目次
お疲れさまです。
株式会社アピリッツ QM学部のK・Mです。
今回はQM(クオリティマネジメント = 品質管理)を担う新部署の先駆けとして、ソフトウェアテストにおけるプロフェッショナルな知識・技能を認定する組織であるISTQBの日本支部(JSTQB)が主催する『JSTQB FL』(Japan Software Testing Qualifications Board Foundation Level)を受験し、無事に合格することが出来たので、体験記として共有させていただきます。
同試験の合格を目指す方への参考になればと思います。
1. 受験者のバックグラウンドと受験の動機
1.1:前提知識・実務経験
テスト領域での実務経験は、他部署のプロジェクトにテスターとして参加させていただいた経験のみです。
過去に属していた部で、部長指示のもと、システム開発や保守の活動を行っていた期間はありますが、当時は殆ど独学で一歩ずつ進んでいたような感じだったため、正直、テスト領域の知識にはあまり触れられず、本格的に学ぶような機会を作れていませんでした。
1.2:受験理由
QM学部配属前は、PS学部という部に所属しており、社内のいくつかのプロジェクトを支援する形でテスターを担当させていただいていました。
それらの業務の中では、〝抽象的な表現の期待値〟〝整え方が不明なテスト条件〟〝そもそも仕様書に存在しないテスト手順の記述〟〝テスター毎に分かれる手順や解釈〟等、数多くの〝歯痒い現実〟に不満を感じることが多かったのですが、そんな中でQM学部への異動が決まりました。
これがどういうことを意味するかと言うと、散々不平不満を漏らした内容を自分の手で是正していく立場になったことで、過去の行いが「あれだけ言いたい放題不平不満を言ったのだから、もちろん君自身(僕自身)は是正できるんだよね?」という鋭い問いとして返って来たということに他なりませんでした。(笑)
そのため、異動した直後からこの資格を取ることを決めていました。
2. 学習計画と費やした時間
2.1:勉強期間と総学習時間
お恥ずかしい話ですが、100時間以上は費やしたかと…。(学習時間が長くなってしまった要因は『苦労した点・失敗談(アンチパターン)』で後述します)
しかし、本来はこんなに多くの時間を使わなくても合格可能な試験だと思います。
2.2:インプットとアウトプットの時間配分
半々くらいです。
3. 具体的な学習方法と使用した教材
3.1:使用教材
- JSTQB FLシラバス:V4.0(2026/04時点)
- 学習アプリ:テス友
- 書籍:ソフトウェアテストの教科書 JSTQB Foundation 第4版 シラバス2018対応(※最新版は2023対応なので、この書籍は非推奨です)
3.2:学習のコツ、独自の工夫
学習の際に工夫した点は2点あり、1点目は章の順序で覚えるのではなく、〝引き出し可能な知識〟として覚えるということです。
具体的には、シラバスの1~6章の内容が完全にランダムな順番で出題されるため、いつ聞かれても「これは〇章の〇〇についての問題だ」というように自分の頭の引き出しに入っている情報と照合できるようにするということです。
2点目は、シラバスで設定されている3つの知識レベル〝K1:記憶〟〝K2:理解〟〝K3:適用〟を意識しながら学習することです。
具体的には、シラバスは長文が続く文書となっており、それを一字一句覚えることは苦行というか難易度が高い学習方法になってしまうため、〝JSTQBが定義する押させてほしい要点〟=〝知識レベル〟と照らし合わせながら読み進めると良いかなと思います。
「漠然と、ただ覚える」ことをするよりも、「この項は〝適用〟のレベルで覚える必要がある」と認識し、「この項の〝適用〟している部分はどの内容だろう?」と探すことで、頭がそのレベルに合わせて内容を整理してくれ易くなるかと思います。
3.3:AIの活用法
シラバスにはテストケース数導出等で使用する、技法を適用して解を求めるような例題が載っていないので、その例題をAIに出してもらいました。
その他はベタですが、理解できていない単語が出てきたら、解った気にならずに聞くことが大切かと思います。
4. 苦労した点・失敗談(アンチパターン)
主に2点あり、1点目は、集中してはいけないプロセスを学習の手法として選択してしまったことです。
学習開始当初、自分は「ただ覚えて受かればいい」という、知識の風化が早まるような覚え方をしたくないという思いが強かったため、体系的に覚えようと、概念の整理のための作図やエクセルベースでの内容まとめ等を行っていました。
その結果、本来割くべき『読む』『理解する』『想像する』『思い出す』という行動以外の、『作図をする』『正しくまとめる』等の〝一時的な集中を必要とするが、学習における必要性は低い作業〟にリソースを割いてしまい、それが返って記憶の定着を阻害する要因となってしまいました。
2点目は、テストケース等を導出する技法系の知識を学ぶ際に、シラバスを見ずにAIで深堀りし過ぎたことです。
具体的には、技法の適用プロセスを、シラバスを見る前に書籍とAIで学ぶという方法で進めていたため、シラバスが求める答と書籍+AIによって導いた答に差異があり、その引っ掛かりを解消するのにけっこうな時間を使ってしまいました。
この点についてはシラバスに載っている考え方が正になっているので、それを前提としたAIの活用をするべきだったと反省しました。
5. 試験当日のエピソードとアドバイス
5.1:出題傾向と時間配分
時間配分は以下です。
- 試験受付:5分
- JSTQBFL試験:60分(40問)
- JSTQB FLについてのアンケート:10分(早く回答すれば、その分早く試験を終了できます。)
ひとことアドバイスを添えるとすると、〝長文以外は一旦最後の問題まで回答した〟という安心感を得るために、長文問題は一旦後回しにした方が良いかと思います。
それと、余裕があれば、〝確実に正答できた問題〟と〝正答出来なかったかも知れない問題〟を、正の字などで配布される記録用紙に残しておくと、終わった後にモヤモヤせずに済むかもしれません。
5.2:環境面
CBT方式(PC受験)特有の画面の見づらさや、事前のサンプルファイル確認不足等はありませんでした。
強いて挙げるなら、用意されていたイヤーマフの長時間装着で耳が痛くなりました。(笑)
6. 合格後の変化・実務への応用
現在所属しているQM学部は立ち上がったばかりの学部なので、知識や技術の醸成が課題となっている部分が多く、それを向上させるような仕組みを考えて仕様もまとめているのですが、さっそく「この書き方でトレーサビリティは確保できているのか?」や「もしテストをすることになった場合、要件の突き合わせが出来るようになっているか?」等を自然と考えるようになっているので、良い変化はあったかと思います。
また、QM学部には必須の資格とも思っていますので、これを皆で取得してJSTQBの知識という共通言語を持ち寄って、チームやビジネスへ貢献できるような話が出来るようになればと思っています。
おわりに
JSTQB資格はFoundation Levelの先にAdvanced Levelとしてテストマネージャ(TM)やテストアナリスト(TA)、テクニカルテストアナリスト(TTA)等の上位資格も用意されており、取得することで内側の実力も外側への貢献内容も洗練されていくと思います。
当記事をきっかけに興味が湧いて来たという方がいらっしゃいましたら是非、取得を目指してみていただければと思います。
この度は最後までご覧いただき、ありがとうございました。
K・M
クオリティマネジメント学部
違いを知って最適化するということをついつい癖でやってしまうので、
業務や資格取得を通じて、そのあたりのスキルを伸ばしていきたいと思っています。
また、家では愛猫の下僕として仕えていて、身の回りのお世話の他、
環境の最適化のためにキャットウォーク制作や庭の整備等を担当させてもらっています。



























