ホーム 公開部署 全社広報 金融サービスにゲーミフィケーションを。株式会社 CONNECTとの協業ゲームアプリ『ひよこ社長のまちづくり』事例紹介
 

金融サービスにゲーミフィケーションを。株式会社 CONNECTとの協業ゲームアプリ『ひよこ社長のまちづくり』事例紹介

大和証券グループの証券会社である株式会社 CONNECTは、金融商品取引サービスを提供するのはもちろん、ポイントを活用したサービスや投資啓蒙ゲーム等を通じて、デジタル・ネイティブ世代が投資を身近に感じられるようなサービス提供を目指しています。

アピリッツが株式会社 CONNECTと開発したAndroid/iOS向けのアプリ『ひよこ社長のまちづくり』は、投資の意味などをゲームを通じて遊びながら学べるアプリです。

※本件につきましては、2020年6月16日にプレスリリースでお知らせいたしました。
あなたの投資で、ステキなまちが育つ! スマートフォンアプリ「ひよこ社長のまちづくり」配信開始についてのお知らせ

通常のゲーム開発とのちがいや挑戦を、ゲーム会社であるアピリッツからの目線と、ゲーミフィケーションを取り入れたい会社さまからの目線、ふたつの視点を交えて、連載でご紹介します。

今回はアピリッツ側の開発リーダー大金翔吾に、ビジネスゴールと開発スタート時のいきさつ、そして通常のゲーム開発との違いについて話を聞きました。

関連: ”証券会社のサービスが“ゲーム”に!? 『ひよこ社長のまちづくり』に込めた想い 株式会社 CONNECT様 インタビュー”

左からアピリッツ・開発リーダー大金翔吾、ディレクター大沼卓也、アートディレクター本間尚子

『ひよこ社長のまちづくり』のビジネスゴール

『ひよこ社長のまちづくり』にはビジネスゴールがあります。次の3つを設定しています。

【ゴール1】投資の良さを伝え、投資を身近に感じてもらう

© CONNECT Co.Ltd. ※画像は開発中のものです

投資は世の中を豊かにしていくことに貢献しています。これを楽しく伝えます。

若者の投資離れが叫ばれて久しい現在ですが、ゲームを通して投資に親しんでもらうことが、現実の株や投資への興味につながり、結果として少額からでも投資を始められるコンセプトのCONNECTを知ってもらうことにつながることを目指しています。

【ゴール2】SDGs(Sustainable Development Goals)について知ってもらう

© CONNECT Co.Ltd. ※画像は開発中のものです

現代社会が抱える様々な問題をゲームを通して伝えます。企業の責任や一人ひとりができることを考えてもらキッカケになることを期待しています。

【ゴール3】CONNECTのサービスを知ってもらうきっかけづくり

© CONNECT Co.Ltd. ※画像は開発中のものです

ゲームを楽しんでくれているユーザーが、「もっとゲームを有利に進めたい」や、「おしゃれな建物がもっとほしい」と感じたときに、「口座連携をすることでジェムがもらえる」という機能を設けることで、CONNECTに興味を持ってもらい、口座を作ってもらうきっかけになることを目指しています。

これらのゴールを実現するために、企画とデザインを提案していきました。

ビジネスゴールを実現するための企画とデザイン

最初はバトルモノだった

初期の企画ではバトルモノを想定していました。アピリッツのゲーム『ゴエティア・クロス』のゲームエンジンの流用を考慮していたためです。そのなかの一機能として提案した「箱庭」が良いねとなり、企画を具体化させていきました。

ひよこが主人公の理由

CONNECTさんのサービスに「ひな株」というものがあります。こちらを活かすため、ゲームでも“ひよこ”を主人公としようという話になりました。当初、「洋ゲーのキッズ向けのようなもの」といったご要望があったため、それに合わせる形で作成しています。

