この記事はアピリッツの技術ブログ「DoRuby」から移行した記事です。情報が古い可能性がありますのでご注意ください。
Googleアナリティクスで定点観測や社内共有をするためのレポート作成はできるだけ時間短縮したい。そんな方におすすめなのが、Googleデータポータルです。今回は、Googleデータポータルとマイレポートとの比較を交えて紹介していきます。
この記事でまとめられていること
こんにちは。株式会社アピリッツでアナリストをしているssekiです。
Googleアナリティクスを使ってアクセス解析レポートの作成をしていると、「いつも同じ作業だから自動化したいなぁ」と思う反面、「APIとかは複雑で敷居が高いなぁ…」と結局断念してしまうことありますよね。
そんなアナリストのためにGoogleアナリティクスにはマイレポートという機能があります。
組織内での情報共有のためにマイレポート機能を常用されている方も多いかもしれませんね。
ただ、マイレポート機能にも難点が多く、自由度の低いレポートになってしまうことがしばしば。
そうした弱点から、私はマイレポート機能をあまり活用していなかったのですが、最近になって、Googleが新しいサービスを提供してくれるようになりました。
そのサービスがGoogleデータポータルです。
今回は、マイレポートより優れている(と私は思っている)ダッシュボードツールのGoogleデータポータルについて、マイレポートとの比較を交えてまとめてみました。
Googleアナリティクスのマイレポートとは
↑※画像はGoogleアナリティクスのデモデータを用いて作成しました。
マイレポートは、Googleアナリティクスの”自分専用”サマリです。
Googleアナリティクス上で見ることのできる表やグラフを1画面にまとめて閲覧できるようにすることがマイレポートの大きな役割といえます。
マイレポートの便利な点をいくつかまとめると、以下のようになります。
- Googleアナリティクス上の好きな表・グラフをマイレポートに”直観的に”追加できる
- どんなレポートにすればいいかわからなくても、”おすすめを”ギャラリーからインポートできる
- 一度マイレポートに保存すれば、期間を変えて再計測が”簡単に”できる
ある程度Googleアナリティクスを使っており、定点観測的なアクセス解析を行っている人にとって、マイレポート機能はとても優れた効果を発揮します。
しかし、冒頭で述べたようにデメリットも多く存在します。特に私が困っていたのは以下の点です。
- ウィジェットの大きさやスタイルを変更できない
- ウィジェット(表・グラフのこと)が1つのマイレポートに12個までしか配置できない
- コメントが追加できない
- 他のデータソースをインポートすることができない
総じて、マイレポートのカスタマイズ性が低いことによって、社内共有できるほどのレポートにならないのが難点です。
自分だけでサイトを運営している場合や、アクシデントが生じていないかのアラートとして利用する場合など、誰かと共有する必要が無いときは非常に使いやすいツールですが、企業でサイトを運営していると、レポートの提出や提案資料の作成などを行うことが多くあります。
そうした共有の場面では、マイレポートのレイアウトとデザインはカスタマイズ性が低いため、Googleデータポータルの方がいいんじゃないかなと思います。
Googleデータポータルとは
↑※画像はGoogleデータポータルのサンプルを使用しています。
Googleデータポータルは様々なデータを視覚化し、共有を促進するツールです。
BIツールとも呼ばれていますが、現段階で分析に使えるほどの性能はないため、一度に大勢にが同じ情報を共有できるダッシュボードツールと呼んだ方がしっくりくると個人的には思っています。
ダッシュボードツールという意味ではマイレポートと同じ土俵のツールですね。
元々、Googleデータスタジオ 360として有償版が提供されていましたが、最近になって無償版としてリリースされました。
現在はまだベータ版ですが、共有用として実用に足るレベルの機能を備えています。
少なくとも、私がマイレポ―トに抱いていた欠点を次のように補填することができています。
- ウィジェットの大きさ・スタイル・数などのカスタマイズが自由
- コメント追加可能
- 同じシート内で複数のページを作成可能
- 他のデータソース(Adwordsやスプレッドシートなど)も同時に使える
Googleデータポータルを使ってみて、まず最初に感動したのは自由度の高さです。
マイレポートがドキュメントレベルだとすると、Googleデータポータルはほぼパワポレベルです。
つまり、Googleデータポータルを使うことで、これまで一度Googleアナリティクスのデータをダウンロードしてエクセルで作業していた時間を短縮でき、かつパワポレベルの資料が作成できます。
多くの共有資料はパワポやPDFで作成されると思うので、ビジネスユーザーにとってとても利用しやすいツールになっています。
また、標準ではPDF化できないという欠点もありますが、Chromeの拡張機能を用いることでPDFにも対応可能です。
まとめ:Googleデータポータルはどんな人におすすめか
Google アナリティクスのマイレポート機能は、定点観測など決まったデータを取得してアラートのために閲覧したい人向けでした。
それに対し、Googleデータポータルはさらに共有できるレベルまでデータをきれいにまとめたい人向けです。
「これまでマイレポート機能を使わずわざわざエクセルで集計しパワポでレポートを作成していた人」はもちろんのこと、「マイレポート機能を使い慣れていて、共有する必要がある人」にとっても有用なツールといえます。
ちなみに、私はGoogleデータポータルを使って新卒の書いた記事のページビュー数を逐次集計し、新卒内で共有しています。
Googleアナリティクスに詳しくない人とも数値の共有をすることで、より見てもらえる記事の作成につながっていると感じています。
個人的には、こうした非アナリストとの情報共有に重きを置いているのがGoogleデータポータルなのだと思います。
ただし、Googleデータポータルは分析にはあまり向いていません。
なぜなら、Googleデータポータル上で四則演算など計算する機能がついていないためです。
そのため、もしGoogleアナリティクスから次の施策のための本格的な分析をしたかったり、さらに何をすべきかを洗い出したい場合はGoogleデータポータルではなく、TableauなどのBIツールを使うことをおすすめします。