アピリッツのデジタルエクスペリエンス部の佐藤は、2021年から部長代行としてデザイン制作グループ(通称「デザプラ」)を率いています。クライアントも業種もさまざまなデザプラの仕事のこと、管理職としてのプレッシャー、1on1の狙い、そして社内制度を上手く使いながらの子育て。たくさん話してもらいました。(取材 2022年10月)
管理職になるなら、脳みそが若いうちがおすすめ!
―― まずは経歴の話を聞かせてください。アピリッツの前身のKBMJに新卒入社したのですよね?
はい。実はWebエンジニアがキャリアの最初です。もともとは編集者になりたかったのですが、出版業界は不況で……2000年代前半はウェブメディアの黎明期だったのもあって、IT業界に入っていればそういう仕事につながるかなと思ってKBMJに入りました。新規事業を担当する部署でサイトリニューアルなどに携わり、ディレクターやデザイナーの仕事を任されるようになったことが現在の業務にもつながっています。結局のところ、編集者にはなりませんでした(笑)
―― 2021年に部長代行になりましたね。アピリッツは女性管理職の登用が進んでいますが、タイミング的に「早い」や「遅い」と感じましたか?
結婚・出産を経験してからではありますが、育児との両立にも慣れて、ちょうどよかったんじゃないかなと思います。仕事の経験値も積めた段階でしたし。ただ若手には「管理職やマネジメント職を目指すのであれば、若いうちでもどんどんチャレンジしたほうがいいよ、 脳みそが若いうちがおすすめだよ!」って言いたいですね。
―― 脳みそ!
インプットすることが一気に増えるんです。管理職になると幅広い視点が求められます。チームを率いるマネジメントの視点、案件を獲得してきちんと進める視点、それから経営の視点。上場してから社内の環境は刻々と変わっています。関わる仕事の規模や性質も変化してきました。そういったスピード感についていくことにやりがいを感じられるのであれば、いいキャリアが積めると思います。まわりもサポートしてくれますし。
「さとかえさんらしくやればいいんじゃないですか」
―― プレッシャーは感じましたか?
相当感じています! 私の歴代の上司が優秀すぎるので、自分はそんな風にはなれないと思っています。でも同僚が「さとかえさん(注:佐藤の愛称。社内のほとんどの人間がこう呼ぶ)らしくやればいいんじゃないですか」と背中を押してくれて。この言葉をふと思い出して、立ち止まることができています。そうやって誰かの背中を押せるような管理職になれるといいですよね。さらに「あの人ができるなら……」とハードルを下げられる存在でもあるといいなと思っています。
―― 保育園のお迎えで慌ただしく退社するさとかえさんを何度か見かけています。子育て真っ最中に女性管理職として働くのは大変そうな印象ですが……
想像以上に大変ですね。私はもともと不器用なタイプで、とにかく気合で乗り切っているところはあります(笑) ただ、仕事と子育てが気持ちの切り替えになっていますし、寝かしつけた後はひたすらマンガを読んだりして、好きなことに費やす時間も大切にしています。まわりに仕事と育児を両立しているパパママも増えましたし、仲間意識が生まれますよね。仕事する上でも心強いなと思っています。
働き方に関しては、アピリッツの裁量労働制度の「アピプロ制度」をフル活用しています。
時短勤務じゃなくフルタイムで働きたい、でも保育園のお迎えには早めに行ってあげたい、子供を寝かしつけた後に家でちょっと働きたい……って人には、アピプロ制度はオススメですね。
私は子供を持ってから、仕事で裁量権を持って働くことの大切さがわかりました。子供はコントロールできないので……自分と仕事をコントロールする方にシフトしています。意外となんとかなりますよ(笑)
会社の変化に合わせて進化するデザプラ
―― さとかえさんが率いるデザプラグループのことを教えてください
ひと言でいうと「まじめ」ですね! みんな、任された案件や、自分の仕事やスキルに対して真摯に向き合いながら、しっかりとやり遂げる意識を持っています。
経験豊富なメンバーは、チームに対しておのおのが経験を惜しみなく還元し、引き上げようという気持ちが強いです。チームとしての課題解決にも積極的に取り組んでくれます。若手も、それに応える勉強家ばかりです。
会社の状況が変化するのと同じように、デザプラグループも進化しています。単なるデザイン制作だけでなく、スタートアップ支援やUX・UIデザインプロセス支援、モックアップを活用した要件定義といった上流工程にもどんどんチャレンジしています。アピリッツが強みとする「ワンストップソリューション」の一翼を担うために、成長が求められている状況だと思います。
私たちの担当するクライアントは業種も業態もさまざまで、ビジネスやクリエイティブの面では多様な課題に向き合う必要があります。そういった案件に日々対峙しているメンバーは本当にタフだなと思います。模索して、ときには迷走しつつ……そんなメンバーの姿に私自身が支えられていますし、学ばせてもらっています。
―― どんなふうにデザプラグループを引っ張っていきたいですか?
理想をいうなら「俺について来い!」みたいなリーダーに憧れますが、性に合わないので(笑)、私は対話を大切にしたいと考えています。私達の仕事は、クライアントも案件内容も千差万別です。ひとつひとつの仕事にそれぞれのミッションがあり、それを理解しなければただの作業者になってしまい、仕事に対しても自分に対しても、もったいないですよね。自分で考えて主体的に動いて、お互いを補完しあうチームにしたいと思います。
「お客様のビジネスに対して、何が価値のある提案になるか?」
―― 1on1やメンバーとの対話を繰り返すと、変化や手応えを感じますか?
感じますね。たとえば、デザプラが大切にする「開発側と正確に連携するためのコーディングや、論理的に裏付けのあるデザイン」について、私だけじゃなくメンバー全員が自分の言葉で話せるようになるべきだと思っていますが、この考え方はチーム内にも浸透してきていて、業務を通して感じられる場面が増えてきました。週ごとに実施している勉強会でも、メンバーの学びがよく感じられます。
―― メンバーを育てるための1on1なのでしょうか
「育てる」というのがあまりしっくりこないのですが……どちらかというと、考えていることや思いを伝えて、同じ方向を向くための時間として重要だと考えています。
せっかくアピリッツでデザインの仕事をやっているのだから、この環境を自身の糧として最大限活かしてほしい。「お客様のビジネスに対して何が価値のある提案になるか?」を身につけるために、「踏み台にして成長してほしい」と伝えています。
アピリッツのデザインが関わる領域は、マーケティングやSaaSなども含めてとても幅広く、キャリアやスキルアップの選択肢も多彩です。
ここで何を強みとするべきか、何ができたら自分の価値が上がるのか、考えながら仕事をしてほしいです。そしてメンバーのキャリアを拡げるような仕事を作ることが私のミッションだと思っています。
メンバーが少しづつでも「成長できた、貢献できた」と感じられるチームや環境を作っていきたいです。