもらえるように努めています。これは私が実際に本心から思っていることなので、伝わっているといいなといつも思います。

私自身、怒られたりキツい態度をとられるのが昔からすごく苦手なんです(笑) だからこそ自分が伝える側になった今は、やわらかな物腰を心がけています。

最近の1on1では、将来のキャリアプランや、それを実現するためにどうすればいいかといった目標の話をすることが多いです。私はアピリッツでの勤続年数が長いですし、今までの経験がメンバーと話をする上で役に立っていますね。

―― 2Dデザイナー出身の管理職として、どんな話をしていますか?

2Dデザイナーに求められていることは、今も昔も変化はあまりないかもしれません。正社員であれば、アセットの品質管理やディレクション能力は必要です。そしてエフェクトやモーションなど、イラスト以外で強みになるスキルを持つことが求められています。

たとえば、UI/UXができる2Dデザイナーは市場価値が高いです。とはいえ、2Dデザイナーになりたい人のモチベーションって、最初は「イラストがうまくなりたい!」だったりするんですよね。私もそうです。でも、絵だけを書いている社員はいません。イラスト以外の強みを持つ必要があります。だから好奇心強い人が生き残れる。

入社当時は、とにかくいろんな分野の業務を振ってもらいました。そこでスキルを身につけられてよかったなと思います。新しいことを覚えるのが大好きなんです。

―― 「正社員のデザイナーになるには?」といった相談も受けますか?

受けます。相談へのアドバイスとして、まずはプロジェクトへの貢献意欲や、いろんなソフトを扱えることが大切だよと伝えています。あとは、先程もお話ししたように、好奇心を持って仕事に取り組んでほしいです。

―― ゲームグロース部をどんなふうに引っ張っていきたいですか?

デザイナーに寄り添って、適切な評価や配置ができる管理職になりたいです。デザイナー出身の管理職は今はまだ少ないので、まずは私がそこを担いたいなと思います。

部長代行になってからは、現場でプレイヤーとして活躍しつつ、2Dデザイナーの育成に力を入れるようになりました。最近の1on1では、2Dデザイナーとじっくり話す機会がとても増えて、デザイナー同士で話すからこそできることについて考えるようになりました。

打ち明けてもらった悩みに耳を傾けて、力になれることがあると信じています。だから「私はあなたの味方だ」ってわかってもらうことは、私にとってとても大切なことなんです。

そうやってまずは内部の環境をよりよくすることに力を尽くしていきたいです。

―― ありがとうございました!

Looker Studio(旧:Googleデータポータル)で用いる図・グラフの特徴とポイント!

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【はじめに】

デジタルエクスペリエンス部_GAチーム所属の富浦です!
デザイン制作チームから2022年の春にGAチームに異動してから、データに触れる機会が以前よりかなり多くなりました。特にLooker Studio(旧:Googleデータポータル)を用いてデータを図・グラフ化する機会が多いです。

今回はLooker Studioで用いる図・グラフの特徴と表示時のポイントについてご紹介していきます!

2022年10月11日に「Googleデータポータル」は「Looker Studio」に改称されました。
参考:https://cloud.google.com/blog/ja/products/data-analytics/looker-next-evolution-business-intelligence-data-studio

【本題】

1. 棒グラフ

■特徴
項目毎の数値を棒の長さで表したグラフ。項目毎の量を把握できます。

■表示時のポイント
①表示順
デフォルトは指標順となっているため値が大きい項目が左、小さい項目が右の降順に設定されています。例えば年齢別の場合は、若年層から昇順で配置した方が各年齢層の数値を分析しやすいため、その場合は並び替えの項目を「年齢」に変更し、「降順」から「昇順」に変更する必要があります。

②棒の数
デフォルトは「10」に設定されているため、項目が11以上の場合は設定を変更しないと表示されません。反対にTOP5を表示させたい場合は、棒の数を「5」に変更すると上位5つのみ表示されます。

③データラベル
「データラベル」を表示しておくと直感的に数値を確認することができます。

2. 折れ線グラフ

■特徴
項目毎の数値を線で繋いだグラフ。件数などの推移・変化の度合いなどを把握できます。

■表示時のポイント
①ポイントを表示
折れ線グラフはデータラベルを表示させると数値が重なって見えにくいです。Looker Studioはグラフをホバーすることで数値を確認することができるため、どこにホバーすれば良いか分かるように「ポイント」を表示しておくと親切です。

②色
各項目が近い色相やトーンだと見えづらいです。例えば性別毎の折れ線グラフであればイメージカラーに沿って青系統と赤系統にすると直感的に把握しやすくなります。

3. 円グラフ

■特徴
項目毎の占める割合を円盤状に表したグラフ。項目毎の割合を把握できます。

■表示時のポイント
①凡例
デフォルトは円グラフの右側に凡例が表示されています。スタイルの凡例から位置を「下」に変更することで、左右の余白をコンパクトに納めることができます。

②スライス数
表示される項目数が多いと割合が分かりにくくなるため、スライス数は「5個」程度にすると見やすいです。加えて色も境界線が分かりやすいように配色すると割合を把握しやすいです。

4. 帯グラフ

■特徴
帯状の中に項目毎の占める量を示したグラフ。項目毎の構成比の相違を把握できます。

■表示時のポイント
①データラベルの表示形式
表示するデータラベルを「数値」から「割合」に変更することで、より各項目の割合が直感的に分かるようになります。

5. 散布図

■特徴
2つの要素を縦軸と横軸にとり各データをプロットしたもの。データの分布状態や要素間の相関関係を把握できます。

■表示時のポイント
①データラベル
散布図はバブル数の量によって表示/非表示を選択する必要があります。大体10〜15程度でデータラベルが重なり見えにくくなるため、その場合は非表示がおすすめです。

②トレンドライン
トレンドラインを引くとデータの相関関係がより分かりやすくなります。

【まとめ】

◎各グラフのまとめ

No.図・グラフ特徴分析手法
1棒グラフ項目毎の数値を棒の長さで表したグラフ集計分析・対比分析
2折れ線グラフ項目毎の数値を線で繋いだグラフトレンド分析・対比分析
3円グラフ項目毎の占める割合を円盤状に表したグラフ構成分析
4帯グラフ帯状の中に項目毎の占める量を示したグラフ構成分析・対比分析
5散布図2つの要素を縦軸と横軸にとり各データをプロットしたもの集計分析・トレンド分析

◎各データ分析のまとめ

No.分析手法特徴
1集計分析データの分布状況や、平均値・ 中央値を集計し、分析する方法
2トレンド分析データを時系列に並べ、推移状況などを把 握し、分析する方法
3対比分析複数のデータを比較し、 その差異を把握し、分析する方法
4構成分析全体の中での構成要素の割合を 把握し、分析する方法

図・グラフは他にもヒストグラム、レーダーチャート、パレート図など様々あります。今回は良く使用する基本の図・グラフを紹介しましたが、データの性質や分析内容によって適切に使い分けることが重要です。今回ご紹介したポイントを押さえてデータ分析に役立てていただければと思います!

