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【成果発表会】「楽しみながら魅力的なモンスターを描く」敵モンスターのデザインの制作工程

今回は社内の成果発表会「P-Review ’19」にて発表した、デザイナ K.Iさんの資料を紹介します。
※この記事は個人の研究発表であり、会社としての見解ではございません。

K.Iさん
2018年5月 アピゲー部にデザイナ として入社。
入社後は自社開発ゲーム「ゴエティアクロス」にて、敵モンスターのデザインを担当。
発表資料のモンスターは、趣味でデザインしたものを持ってきてくれたのだとか…。

モンスターデザインの制作工程2

(※挨拶省略)

ターゲットと目的

今回の発表は誰向けなのかと目的の説明ですが、今までモンスターを描いたことがない方。
特に新入社員やアルバイトさんのような初めて仕事で描くことになった方や、ゲームなどあまりやってこなくてモンスターと聞いても、スライムくらいしか知らないよみたいな方。
そして「正直美少女のキャラ描きたくて入ったのに、エネミーの仕事回ってきて乗り気じゃないな」という方に見て頂けたらと思います!

最終的には、エネミー制作に対して「難しそう」とか「つまんなそう」というの気持ちのハードルを下げてもらえたらいいなというのと、自分で納得のいくデザインのモンスターを楽しいって思いながら描けるようになってくれたら嬉しいです。

モンスターデザインの工程~ラフから攻撃モーションまで~

テーマ決めとイメージ出し

初心者の方はまずどういう種族かを決めたら良いと思います。
例えば、ドラゴン・獣系・四つ足・炎系~そういった色んな要素ありますよね?
それをまず一つだけでも決めてからだと、参考資料がとても探しやすくなると思います。

資料を探してきたら、画面内にいっぱい貼ってあげてその中から欲しいデザインとか要素を組み合わせてデザインしていきます。
こういうの欲しいなとかはメモとして画面内に入れといてあげると、後々の作業の時見直せるのでいいと思います。

ラフ制作

他の人に見せるとなった時にちゃんと色や形が分かるような感じに描きます。
こちらはオリジナルとして描いたものなので、描いている時は特にモーションを考えていなかったのですが、お仕事だとこの時点でモーションのラフも発生します。
攻撃の仕方やどういうエフェクトが出てくるのか、どのパーツを分けてどんな風に動かすのかをこの時点で考えておきましょう。

清書

モーションで動かす際は、この時点で全てのパーツが分かれています。

このモンスターでいうと、大きい羽根とかが動いた時に太ももの辺りが見えるので、見えないであろうという部分でもちゃんと書き込んでおかないと後々モーション作る人が困ってしまいます。
しっかり書き込んでおきましょう!

正面を向いた時に仮面のデザインも必要になるため、お面のデザインも何パターンか作りました。

ゴエクロでのラフ出し

自社開発ゲームの「ゴエティアクロス」だとボスの特徴となる情報が悪魔の名前なので、どういう見た目なのかどういう属性なのかというのをWikipediや本などで調べ、そこから得たイメージ通りに描いた「ラフA」と、さらに特徴と人物図などを自由に描き足した「ラフB」と、色や見た目のイメージを離れさせた「ラフC」を作り、それを上長に提出致します。
※ラフを描く時点で攻撃モーションのことも念頭に置いておきましょう。

ボスは描く人がパーツを分ける必要があります。
どう動かすのか想像しながらパーツを分け、どういう風に動かなくて追加のパーツやエフェクトが必要になるのか、どういう流れで攻撃をするのかをしっかり考え、ストップモーションのラフもこの時点で作ってから清書に入ります。

※ちなみにこちらは「ラフB」が選ばれました。

攻撃モーション

モーションは基本的に別の方が作ることが多いです。
なので、わかりやすいように全てバラバラになったパーツを動かし、ちゃんと綺麗に動くことを確認した状態でこのように配置サンプルを並べて提出致します。

50パーツ程ある中で「腕」「足」しか書いてないと分かりにくいので、ちゃんと「手前の腕」「攻撃時に出てくる腕」っていう感じに細かく名前を付けて、誰が見てもわかりやすくしておきましょう。

デザインの情報量の増やし方~強そうなモンスターに見せる方法~

ひび割れ+発光

これは私流のやり方なのですが、デザインしていった段階で地味だったり弱そうな感じになってしまった時、ひび割れさせて発光させて強く見せるというやり方を使っています。
ひび割れや入れ墨や模様などを入れて発光をさせると、エネルギーが溢れそうな感じだったり、魔力強そうな印象を持たせることができるので困った時には入れてみると良いと思います!

