アピリッツでは、量子コンピューターに関する技術や可能性を調査し、実用化に向けた検証を進めるべく、「量子コンピューター研究チーム」を発足しました。(➤詳細はこちら)今回、研究チームリーダーの安部 貴博(アベ タカヒロ)さんに、9月9日に開催された社内勉強会の様子や、安部さんが思う量子コンピューターの魅力についてお話を伺いました。ようこそ、量子コンピューターの不思議でロマンのある世界へ!(2026年9月取材)
量子の不思議な性質と、計算への可能性
──先日アピリッツで「量子コンピューター研究チーム」が発足し、9月9日には社内で勉強会も開催されました。勉強会の中で安部さんが一番伝えたかったことは何ですか?
やっぱり勉強会の中でも実演した、電子の二重スリット実験を3Dで再現したシミュレーションですね。量子力学で説明される「重ね合わせ」や「干渉」を、画面上でイメージできるようにしたものです。
日常の直観とは異なる「そんなバカな!」と思うようなことが起きるのが量子コンピューターの世界なんだ、ということを、あのシミュレーションを通して皆さんに伝えたかったです。「量子ってすごそう」となんとなく思っていた方が、「量子ってすごい」と思ってくれたらいいなと。
➤「そもそも量子コンピューターって何?」という方はこちらをチェック!
──実際にデモを見せていただいた時、量子のその不思議な性質に驚いたのと同時に、どんどん量子の世界に引き込まれていました!笑 二重スリット実験のシミュレーションは、量子コンピューターの計算にどのようにつながるのでしょうか。
量子コンピューターは「重ね合わせ」や「干渉」という性質を使って、いくつもの可能性を重ねた状態で計算ができます。
こうした不思議な組み合わせを使うことで、特定の問題について普段のコンピューターより効率よく答えを探せる可能性があるんです。
──どのような分野への応用が研究されているのでしょうか。
例えば配送業では、たくさんのルートの中から、移動距離や費用を抑えられるものを選ぶために、量子コンピューターを使えないかという研究が進められています。気象や海の動きをコンピューターで再現する分野でも、計算の一部に量子技術を取り入れる研究があります。


未知の応用を探る、量子コンピューター研究の面白さ
──安部さんは元々量子コンピューターに興味があったのですか?
興味はありました。量子力学って日常の直観とは異なる現象が多くて、とても不思議な分野だと感じていたんですよね。
例えば、「重ね合わせ」「量子トンネル効果」「量子テレポーテーション」等、ロマンが詰まったワードがたくさんあって、自分も興味があって多少調べてはいました。そこに代表の和田さんから「会社として量子コンピューターを進めていこう」と声をかけてもらって、「ぜひやりたいです!」と二つ返事で応えました!
──安部さんはどのようにして量子コンピューターの勉強をされたのでしょうか。
基本的に本を読んで知識をインプットしつつ、AIと壁打ちしながら知識を定着させています。
プログラマで、本を読んで勉強したいという方には、『Quantum Native Dojo! 実装しながら学ぶ量子情報科学と量子コンピュータ 』がおすすめです。
世界的な研究者や実務家が、理論や数式に加えてプログラムの実装を通して学べるように書いてくれていて、自分にはぴったりでした。
──安部さんが思う量子コンピューターの魅力を教えてください!
多くの研究者や企業が積み重ねてきた成果を学びながら、まだ解決されていない課題や新しい応用を探せるところですね。未開の領域が好きなんです。笑
実務の業務で役立てるには、ハードウェアの性能だけでなく、アルゴリズムや古典コンピューターとの組み合わせ方等、検討することがたくさんあります。
その中で、自分たちが培ってきたソフトウェア開発の経験を活かして、「量子コンピューターは、こんなところにも使えるんだ」という新しい使い方を見つけられるかもしれない。そこにロマンを感じます。
あとは、量子コンピューターの世界は不思議な現象が多くて好奇心をくすぐられる点と、今まで自分が培ってきた古典コンピューターの知識を応用できる点も、魅力を感じる部分ですね。


開発実績とノウハウを活用した、アピリッツならではの技術確立と社内に広がる学びの輪
──今後アピリッツでは量子コンピューターをどのように活用していく予定なのでしょうか。
大目標は、将来的に量子コンピューターの実用化が進む将来に向けて、会社としてそれを活用する技術を確立しておくことです。
お客様が実際に抱える課題に対して、量子コンピューターを活かしたよりよい解決策を提案できるよう、今から学びと検証を重ねていきたいと考えています。
そのために、アピリッツがこれまで培ってきたソフトウェア開発の技術やサービス運用の知見を活かして、「量子コンピューターがどのような課題に適しているか」「既存技術とどのように組み合わせるか」を検証し、将来お客様にどのような価値を提供できるのかを探る必要があると考えています。
例えば『Advantage Search』等の既存サービスに関係する課題も、応用可能性を探る対象として考えています。
具体的な課題を整理し、既存手法との比較を通じて、量子計算が役立つ条件を見極めたいですね。研究や検証の過程で得た知見が、既存サービスの改善や新しいサービスにつながればいいなと考えています。
──研究チーム立ち上げや勉強会の開催をきっかけに、社内でも何か変化はありましたか?
基本的に量子コンピューターの研究は自分がメインで進めていますが、研究チームの発足や勉強会の開催をきっかけに、周りで個人的に勉強を始めた人や、趣味の範囲でプログラムを作ったり、ブログを書いてくれる人が出てきました。「面白そうだから」と新しい技術や分野にも楽しみながらキャッチアップする人が多いアピリッツのカルチャーを改めて感じますし、研究チームのメンバーとしてとても嬉しい波が来ているなと思います。
アプリ開発チームのメンバーの方から「一緒に量子コンピューターの勉強会チャンネルを開設しましょう!」と声をかけてもらって、Slackに「量子コンピューター勉強チャンネル」も最近開設しました。
社外的にも量子コンピューター研究チームでnoteを立ち上げまして、社内・社外を通して知見を広げる取り組みを進めていきたいと思います。


──ぜひ今後も社内・社外での量子コンピューター研究チームの活動に注目したいと思います!安部さん本日はありがとうございました。アピリッツでは、現在中途採用を実施しております。最新の技術に触れてみたいという方、エンジニアとしてキャリアアップしていきたいという方、ぜひ一度カジュアル面談でお話しませんか?ご応募お待ちしております!
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