アピリッツでは、GA4導入をイチから支援するだけでなく、今回のようなGA4とのツール連携やABテストの運用、ECを含むWEB制作など幅広くサポートしています。WEBサービスでお困りの方や、ご興味のある方は遠慮なくご相談ください。

【GA4】経路データ探索を活用してCVに貢献したページを調べる方法

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GA4を使い始めて「コンバージョン(CV)したユーザーが閲覧したページ(コンテンツ)を知りたい」
そう思ったことはありませんか。
おそらくそのように思われた方は「CVしないユーザーにそのページのコンテンツを接触させればCVするのではないか」という仮説があるのでしょう。
そのような方に朗報です!GA4の経路データ探索でそれを簡単に実現できるようになりました!

あ、どうも申し遅れましたyサイトーです。最近はGA4導入やWEBマーケティング支援をしております。
つい先日、GA4の経路データ探索の機能がアップデートされ、冒頭に挙げたようなことが簡単にできるようになったので、今回はその方法をご紹介していきたいと思います。

本題に入る前に簡単に経路データ探索について説明しておきます。

経路データ探索とは

経路データ探索とはGA4のデータ探索レポートのテンプレートの1つで、ユーザーの行動をツリーグラフで可視化するレポートです。
Universal Analytics(UA)を利用されている方でしたら、行動フローと似たようなものと思ってもらえればイメージしやすいと思います。

UAの行動フロー

経路データ探索自体は今までもGA4にあったのですが、ディメンションのラインナップが3つ「ページタイトルとスクリーンクラス」「ページタイトルとスクリーンクラス」「イベント名」しかなかったのです。
今回それに「ページパスとスクリーンクラス」が加わったことで、CVしたユーザーが閲覧したページを調べやすくなりました。
それではCVユーザーの閲覧したページを調べてみましょう。

CVユーザーが閲覧したページを調べる6つのステップ

  1. データ探索を開き、空白を選択
  2. 手法を経路データ探索に変更
  3. 最初からやり直すをクリック
  4. 終点を「ページパスとスクリーンクラス」にする
  5. CVページのパスを設定
  6. ステップを追加

1. データ探索を開き、空白を選択

まずはGA4の左メニューの探索をクリックして、データ探索のテンプレートを「空白」を選択してください。
※この時点で経路データ探索を選択しても良いのですが、不要なセグメントやディメンションがデフォルトで入ってしまいます。

データ探索のテンプレート一覧

2. 手法を経路データ探索に変更

自由形式のレポートが表示されたら、手法を経路データ探索に変更します。

3. 最初からやり直すをクリック

UAの時の行動フローのような図がデフォルトで出てくるかと思いますが、CVからの行動を追っていきたいので、画面右上にある「最初からやり直す」をクリックしてください。

4. 終点を「ページパスとスクリーンクラス」にする

終点と表示された部分をクリックして「ページパスとスクリーンクラス」を選択してください。

5. CVページのパスを設定

画面右の方に虫眼鏡のボタンをクリックして、出てきた検索欄にCV(完了)ページのURLに入る文字列を入れて、ページパスを検索してください。
多くの場合、CV(完了)ページのURLにはcompleteやthanksといった文字列が入るので、それらで検索して、出てきた候補リストからページパスを選択してください。

6. ステップを追加

CVのステップを選択すると、その1つ前のステップが出てきます。
その1つ前のページを知りたいページパスをクリックすると、その1つの前のステップがまた出てきます。
このようにして、CVしたユーザーがページを見ていたかCVから逆に遡って追うことができます。

まとめ

経路データ探索を実際に設定して気付いた方もいらっしゃるかもしれませんが、実はCVしたユーザーの行動をCVから遡ることは以前から可能でした。但し、CVしたユーザーを計測する為のイベントを設定したり、ページタイトルから遡る必要がありました。
とりあえずGA4のタグは入れてあるという方でも、今回の方法なら分析は容易ですね。

今回のように「GA4導入は済ませたものの使い方がわからないからセミナーを開催してほしい」

代理店の方で「お客様のGA4導入をサポートしてほしい」

など、幅広いお問い合わせに柔軟に対応しております。GA4に関するお困りごとがございしましたら、まずはお気軽にご相談ください。

Looker Studio(旧:Googleデータポータル)をより見やすくする7つのポイント!

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【はじめに】

デジタルエクスペリエンス部_GAチーム所属の富浦です!
2021年にデザイナーとして入社し、主にデザイン案件のディレクターを1年間勤めました。その後当時在籍していたデザイン制作チームから2022年の春にGAチームに異動して半年が経ちました!
同期や先輩方に助けられながら、業務にも少しずつ慣れてきたかなと思います。

今回はGoogle Analyticsなどで計測したデータを簡単にグラフや表にして視覚化するBIツール、Looker Studio(旧:Googleデータポータル)をご紹介していきます!

2022年10月11日に「Googleデータポータル」は「Looker Studio」に改称されました。 
参考:https://cloud.google.com/blog/ja/products/data-analytics/looker-next-evolution-business-intelligence-data-studio

Looker Studioは定量分析用のレポートを作成する上でとても便利なツールではありますが、UIについてはまだまだ発展途上のツールだと感じています。だからこそ、いくつかのポイントを抑えてから使用することで作業しやすくなるだけではなく、簡単に見やすく使いやすいレポートを作成することができます!

