株式会社アピリッツはエンターテインメントサービス、Webシステム開発などのビジネス事業を展開しています。各種事業の技術を向上させることでサービスの質を高め、インターネットを通してより良い生活をおくることのできるよう貢献するべく活動しています。今回はそんな当社の代表取締役社長である和田にこれまでの経歴や当社の強みなどをインタビューしました。(2019年11月取材)
――経歴についてお聞かせください!
最初は、新卒で大手電機メーカーにエンジニアとして入社しました。その後、携帯電話でインターネットができる「iモード」が登場した年に、自分もこれから伸びていく業界で働きたいと思って、携帯系のベンチャーに転職を決めました。そこでは、大手からベンチャーの文化の違いが大きかったということもあり、色々刺激的な毎日を体験させてもらいました。
具体的な仕事内容としては携帯コンテンツのプロジェクトマネージャーを経て、その会社の主力商品のプロダクトマネージャーをしました。仕事の内容、会社の文化等、今の自分のコアを作った会社でしたね。
その後、商社にジョインして、アクセス解析の海外製プロダクトの拡販をお手伝いして、当社アピリッツに、新規事業担当として入社しました。
ビジネスに直接関わっている実感 が欲しかった
――大手の企業から転職した理由はどんなものだったんですか?
大手の企業だと自分が仕事をしている気がしないというか、言われることだけをやっていても楽しみがないというか……….自分がお金を生み出している感覚や、ビジネスに直接関わっている実感があんまりなかったんですよね。仕事をしているっていう感覚が欲しかったから小さい会社に入ってみようかなって。
正直、最初は安定がなくなったなあって後悔する時もありました。ただ、幸い、転職先のベンチャーでは色んなポジションをもらって26,7歳の頃に執行役員を任せてもらえたり…色々、良い経験をさせていただいたと思います。
――代表取締役社長に就任するまでの経緯を教えてください!
新規事業企画担当として当社アピリッツに入社して、前の会社での経験を活かしWebのコンサルティング事業を立ち上げました。その際に、EC系のお客様が多かったこともあり、似たような悩みやサイト改善の要望を頂く事が多かったんですよね。
その時、当時は高額で余り導入しているサイトが少なかった「レコメンド」の機能をASP事業で提供すれば良いんじゃないかと思って、「レコメンド」をASPで提供する新規事業を始めました。幸い時流にのり、1,2年で100サイト弱程度に使っていただく事になりました。その後、追加で商品レビューもASPで提供とか、ECサイトにプラスするサービスを考え、ASP事業を軌道に乗せました。
その間、設立初期から続いてきたWebのSI事業が翳りが見えてきた中で、WebのSI事業の責任者として立て直しを担当しました。引き継いだ時の状況は正直酷かったですね。Web SIの事業利益が-20%程度になっていて。全社としても、売上が8億円位の所、赤字額が3億円弱という感じで、まぁ酷かったです。その際に、当時の経営陣の刷新がありまして、事業責任者として副社長になりました。
その後、Web SI事業の立て直しが落ち着いた時に、ゲーム事業を立ち上げました。丁度、2010年頃です。当時は、Web系の会社がこぞってソーシャルゲームを始めていた時期でもあり、僕らにもやれるのではないかと思って(笑)。その後、ゲーム事業を試行錯誤で成長軌道に乗せつつあった5年位前、社長を交代して、以来社長としては5年くらいになります。
実力主義でフラットな会社
――社長から見て、アピリッツはどんな会社ですか?
コネがない中途入社の僕が社長になるくらいだから”実力主義”的な文化がある会社だと思っています。
後はまあ…フラットで上下関係があまりない会社、Webのエンジニアがたくさんいる会社、規模の割には色々なことを扱っている会社、そんな印象かな。
――確かに色々なサービスや事業がありますがアピリッツって何の会社なんですか?(笑)
インターネット系のサービスで困っているお客様がいたら全てに対応する会社です。広告も、サイト立ち上げも、システムの構築、システム運営も、デザイナーも…..外注をほとんど使わずに基本的にほぼ全て内製でサービスを提供している会社です。
――社長から見た当社の強みを3つ教えてください!
1つ目は、”コーポレートガバナンス(企業統治)がしっかりしている”ベンチャー企業であること。ベンチャー企業の場合、オーナー社長の強いリーダーシップの下で働くことが多いと思うのですが、アピリッツは会社を所有している株主と経営と執行がしっかり分離しているため、牽制が効いています。ワンマンで進められない文化があります。株主や従業員などの利害関係者のバランス調整をしている経営になっています。ベンチャー企業としては珍しいと思います。
2つ目は、”若いエンジニアが多い”会社ということです。今後、日本の企業でエンジニアの需要が増加し、エンジニアの数が足りず人手不足になっていく中で、若いエンジニアをこれだけ多く抱えていることはそれだけで武器になると思います。毎年、優秀な新卒エンジニアを30~40名、採用して教育しています。
3つ目は、”経営基盤がしっかりしている”こと。Web、ゲーム、人材サービスと事業が多角化されていて、それぞれの事業でバランスよく売上が成り立っています。目玉サービスがないことは強みでもあり弱みでもあるのですが、誰でも自分で目玉となるサービスを作っていけることに挑戦できる会社だと思っています。
――会社としてどのような人材を求めていますか?
社長という立場からすると、事業を牽引する立場の人がやっぱり欲しいですね。色々なアイデアを持っている人、自分で事業を立ち上げていきたい人、そういう次世代のリーダーが欲しい。
今はエンジニアが多いため、マネージャー希望の人が少なく引っ張っていける人が不足しています。モノづくりの会社という位置付けのためエンジニアの割合を一定量持ちつつも、今後はその人達を導いていけるようなマネージャーを増やしていきたいと思っています。
夢を実現できる人をこれからも増やしていく
――今後アピリッツをどのような会社にしていきたいか、展開、将来のビジョンを教えてください!
今後もWebサービスを作り続けるエンジニアの会社という形は根っこの部分で持ち続けていきたいと思っています。その中で、人が多く集まってくることで、多様な意見や、やりたい事がもっと出てきて、さらに多様なサービスのアイデアが出てきます。それぞれのサービスの責任者たちが自由に事業をハンドリングしていける会社が理想だと思っています。
新卒や中途で入社をして、社内の事業に携わりながら成長し、事業を立ち上げて、その責任者になっていく。そうやって自分達が心から楽しいと思える事業や環境を自分たちで作っていけたら楽しいですよね。夢を実現していくことのできる人を、これからも増やしていきたいと思います。
――ありがとうございました!
和田順児(Junji Wada)
2005年12月にアピリッツ(旧KBMJ)に新規事業の企画担当として入社。最初にレコメンドASP等の当社のASPサービス商品群を企画し、立ち上げる。2009年9月から当社の全事業の統括。2010年に当社取締役副社長。その後、オンラインゲーム事業を新規事業として立ち上げ、ゲーム企画を担当。2014年から当社代表取締役社長。
仕事上の得意分野は、事業企画、ゲーム企画を考えること。普段は、暇な時間を持て余し社内をうろうろしている。
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