装飾品をコピペで盛る

一つでも装飾品を描き、それをコピペして増やしていくと豪華な感じが出てボス感が強くなります。
※あまり細かく描きすぎると実装された時に潰れてしまうので、細かく書かずに大きめに描きましょう。

触手、血管などの細かい要素

触手や血管を入れると、クリーチャー感が増しますよね。
特に触手はモーションの時にもわりと動かせるところなので、見栄えが良くなると思います。
※これも細かく書いてしまうと、実装した時にに潰れてしまうので大きめに意識して書きましょう。

人型ベースのボスを作るとき

個人的に思うことなんですが「美少女キャラが描きたくて入ったから、美少女っぽいのを作っちゃおう!」という感じでデザインしてしまうと敵感がなくなってしまうので、ガチャで出そうなキャラデザは避けるべきだと思います。
ちゃんと人型の敵を描く時には、顔とか目を隠したり、仮面をつけてみたり、体に人外要素を加えてあげたり、異色系の肌(緑とか黒とか肌色以外の色)を使ってあげたりするといいと思います。
あとは、目つきや姿勢を敵意とか神秘的だと思わせる構図にしてあげるとボス感が出ます!

まとめ

コツさえ掴めば、背景や人間キャラと同じようにモンスターのデザインも描きやすくなります。

スライム・ゴーレム・ゴブリン・ドラゴンなどなど、魅力的で創作意欲の湧くデザインのかっこいいモンスターはたくさんいます。
色んなものを見て、自分がかっこいいなと思えるデザインや方向性で始めてみるとモンスターを描くことが楽しくなるんじゃないかなと思います。

楽しみながら、魅力的なモンスターを描きましょう!

またかっこいいモンスターを描いているIさん。趣味でもモンスターを描いているらしく、とても楽しんで描いていました。

ここからは、素敵な敵モンスターをデザインしているK.Iさんにアイコが気になったことを聞いてきちゃいました♪

オリジナルモンスターのこだわり

オリジナルでデザインされたモンスター

不気味さを出すために顔を極端に小さくし、肩の位置を顔から離して無駄に首が長く見えるようにしました!
人にも鳥にも見えるようなイメージで、「元は人間だったんじゃないかな」というのを彷彿とさせるデザインにしたかったんです。

どこから描き始めるの?

今回は資料のために描いたオリジナルモンスターだったので、シルエットから描き始めました。
仕事の時は発注書と一緒に参考画像もあるので、細かい指定がある場合はそこから掘り下げて描いていきます。

骸骨だとか動物などの情報が入っていたら、「全体のポーズとか人型なのか?」「何かに乗っているのか?」「全部ぐちゃぐちゃの化け物なのか?」そこを一つずつ決めて、情報量をどんどん付け加えてイメージを固めから描き起こしてみましょう。

元ネタのイメージから離したデザインの考え方

[A]元ネタのイメージ通り描いたラフ。[B]特徴は取り入れつつ、自由に描いたラフ。[C]色や見た目のイメージを離した全く逆のデザイン。

逆を意識しました。
元ネタのイメージ色が緑だったのですが、緑の反対は紫かと感じたため紫をメインにして、ダークな感じをまとったキャラだったので、逆にシンプルで聖職者のような感じに持って行きました。

こだわりは「ラフA」の元ネタのイメージと同じ、馬に乗っているように見えるけど乗っていない、全体的に浮いているという不気味さ、違和感を感じさせるように描きました。

魅力的な敵モンスターが登場する 『悪魔少女✕マルチプレイRPG ゴエティアクロス』ぜひチェックしてみてくださいね~!

ダークな世界観と骨太のシナリオで大人気の『悪魔少女✕マルチプレイRPG ゴエティアクロス』

敵が魅力的にかっこいいと燃えますよね。
アイコも、かっこいいモンスターを描いてみたいです!

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