今回はLooker Studioでより見やすく使いやすいレポートを作成する上で事前に知っておきたい7つのポイントをご紹介していきます!

【本題】

1. グリッド表示

Looker Studioでデータを視覚化しても、バラバラに配置されていては見にくいです。そんな時にはグリッドを使って整えることがおすすめです。

▼設定方法
テーマとレイアウト内のレイアウトタブから配属先を「グリッド」に変更し、グリッドのサイズを「50」から「10」に変更します。次に全体共通タブの「表示」から「グリッドを表示」にチェックを入れることでレポート上に10px単位のグリッドが表示されます。

2. タブ表示

レポートの全体が見えるように作成するためにはスペースを少しでも広く確保する必要があります。ページ切替のタブを上部に配置することで無駄なスペースを軽減することができます。

▼設定方法
テーマとレイアウトからナビゲーションの種類を「左」から「タブ」に変更すると、上部にタブが配置されます。

3. 背景色

各グラフは基本的に白背景がベストですが、レポート全体の背景色が白のままだと背景が同化してしまいます。そこで背景色に薄いグレーを引くことでグラフがくっきりと見えます。

▼設定方法
テーマとレイアウトからカスタマイズを選択し、レポートの背景を右上の白から一つ隣の「薄いグレー」を選択することで、レポートに薄いグレーの背景色が適用されます。

4. パディング

テキストには自動で左右と上部に8pxのパディングが設定されています。デフォルトのパディング設定のままだと、上下左右を揃えて配置することが難しいため適宜調整する必要があります。

▼設定方法
テキストを選択し、テキストのプロパティ内にあるパディングから「左、右、上の数値を調整」します。下記の図では、テキスト下のスコアカードと左を揃えるために左のパティングを「0px」にしています。また、テキスト横のプルダウンリストと中心を揃えるために上のパディングを「4px」に設定しています。

5. シャドウ

背景色と明度差を付けると各グラフがくっきり見えますが、シャドウを設定するとさらに各グラフをくっきりと見せることができます。

▼設定方法
各グラフのスタイル内にある背景と枠線から「枠線に影を付ける」を選択することで、グラフにシャドウが付与されます。

6. 円グラフ

円グラフは指標の項目名を表示させることができないため、そのまま配置すると何の割合なのか分かりづらいです。
そこで見出しを付ける必要があります。ドーナツ型の円グラフにして中央にテキストを配置することでスペースを有効活用できます。

▼設定方法
円グラフのスタイル内にあるドーナツ型のイラストから「穴のサイズ」を調整します。そして空けた「穴の中にテキスト」を配置します。その際は全体共通タブの「配置」から「中央揃え」などを選択すると簡単に揃えることができます。

7. 表

表は複数のディメンションと指標を設定できるため利用シーンも多いです。背景色とシャドウの設定に加えて、ヘッダーと行に背景色を付けることでさらにデータが見やすくなります。

▼設定方法
グラフを選択し、スタイル内の「表の色」を変更します。ヘッダーの色を任意のメインカラーに設定し、偶数行の色をレポート背景色と同じ「薄いグレー」に設定することで表に反映されます。

【まとめ】

Looker Studioを導入することで、定期的な集計データの分析が効率よく行えます!レポートを使いやすくすることでより効率良く定量分析が行えますので、是非今回ご紹介した7つのポイントを取り入れてレポートを作成いただければと思います!

アピリッツでは、GA4導入をイチから支援するだけでなく、今回のようなGA4とのツール連携やABテストの運用、ECを含むWEB制作など幅広くサポートしています。WEBサービスでお困りの方や、ご興味のある方は遠慮なくご相談ください。

新卒1年目におけるGoogleアナリティクスの学び方

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新卒7か月目のWebアナリストです!

2023年7月1日に計測が停止するUA(Universal Analytics)と2022年10月1日にリリースされたGA4(Google Analytics4)を活用して、データ分析や解析基盤構築をしています。

今回は未経験で入社した私が、UAとGA4をマスターするにあたり、学び、実践したことをご紹介します(^^)/

これからご紹介することは、Google Analytics未経験の方でも取り掛かりやすい内容となっておりますので、気軽に読み進めていただければと思います。

Google Analytics(通称GA)を一言で説明すると、

「Webサイトへのアクセス状況をさまざまな視点から分析することができる解析ツール」です。

例えば、ユーザーがどのページを閲覧し、どのページでWebサイト内からいなくなってしまったのかなどの行動を知ることができます。

UAとGA4では根本的な計測ロジックが変わり、クリック一つで設定・計測できるようなイベントが加わるなど大きく進化しました。

来年夏以降はUAの計測が停止するため、特にGA4の勉強を中心に学習を進めました。

①用語調査で「Google Analyticsの基礎」を学ぶ

まずは「Google Analyticsで何ができるのか」を理解するために、会社にある参考書やネットを活用して勉強をしました。

勉強を進めていくうちに不明な用語が増えてきたため、方針を変え、出てくる用語を徹底的に調べることにしました。また、調べて学んだことのアウトプットの場として、チームメンバーに発表する場を設けていただきました。

先輩方に発表するのは少し緊張しましたが、そのプレッシャーによって調べたことへの理解度が深まった気がします。

用語調査によって得た知識を活かし、次にGoogle Analyticsへの理解度の確認として「GAIQ取得」を目指しました。

          

②入社1ヶ月でGAIQ取得を目指す

GAIQとは、Googleが実施している「Google Analyticsの理解度をはかる」オンラインの認証試験のことです。なんと無料で何度でも受けられます!

いいスタートを切るためにも、1か月以内の取得を目標としていました。

入社してあっという間に1週間が過ぎ、少し焦りを感じ始めました。無料且つ何度でも受験可能であることから、腕試しとしてGAIQを受験しました。

案の定、見事に不合格でしたが、点数は100点中76点という悪くない点数でした、、(合格点は80点)

2週間前まで無知だった私でも、実際にGAに触れて、勉強するようになって、少しずつ身についてきている実感が湧いてきました。

試験内容が想定よりも幅広い分野に及んでいたので、勉強する範囲を広げ、4日後再受験し無事に合格することができました!