初期のコンセプトデザイン ※画像は開発中のものです

「どうしたらゴールに到達できるか?」を考え、デザイン提案する

その後、デザインを具体的に考える段階になり、資料をもとにCONNECTさんに提案しました。まずターゲットのペルソナを設定し、その人達にどういったことを伝えていきたいかを考えるところからはじめました。

デザイン方針の資料 ※画像は開発中のものです

デザイン案は、アピリッツが一番推す絵本調をベースに複数提案しました。

CONNECTさんへのご提案では、投資啓蒙やSDGsなど、CONNECTさんがゲーミフィケーションを通して発信していきたいことをユーザーに伝えるには、どういうデザインがよいか、という点を説明し、ご共感いただきました。

建物や世界観のテイストに合わせて”ぴよ”(ひよこのキャラクター)も、現在のものに徐々に修正されていきました。

© CONNECT Co.Ltd. ※画像は開発中のものです

テイストが決まった後はディレクターの大沼とアートディレクターの本間が中心となって、街の規模、建物のサイズ、建物の具体的な制作指揮を執り、現在の状態となりました。

「お店運営ゲーム」を遊ぶうちに、「投資」のストーリーが始まる

『ひよこ社長のまちづくり』のストーリを紹介します。主人公である”ひよこ社長”は、ちいさな街”ピヨタウン”で、自分のお店の切り盛りを頑張っています。そして、レベルアップして事業が軌道に乗ってきたタイミングで、農業・漁業区画の社長の”しじみちゃん”から投資のお願いをされるのです。

© CONNECT Co.Ltd. ※画像は開発中のものです

やがて、いろいろな会社の社長(全員ひよこ)から、投資のお願いを持ちかけられ、それぞれの要望を満たしていきます。

© CONNECT Co.Ltd. ※画像は開発中のものです

これによって、街に人が増え→他の会社も賑わい→優待などがもらえるようになり→ひよこ社長自身の事業もさらに発展していく……という点を表現しています。

ゲーミフィケーションにつながるデザイン

ゲーム内で投資を楽しく続けてもらうために、ゲーム設計の基本でもある「チャレンジ」と「報酬」に力を入れました。「課金しなくても遊べることを前提にした環境で、ゲームを有利に遊べる仕掛けづくり」だったり、「おしゃれな建物がたくさん買える」といった報酬を受け取りやすくするためにフォーカスしてレベルデザインなどを行いました。

© CONNECT Co.Ltd. ※画像は開発中のものです

口座を連携するだけ(無料)でログインボーナスでジェムがたくさんもらえたり、口座に資産を持つ(現金及び株)ことでログインボーナスでもらえるジェムの量が増えたりと、実質無料でゲームを有利に進められるようにしました。

若い人の投資離れには、「よくわからない」だったり、「なんだか怖い」といったところもあると思います。ゲームを楽しみながら「とりあえず無料だし口座を作ってみるか!」みたいな心理になってくれることを期待しています。

通常のゲーム開発との提案のちがいは?

通常のゲーム開発をする場合と、『ひよこ社長のまちづくり』の場合は、そこまで大きく提案のプロセスは変わらなかったかなと感じています。ですが、感覚で提案するのではなく、しっかり理由付けをした上でそれを説明するように心がけました

UXやPXといった考え方や、どうしてそれを行おうと思ったのかなど、ゲームを制作している人には暗黙で伝わるであろうことも明文化するように心がけました。

次回:レベルデザインと工夫

今回は、設定したビジネスゴールにふさわしいゲームを提案する過程をご紹介しました。次回以降は、開発におけるチャレンジと、『ひよこ社長のまちづくり』にこめた思いを、CONNECT社の代表取締役社長・大槻さまのお話を伺いつつご紹介します

↓ 本アプリのお問い合わせ先はこちらです
『ひよこ社長のまちづくり』公式サイト (担当:アピリッツ 大金)

記事を共有
モバイルバージョンを終了