この記事はアピリッツの技術ブログ「DoRuby」から移行した記事です。情報が古い可能性がありますのでご注意ください。
KBMJがZDnetで連載している記事を紹介します。コメントなどありましたらそちらでお願いします。
Rubyでどう書く?:RubyでPDF履歴書を作成する 高倉利明(KBMJ)
第2回目のテーマは「RubyでPDF文書を作成する」と題しまして、RubyでPDFの文書を作成する方法について解説したいと思います。
問題
Webアプリケーションを開発していると、「PDF文書を作成してほしい」との要望をクライアントから頂くことがあります。しかし、Rubyの実際のサービスでPDFを出力しているものはあまりありませんでした。
ここでは以前、私が行った開発を元にノウハウを紹介したいと思います。
仕様
- Ruby on Railsを使用(実際に必要になるケースはRoRプロジェクトがほとんどと考えました)
- Rfpdfプラグインを使用(インストール方法はRoR Wiki 翻訳 Wiki – Rfpdfを参照)
- 出力するフォーマットは図1のイメージ
回答例
class Resume
class << self
# PDF出力メソッド
def output
pdf = Pdf.new(“高倉 利明”, “タカクラ トシアキ”)
file = File.open(“C:\\resume.pdf”, “wb”)
file.write(pdf.generate)
end
end
# pdf作成クラス
class Pdf
IC_SJIS = Iconv.new(‘SJIS’, ‘UTF-8’)
def initialize(name, kana)
# 出力データ
@name, @kana = name, kana
# マージン
@lm, @tm = 10, 10
# 基本となる罫線の横、縦サイズ
@width, @height = 120, 20
@pdf = FPDF.new
@pdf.extend(PDF_Japanese)
@pdf.AddSJISFont
end
# PDF(バイナリデータ)を作成
def generate
@pdf.SetMargins(@lm, @tm)
@pdf.AddPage
drow_format(@lm, @tm)
drow_data(@lm, @tm)
return @pdf.Output
end
# フォーマット描画
def drow_format(left, top)
@pdf.SetXY(left, top)
setBoldLine
@pdf.Cell(@width, @height, ”, 1)
@pdf.SetXY(left, top)
setThinLine
# 氏名(フリガナ)欄
@pdf.SetXY(left, top)
@pdf.SetFont(‘SJIS’,”, 8)
@pdf.Cell(20, 5, ic(‘フリガナ ’), ‘B’, 0)
@pdf.Cell(@width – 20, 5, ”, ‘B’, 1)
# 氏名欄
y = @pdf.GetY
setBoldLine
@pdf.Cell(@width, 15, ”, ‘B’, 0)
@pdf.SetXY(left, y)
@pdf.SetFont(‘SJIS’,”, 8)
@pdf.Cell(20, 5, ic(‘氏名 ’), 0, 2)
@pdf.Cell(20, 10, ”, 0, 0)
@pdf.SetXY(left + 20, y)
@pdf.Cell(@width – 20, 15, ”, 0, 1)
end
# データ描画
def drow_data(left, top)
@pdf.SetXY(left, top)
write_string(left + 25, top + 3, 10, @kana)
write_string(left + 25, top + 13, 14, @name)
end
def write_string(left, top, font_size, string)
@pdf.SetXY(left, top)
@pdf.SetFont(‘SJIS’,”, font_size)
@pdf.Write(0, ic(string))
end
def setBoldLine
@pdf.SetLineWidth(0.3)
end
def setThinLine
@pdf.SetLineWidth(0.1)
end
def ic(str)
IC_SJIS.iconv(str)
end
end
end
本ソースをresume.rbとしてRoRプロジェクトののmodelディレクトリに配置し、以下のコマンドを実行することで「C:\resume.pdf」で出力されます。ruby script/runner Resume.output
解説
本サンプルでは、
- マージン、枠の縦横サイズの初期化「initialize」「generate」
- 罫線などのフォーマットを描画「drow_format」
- 各項目の値を描画「drow_data」
というステップにわけて処理をしています。
RFPDFライブラリを使用する場合は、
- FPDF.newでオブジェクト生成
- 日本語が扱えるようにextendやAddSJISFontメソッドで指定
- AddPageメソッドでページを追加
- ページに表示する内容を描画
- 座標:SetXY、SetX、SetY、GetX、GetYなどを利用
- 文字フォント:SetFontで指定
- 罫線サイズ:SetLineWidthで指定
- 罫線:Cellメソッドで描画(第三引数に文字列を指定することで、同時に文字の描画も可能)
- 文字:Writeメソッドで描画
- Outputメソッドでバイナリを出力
という流れとなります。
日本語を出力する際は、Iconvを使用してSJISに変換しています(ソースをUTF8で書いているため)。
なお、RFPDFの詳しい使用方法は、FPDFのWebサイト「FPDF」を参考にしてください。
最後に──
駆け足で説明しましたが、いかがだったでしょうか?
実際のところ、RFPDFは1年近く更新されておらず、また日本語を扱う上でまだバグが見られるのが現状です。
また、罫線などの枠線をプログラムで引いている関係上、直観的ではない作りになってしまうのが欠点です。
もっと良い方法があれば、コメント (コメントはこちら)やbuilderブログなどで是非教えていただきたいと思います。