GAIQ取得までに学習した時間や活用したWEBサイトなどを記載しておきますので、これからGAIQ取得を目指す方はぜひ参考にしてください(^^)/

勉強日数・8日間

勉強時間・約40時間(5時間×8日)

★私が活用したサイト↓

■【保存版】Google Analytics基本用語集【まとめてみました】

https://awe-some.net/2017/04/google-analytics-basic-word/

■Googleアナリティクスとは/衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座 コーナーの記事一覧

https://webtan.impress.co.jp/l/6342

③学習環境を作るべく実践したこと

GAIQの取得も完了し、少しずつ実案件に携わることが増えていく中で、先輩にすぐ質問してしまうことが増えてきました。

それ自体は悪いことではないと思うのですが、私は自分で調べて苦労して得た知識の方が忘れにくいので、ネットでおすすめされている本を購入し、参考図書をPCの横に置いて自分で学習する環境を整えました。

個人的には、ネットで調べて学ぶよりも、実際に本を読んで学んだ方がしっかりインプットできるタイプなので、この作戦は効果的だったなと思います。

★私が読んでいる本↓

■1週間でGoogleアナリティクス4の基礎が学べる本(1週間で基礎が学べるシリーズ)

■Googleアナリティクスプロフェッショナル~分析・施策のアイデアを生む最強リファレンス~

④セミナー聴講で学びを加速する

本での視覚的学び、業務を通じての体験は、知識を身につける上でとても大事なことです。

ただ、私は早く一人前になりたかったので、さらに学びを加速するため、WEBセミナーを受講することにしました。

セミナーは人が話したことを聴いた上で、考えてインプットすることができるので、記憶に残りやすいと考えたからです。

また、知りたかったことだけでなく、現場で役立つ話をまとめてわかりやすく教えてくれるので、時間がない人にこそおすすめの学習方法です。

⑤すき間時間を活用した学習

最近は、すき間時間に「Google Analytics 〇〇 〇〇」といった形で検索し、Google Analytics関連の記事を読むことを心がけています。

内容は似ていても、記事を書く人によって視点が異なることから異なった内容の記事に思えてきたりします。

このように思えるのは、少しずつ自分に知識がついてきている証なのかなとポジティブに考えています(笑)

多種類の記事を読む→知識量が増える→物事の判断軸が増える→自己肯定感の上昇

というポジティブな連鎖が起き成長できているなと感じています、、!

Google Analyticsに限らず、色々な方が書いた記事を読むことは糧になると思うのでお時間あるときはサクッとなんでも検索しちゃいましょう!!

⑥おわりに

ここまで読んでくださった方本当にありがとうございます(^^)/

入社して半年しか経っていない私でも、模索しながら「Google Analyticsのスペシャリスト」を目指して走り続けています。

GAIQにチャレンジしようと思っている方、これからGoogle Analyticsを活用してみようと思っている方のお役に少しでも立てれば嬉しいです。

第2弾は、「新卒1年目におけるGoogleタグマネージャーの学び方」を投稿予定です。
次回も読んでくださると嬉しいです!

アピリッツでは、GA4導入をイチから支援するだけでなく、今回のようなGA4とのツール連携やABテストの運用、ECを含むWEB制作など幅広くサポートいたします。WEBサービスでお困りの方や、ご興味のある方は遠慮なくご相談ください。

GA4とオプティマイズの連携方法(360対応)

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Universal Analytics(以下UA)サポート終了のアナウンスがされてから早くも半年が過ぎました。
既にGoogle Analytics4(以下GA4)を導入している企業も多いのではないでしょうか。

GA4を導入したら、UAと同様に他ツールとの連携もしないといけませんよね。Google広告とSearch Consoleは代理店に依頼するか、調べれば比較的スムーズに連携できると思います。
しかし、Googleオプティマイズ(以下オプティマイズ)の連携に関する情報はまだあまり出回っておらず、何も設定せずにオプティマイズでABテストを始めると「GA4でテストデータが見れない」なんてことになりかねません。

そこで、今回はGA4とオプティマイズの連携方法を解説していきたいと思います。GA4有償版を連携する際に陥りがちなポイントも詳しく解説しますので、GA4有償版を利用されている方は必見です。

オプティマイズのアカウント作成

UAは使っていたけどオプティマイズは初めてという方は、オプティマイズのアカウントを作成しましょう。

Googleのオプティマイズのサイトにアクセスし、アカウントを作成してください。

オプティマイズのアカウント作成画面

オプティマイズのコンテナ作成

UAでオプティマイズを利用されていた方は、UAとは別のコンテナを作成してください。「1コンテナ1プロパティ」と覚えましょう。
初めてオプティマイズを利用される方はそのままコンテナを作成してください。
コンテナとはフォルダ(箱)のようなもので、コンテナ内にテスト(エクスペリエンス)を作成します。

オプティマイズコンテナ作成画面

GA4とオプティマイズのコンテナ連携(360の方必見)

オプティマイズのコンテナ作成が終わりましたら、次にGA4のプロパティとオプティマイズのコンテナを連携させます。テスト(エクスペリエンス)を作成する必要があるのですが、テストパターンの作成方法などは割愛します。
テスト(エクスペリエンス)を作成するプロセスの中で「アナリティクスへリンクする」というボタンが出てきます。このボタンをクリックし、連携したいGA4プロパティを選択してリンクしてください。

オプティマイズ詳細設定画面
オプティマイズコンテナとGA4のプロパティをリンク

この際、GA4有償版(360)を使っていて、連携したいプロパティ名が出てこない場合があります。これはオプティマイズが360化されていないことが要因です。
360化するには下記ステップで設定が可能です。

まずマーケティングプラットフォームにアクセスし、下記ステップで設定します。

  1. 組織設定でプロパティを管理している組織を選択
  2. アナリティクスサービスを選択
  3. アナリティクスアカウントを選択
  4. プロパティを選択
  5. プロパティ情報の枠内をクリック
  6. オプティマイズ360の無効化済みを変更

360化できましたら、オプティマイズの管理画面に戻ると360化したプロパティ名が選択できるようになります。

オプティマイズを360化

オプティマイズ用のディメンション(カスタム定義)作成

GA4とオプティマイズ連携において最も大事なポイントは、テスト(エクスペリエンス)をスタートする前にオプティマイズ用のディメンションを作成することです。これをやらないと、GA4でテストデータを見ることができません。
プロパティ毎に一度設定するとそれ以降の設定は不要なので、テストを始める前に必ず設定しましょう。

まず、GA4の管理画面の左側のメニューの設定内にあるカスタム定義をクリックして、下記2つのディメンションを作成してください。

①ディメンション名とイベントパラメータ:experiment_id、範囲はイベント
②ディメンション名とイベントパラメータ:variant_id、範囲はイベント
※イベントパラメータは固定の為、変更できません。ディメンションや説明文は任意で変えられますので、覚えやすいものにしましょう。

カスタム定義登録は画面左のメニューから管理画面内に移動にしました
オプティマイズ用のカスタムディメンションを作成

オプティマイズ用のセグメント作成

オプティマイズのテスト(エクスペリエンス)をスタートすると、テスト毎にテストIDが発行されます。このテストIDを用いて、オプティマイズ用のセグメントをパターン毎に作成しますので、テストIDをコピーしてどこかにメモしておいてください。

テストIDはエクスペリエンスの詳細画面にあります。

次に、GA4のデータ探索を開きます。レポートのテンプレートは何を選んでいただいてもかまいません。
レポートの詳細設定画面のセグメントを作成を開き、ユーザーセグメントを作成をクリック。
条件を入力する画面になりますので、「variant_id」と入力してください。
次にパラメータを入力する必要があるので、先程コピーしたテストIDを入力します。この際、オリジナルパターンのセグメントを作成する場合は「テストID.0」、テストパターン1のセグメントを作る場合は「テストID.1」と入力して、保存してください。

この画像は.0なのでオリジナルパターンのセグメントとなります。

まとめ

ここまでの作業を終えることで、ようやくGA4とオプティマイズを連携し、GA4で分析する環境が整います。
オプティマイズ用のディメンション作成は忘れがちなので、GA4を導入した際に作成しておくと良いでしょう。

弊社ではGA4導入をイチから支援させていただくだけでなく、今回のようなGA4とのツール連携やABテストの運用、ECを含むWEB制作など幅広くサポートさせていただいております。WEBサービスでお困りの方や、ご興味のある方は遠慮なくご相談ください。

走る時のシルエット

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アピリッツの知識共有サイト「ナレッジベース」で公開されている内容をアピスピでも紹介します。こちらはES部の3Dデザイナー・石井 開さんによる記事です。

すばやく走るアニメーションを作る時や見る時、足を前に出す時のポージングが難しいなと思ったので
考えていることをまとめます。

通常走る時に足を前に踏み込む時、膝をまっすぐ伸ばしてカカトから着地するかと思います。
走り 作画 で検索したり、youtubeで走り方の講座動画などを見ると姿勢をまっすぐ伸ばし、脚もまっすぐ伸ばしたポーズが伺えるかと思います。

しかしこれがゲームなどでよくある姿勢を低くして素早く走る様な動きを付けたい時、
(個人的に)踏み込むポーズとして適してないと感じます。
(脚を伸ばして踏み込むポーズがキャラ的に一瞬だけブレて見えたり前傾姿勢の勢いが崩れるなど)

なのでそういった場合、足が着地するまで膝がまっすぐならない様にしたり、場合によっては着地する瞬間でも
若干膝が曲がった状態で着地するなどすると印象や勢いを崩さずに済むかもしれないなあというお話です。

ちなみにANTHEMという神ゲーがあるんですが、そのゲームはジャベリンエグゾスーツという特殊なパワードスーツに身を包んで戦うんですが、このジャベリンエグゾスーツは脚の関節がチーターなどの様に人間より関節が一つ多い(厳密には人間の足にあたる部分が長く、つま先にあたる部分で着地する構造になっている)ので、足を前に十分踏み込んでも膝を曲げた状態が維持され、前傾姿勢の勢いが崩れない様になってるんですよね。

61名入社予定!「2023年 新卒内定者顔合わせ会」

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アピリッツの新卒内定者顔合わせ会は、2019年以降、オンラインとオフラインの同時開催となっています。すでに会社で働き始めている人、4月からジョインする人、そしてこれから上京する人。いろんな新メンバーを迎えるために、人事企画部が毎年アピリッツにまつわるクイズやグループワークを考えて実施しています。今年の様子を報告します!(取材 2022年11月)

同期入社のメンバーと会社を知ってもらう会

アピリッツに2023年に入社予定のみなさんをお呼びして開催する「新卒内定者顔合わせ会」は、学生同士の顔合わせの機会であり、会社のことをより知ってもらう大切な場です。あ、入社前の連絡事項などもこちらでご案内していますよ!

今年は61名入社予定です。昨年と比べると16名増。どんどん会社が大きくなっています。

企画・運営を担当する人事企画部の元野(ちゃいろいモコモコの服)と、和田(ピンクのカーディガン)

まずはリモート参加の人も、会場参加の人も、みんなで自己紹介を順番に行います。好きなものや気になっていることなど一言添えて挨拶をしてくれたので、これからの会話のきっかけになればいいなと思っています。

今年のクイズは結構本気だった

毎年恒例の催しになっているのがアピリッツクイズです。ルールは超簡単。

検索するスキがない

「アピリッツクイズ」って名前のとおり、出てくる問題はアピリッツに関するものばかり。

今年は意外と難しかったかもしれません。

コミュニケーションゲームでディスカッション

4~6名ずつくらいに分かれてコミュニケーションゲームもやりました。お題はこんな感じ。

さあどうする

じっくり20分間話して意見をまとめます。「全員が発言すること」「否定しないように話す言葉選び」そして「オンライン上で話し合うこと」は、実際に仕事が始まってから必要とされることです。

どのチームも盛り上がっていました

コミュニケーションゲームのあとは社内見学でオフィスやカフェの様子をカメラ中継でご紹介し、人事企画部の部長の川口から「今やるべきことをしっかりやってくださいね」「コロナ禍も少し落ち着いているかもしれません。ならば、今のうちにお友達との思い出作りや遠くへの旅行などチャレンジしてみてください」とエールが送られ、最後はアピリッツの社員寮「アピトリー」についてお知らせして終わりました。アピトリーが首都圏以外から入社される方のよい選択肢になればと思います。

▼アピリッツの寮についてのレポートはこちら
住み心地はどう? アピリッツ社員寮「アピトリー」、入居者インタビュー・女性編

住心地はどう? アピリッツ社員寮「アピトリー」、入居者インタビュー・男性編

ご内定者のみなさん、春にお会いできることを楽しみにしています!

ラムダ式を比較

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アピリッツの知識共有サイト「ナレッジベース」で公開されている内容をアピスピでも紹介します。こちらはES部のクライアントエンジニア・足立雅史さんによる記事です。

クライアントのゲーム開発において、 2大フレームワークにUnityとUnreal Engineがありますが、
この2つのフレームワークで異なるところは実装言語です。
UnityはC#で、Unreal EngineはC++なのですが、 そのラムダ式の記法の違いについて説明します。

ラムダ式とは 

ある手続き(処理)のかたまりをオブジェクトのように扱える「関数オブジェクト」があります。
以下のコードだとfunc_obj や f_lambda が関数オブジェクトです。
func_objにはprint_numberという関数が代入されていますが、
f_lambdaにはその場で記述された無名の手続きが代入されています。
この名前付けされずに定義された関数を「ラムダ式」と呼んでいます。

#include <iostream>
#include <functional>

void print_number(const int i) {
    std::cout << i << std::endl;
}
    
int main() {
    std::function<void(int)> func_obj = print_number;
    // 実行したら3と表示される
    func_obj(3);
    
     std::function<void(int)> f_lambda = [](int i) {
        std::cout << i < std::endl;
    };
    // 実行したら5と表示される
    f_lambda(5);
    return 0;
}

ラムダ式の記法を比較 

最近までUnityでC#を使って開発してきたのでC++と違いを調べていました。
型表現として、C++ではstd::functionを用いますが、C#では System.ActionSystem.Funcを用います。
比較しやすいように一覧表を書いてみました。

C++C#関数表現
std::function<void()>System.Actionvoid func()
std::function<void(int)>System.Action<int>void func(int i)
std::function<bool(void)>System.Func<bool>bool func()
std::function<bool(int,double)>System.Func<int,double,bool>bool func(int, double)
std::function<int(int)> a = [](int x) {return x + 1;};System.Func<int,int> a = x => x + 1;

「主体的に動いて、お互いを補完しあうチームにしたい」 佐藤香絵インタビュー

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アピリッツのデジタルエクスペリエンス部の佐藤は、2021年から部長代行としてデザイン制作グループ(通称「デザプラ」)を率いています。クライアントも業種もさまざまなデザプラの仕事のこと、管理職としてのプレッシャー、1on1の狙い、そして社内制度を上手く使いながらの子育て。たくさん話してもらいました。(取材 2022年10月)

管理職になるなら、脳みそが若いうちがおすすめ!

―― まずは経歴の話を聞かせてください。アピリッツの前身のKBMJに新卒入社したのですよね?

はい。実はWebエンジニアがキャリアの最初です。もともとは編集者になりたかったのですが、出版業界は不況で……2000年代前半はウェブメディアの黎明期だったのもあって、IT業界に入っていればそういう仕事につながるかなと思ってKBMJに入りました。新規事業を担当する部署でサイトリニューアルなどに携わり、ディレクターやデザイナーの仕事を任されるようになったことが現在の業務にもつながっています。結局のところ、編集者にはなりませんでした(笑)

―― 2021年に部長代行になりましたね。アピリッツは女性管理職の登用が進んでいますが、タイミング的に「早い」や「遅い」と感じましたか?

結婚・出産を経験してからではありますが、育児との両立にも慣れて、ちょうどよかったんじゃないかなと思います。仕事の経験値も積めた段階でしたし。ただ若手には「管理職やマネジメント職を目指すのであれば、若いうちでもどんどんチャレンジしたほうがいいよ、 脳みそが若いうちがおすすめだよ!」って言いたいですね。

―― 脳みそ!

インプットすることが一気に増えるんです。管理職になると幅広い視点が求められます。チームを率いるマネジメントの視点、案件を獲得してきちんと進める視点、それから経営の視点。上場してから社内の環境は刻々と変わっています。関わる仕事の規模や性質も変化してきました。そういったスピード感についていくことにやりがいを感じられるのであれば、いいキャリアが積めると思います。まわりもサポートしてくれますし。

脳みそが若いうちにぜひ挑戦してほしい!

「さとかえさんらしくやればいいんじゃないですか」

―― プレッシャーは感じましたか?

相当感じています! 私の歴代の上司が優秀すぎるので、自分はそんな風にはなれないと思っています。でも同僚が「さとかえさん(注:佐藤の愛称。社内のほとんどの人間がこう呼ぶ)らしくやればいいんじゃないですか」と背中を押してくれて。この言葉をふと思い出して、立ち止まることができています。そうやって誰かの背中を押せるような管理職になれるといいですよね。さらに「あの人ができるなら……」とハードルを下げられる存在でもあるといいなと思っています。

―― 保育園のお迎えで慌ただしく退社するさとかえさんを何度か見かけています。子育て真っ最中に女性管理職として働くのは大変そうな印象ですが……

想像以上に大変ですね。私はもともと不器用なタイプで、とにかく気合で乗り切っているところはあります(笑) ただ、仕事と子育てが気持ちの切り替えになっていますし、寝かしつけた後はひたすらマンガを読んだりして、好きなことに費やす時間も大切にしています。まわりに仕事と育児を両立しているパパママも増えましたし、仲間意識が生まれますよね。仕事する上でも心強いなと思っています。

働き方に関しては、アピリッツの裁量労働制度の「アピプロ制度」をフル活用しています。

時短勤務じゃなくフルタイムで働きたい、でも保育園のお迎えには早めに行ってあげたい、子供を寝かしつけた後に家でちょっと働きたい……って人には、アピプロ制度はオススメですね。

私は子供を持ってから、仕事で裁量権を持って働くことの大切さがわかりました。子供はコントロールできないので……自分と仕事をコントロールする方にシフトしています。意外となんとかなりますよ(笑)

会社の変化に合わせて進化するデザプラ

―― さとかえさんが率いるデザプラグループのことを教えてください

ひと言でいうと「まじめ」ですね! みんな、任された案件や、自分の仕事やスキルに対して真摯に向き合いながら、しっかりとやり遂げる意識を持っています。

経験豊富なメンバーは、チームに対しておのおのが経験を惜しみなく還元し、引き上げようという気持ちが強いです。チームとしての課題解決にも積極的に取り組んでくれます。若手も、それに応える勉強家ばかりです。

会社の状況が変化するのと同じように、デザプラグループも進化しています。単なるデザイン制作だけでなく、スタートアップ支援やUX・UIデザインプロセス支援、モックアップを活用した要件定義といった上流工程にもどんどんチャレンジしています。アピリッツが強みとする「ワンストップソリューション」の一翼を担うために、成長が求められている状況だと思います。

私たちの担当するクライアントは業種も業態もさまざまで、ビジネスやクリエイティブの面では多様な課題に向き合う必要があります。そういった案件に日々対峙しているメンバーは本当にタフだなと思います。模索して、ときには迷走しつつ……そんなメンバーの姿に私自身が支えられていますし、学ばせてもらっています。

―― どんなふうにデザプラグループを引っ張っていきたいですか?

理想をいうなら「俺について来い!」みたいなリーダーに憧れますが、性に合わないので(笑)、私は対話を大切にしたいと考えています。私達の仕事は、クライアントも案件内容も千差万別です。ひとつひとつの仕事にそれぞれのミッションがあり、それを理解しなければただの作業者になってしまい、仕事に対しても自分に対しても、もったいないですよね。自分で考えて主体的に動いて、お互いを補完しあうチームにしたいと思います。

「お客様のビジネスに対して、何が価値のある提案になるか?」

―― 1on1やメンバーとの対話を繰り返すと、変化や手応えを感じますか?

感じますね。たとえば、デザプラが大切にする「開発側と正確に連携するためのコーディングや、論理的に裏付けのあるデザイン」について、私だけじゃなくメンバー全員が自分の言葉で話せるようになるべきだと思っていますが、この考え方はチーム内にも浸透してきていて、業務を通して感じられる場面が増えてきました。週ごとに実施している勉強会でも、メンバーの学びがよく感じられます。

―― メンバーを育てるための1on1なのでしょうか

「育てる」というのがあまりしっくりこないのですが……どちらかというと、考えていることや思いを伝えて、同じ方向を向くための時間として重要だと考えています。

せっかくアピリッツでデザインの仕事をやっているのだから、この環境を自身の糧として最大限活かしてほしい。「お客様のビジネスに対して何が価値のある提案になるか?」を身につけるために、「踏み台にして成長してほしい」と伝えています。

アピリッツのデザインが関わる領域は、マーケティングやSaaSなども含めてとても幅広く、キャリアやスキルアップの選択肢も多彩です。

ここで何を強みとするべきか、何ができたら自分の価値が上がるのか、考えながら仕事をしてほしいです。そしてメンバーのキャリアを拡げるような仕事を作ることが私のミッションだと思っています。

メンバーが少しづつでも「成長できた、貢献できた」と感じられるチームや環境を作っていきたいです。

アピリッツ決算説明資料のつくり方。デザインプランニンググループの挑戦

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上場企業が四半期ごとに作成・公表する決算説明資料。もちろんアピリッツも年4回しっかり発表しています!「正しく、わかりやすく伝えること」と「美しさ」を両立させた資料を、ステークホルダーの皆さまへお届けするために、アピリッツでは上場当初からIR担当者と社内のデザインチームが一緒に決算説明資料を作ってきました

「どんどんよくなっていくよね」と評判のアピリッツの決算説明資料や、制作チームのことを、もっと知ってもらいたい!ということで、デザインを担当するデジタルエクスペリエンス部の「デザインプランニンググループ(通称「デザプラ」)」とCFOの永山が、怒涛の制作風景や使用ツール、そしてチーム体制について振り返ります。(2022年10月 取材)

「絶対CFO一人で作ってないでしょ」と言われる

―― アピリッツの決算説明資料はお褒めの言葉を頂くこともあるそうですね

永山:評判いいです! 上場企業のCFOやIR担当者と集まってIR活動に関する勉強会を頻繁にやっているのですが、そこでよく「デザインきれいだよね、IR資料のアワードに応募したらいいですよ」って褒められます。あと「これ絶対に永山さん一人で作ってないでしょ、プロのデザイナーが作ってますよね。デザインは最高だから、あとは永山さんの構成力が課題だね!」とも言われる(笑)

実は、アピリッツの上場審査が終わって上場するまでのあいだに使ったエクイティ・ストーリー(=機関投資家向け資料)だけは、外部の方や和田(アピリッツの代表取締役)に相談しながら自分で作りました。で、パワーポイントを操作しながら「我ながらこのデザインはダッセーな。これを使いまわすのはイヤだな」と思ったんですよね。「これ使って和田さんに投資家たちと対話させるの、申し訳ないな」って。

そしたら和田や執行役員の長谷が「社内にデザインチームがあるんだから、今後のIR資料はそちらにも手伝ってもらおうよ」と言ってくれて。「エッ! いいの!?」ってビックリしました。「みんなクライアントワークで忙しいはずなのに。頼っていいんだ!?」って。

―― 頼ってよかったんですね

永山:はい。それ以降は、決算発表のたびにデザプラのみんなと資料を作るようになりました。

梨子田:会社の管理部門と事業部門が一緒になって仕事を進めることは珍しいかなと思いますし、開発だけでなくデザインができるアピリッツらしいスタイルですよね。

永山:それは個人的にもうれしいです。毎回「ひとつの作品を社内みんなでつくるぞ!」と思って準備しています。

少しずつメンバーが増えて、決算説明資料デザインチームは現在5人体制です

情報収集と体制づくり

―― 決算説明資料の制作チームは、最初に梨子田さんがデザインとディレクションで参加して、回を重ねるごとにメンバーが増えていきました。資料作りの第一歩はどんな感じでしたか?

梨子田:今もこれは変わりませんが、まずは情報収集をやります。決算説明資料で伝えたい内容を経営層に確認して、それをもとに各セグメントのリーダーに質問して情報や資料をもらって、決算説明資料に落とし込みます

最初はこの情報収集と体制づくりに苦労しました。「直接的に売上が発生する仕事ではないし、どこまで事業部のメンバーに協力してもらうか?」と悩んだり。

永山:現場の理解を得るって大切です。IR担当者や経営層は決算説明資料が会社に与えるインパクトや大切さをわかっているけれど、IR活動はクライアントワークとは違って、「売上が上がる」といった直接的なインパクトがあるわけではないし、株価は業績や地合い(=株式市場の環境)にも左右されてるので、重要さを伝えるのは難しいかもしれません。

―― 決算説明資料ではインサイダー情報を多く取り扱うので、関わるメンバーも限定されていて、いったい何を準備しているのか社内からも見えづらいですし……

黒須:ですね。でも、最初は「そうは言っても社内の資料でしょ?」くらいの認識だったのが、少しずつ社内の流れが変わって、ことの重大さがわかってくるんです。現場でも「ここに力を割く価値はある。重要な仕事なんだ」という意識に変わりました

鈴木:デザプラ内のリーダー層と話し合って、クライアントワークを調整してベテランデザイナーを投入できるようになったり。

黒須:そうやって決算説明資料チームに新しく参加した私達が「やっぱりすごく大切だし、大変だよ!」ってたくさんアピールすると、ますます協力体制が生まれてくる(笑)

Adobe XDとパワーポイントのハイブリッド

―― どこが一番「すごく大変!」でしたか?

黒須:二度大きく作り直したタイミングがありました。

まず、私が参加したタイミングで制作環境を変えました。パーツの多さや見栄えを考慮して、パワーポイントからAdobe XDで一通り作り直したんです。このときが一番大変でした。やってもやっても終わらない(笑) ただ、一度変えてしまえばAdobe XDで共通のパーツを使ってその後も制作できますし、やってよかったです。

それから、DTPのデザイン経験のある宮本さんが参加してくれてクオリティがさらに上がったと思います。細部まで整えると美しくなるんですよね。これが二度目の作り直しです。宮本さんが細かく調整を入れて作り変えました。

宮本:フォントの雰囲気を「繊細で信頼感がありスタイリッシュなもの」に統一しました。決算説明資料のルールを守りつつ、レイアウトに遊び心を入れてみたり。

黒須:そうやって細部にこだわりを入れられるようになってきました。

フォントにもこだわってます

黒須:そして、今はパワーポイントとAdobe XDのハイブリッドで作っています。たとえば「ちょっとここだけあとで変えたい」と永山さんが思ったときに、永山さんの手元で修正できたほうが小回りは効くので、そういった部分はパワーポイントを使っています。

永山:修正は最後の最後まで入ります。実は、資料制作と並行して決算数値の監査法人監査が入るので、数値を変更する場合もあるし、途中で「やっぱり構成はこうすべきだな」と思ったりして原稿がギリギリまで確定しません。ページの並び順を変えることもありますし……。いつも原稿が遅くて申し訳ない。

デザプラ全員:みんな毎回覚悟しています(笑)

覚悟してるみなさん

鈴木:決算の頃になると梨子田さんが遅い時間まで仕事しているのは知っていたので「決算を出す今だけだ!」と覚悟を決めて参加したんです。でも、単に大変なだけじゃなくて、ディレクターとして得るものも大きかったです。クライアントワークにも活かせます。なのでデザプラのいろんな人におすすめしたいです。

丹羽:「読み手が一番知りたい情報は何なのか」と考えながら資料を作るので、ただキレイにデザインをまとめるだけではなく、情報を整理してデザイン制作する視点が身につきます。これは通常のデザプラでの仕事でも役に立ちますね。

黒須:査定での評価にも入りますし。

梨子田:「(決算説明資料の作成は)会社の根本に関わる重要な仕事だから責任を持ってね」と佐藤(デザプラを率いるデジタルエクスペリエンス部の部長代行)からも言われていますし、グループのメンバーにもそれは伝わっています。

伝えたいメッセージをデザインする

宮本:数字をキレイに並べるだけがデザインではないので、どこを強調すればよいかは常に考えています。全部大切な情報ですし、とはいえ全部真っ赤な太文字にはできないし……。

永山:こちらから出す原稿は「会社のみんなの頑張りを投資家たちへ伝えたい!」って思いが強くなってしまうので、つい「昨対比もいい、予算比もいい!ああ俺は全部言いたい!だから原稿の文字も全部真っ赤だ!」ってなりがちなんですよ。

黒須:そう、本当に真っ赤(笑)なので、そこから永山さんや経営陣が伝えたいことをくみ取って、その上でデザインでどこを強調するかを、デザプラ側でしっかり考えます

真っ赤な原稿から資料を作るデザイナーの黒須。となりはディレクターの鈴木

永山:ありがたいことです。つい「言葉で全部伝えちゃえ」って考えがちなんですが、事業のことをダラダラしゃべっても伝わらないんですよ。パワポに文字をぎっしり詰め込んでもダメ。だから、伝えるデザインの力をいつも感じています

宮本:事業の概念図を作るのは苦労しますね。「成長のイメージを表現する図」ってどういうものがいいだろう? と考えたり。

鈴木:ただキレイなだけじゃだめですし。一番大変なんじゃないかなと思います。

梨子田:イメージを伝えるデザインづくりは毎回苦心しています。「グループ企業になったムービングクルーの事業をどう表現しようかな?」と思案したり。永山さんたちと直接やりとりしてイメージをすり合わせています。

アピリッツの成長イメージ!

永山:成長企業なので、新しい事業や取り組みがどんどん増えているんですよね。四半期ってつまり3ヶ月です。たった3ヶ月しか経っていないのに、その短いあいだに新しいことが増えるから、資料も数字を更新するだけじゃない。それでご苦労をかけている面もある。

あと、個人投資家向けのセミナーや機関投資家との1on1で資料のフィードバックをもらうんです。そのフィードバックをもとに資料をアップデートしていくから、毎回いろいろデザインチームへの注文が増えてしまう。

黒須:それは普段のクライアントワークでも当たり前のようにやっていることで、アップデートとブラッシュアップを重ねるのは大切なことです。だから大丈夫です!

永山:黒須さん今日ほんといいこといっぱい言ってくれてうれしいです。これからも一緒にいい資料を作っていきましょう。よろしくお願いします!

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