この記事はアピリッツの技術ブログ「DoRuby」から移行した記事です。情報が古い可能性がありますのでご注意ください。
自分の作りたいゲームを作る!という人は「関係無い」と思うかもしれないが、 整理しておくと困ったときに役立つのでそういう人も一度しておきたいのが顧客についての研究だ。勿論、売り上げを出すには必須となる。
どんな顧客がターゲット?
売る相手となる顧客から考えるか、作りたいゲームがあってそこから考えるかはそれぞれの製作状況によるが、とにかく「どんな人がターゲットなのか」はなんとなくでも想像はついているはず。
もし、顧客について考えずに単に「RPGを作る!」とだけ思って作り始めてしまうと「あれもいれたい、これもいれたい・・・」と右往左往するのは目に見えている。RPGと一口に言っても男性女性、子供、成人など色々な層が存在しているのだから、しっかり考えるのは重要だ。
今回は「小学生の男の子向け冒険活劇RPG」を例にして考えてみる。総務省の統計によれば平成27年(2015年)4月1日時点で日本の小学生(6~11歳)の男の子の人口は330万人となっている。こういった役所から調べられる情報はきちんと収集しておきたい。
参考:http://www.stat.go.jp/data/jinsui/topics/pdf/topics89.pdf(我が国のこどもの数 – 総務省統計局)
ターゲットとなる顧客について考える
年齢と男女が決まったので、本格的にターゲットとなる顧客について考えていく。その顧客がどんな性質かを見極めるのには様々な観点、手法があるが、今回は「整理したい項目を並べてそれらについて考える」とする。なお、ネットアンケートをとるなどの手法は有効だが、費用がかかるので今回は割愛させていただく。
今回の例では小学生の男の子が対象なので、例えば「難しい表現や漢字は分からない」といった事を最終的に整理した結果として得ることとなる。以下のように簡単にExcelでまとめてみた。内容や項目は適当なので、詳しくは「マーケティング 基本」などで調べてみるといいだろう。
顧客からゲームを考える
さて、小学生の男の子の特徴をまとめたところで、どんなゲームにすれば良いかを考えてみる。ここまで特に触れていなかったが、ゲームの形態としては「携帯ゲーム機での買い切りゲーム」としている。
所得の少なさや相場から考えて価格は5000円程度に抑えることは必須そうだ。趣向を「冒険活劇」としているが、小学生の男の子でも冒険活劇が好きではない子もいるだろう。こういった「携帯ゲーム機を持っている」「冒険活劇が好き」といった項目によって実際の顧客対象となる人口は減っていくこととなる。両方を満たすのは330万人の5割と想定すると165万人となる。(実際には何かしらの手法でどれぐらいの割合となるかは調べる必要がある)
次に、知識や経験の少なさから、「難しい表現や漢字は使わない」「チュートリアルは丁寧に」「カッコいい演出やストーリーにする」などといった事が決まってくる。プレイ環境は複数人プレイが容易なので、ゲーム構成によっては通信対戦などを取り入れることも出来る。こういった「どんなゲームにするか」の方針も顧客の特徴を掴むことで立てられる。
まとめ
いかがだっただろうか。きちんと顧客について想定をしていないと、「思ったより全然売れなかった」なんていうことが起こってしまう。仕様に迷ったとき、「どんな顧客か」に立ち返れば多くのことはどうするのが最善か分かるので、しっかりと整理して記録しておきたい。それでは、良い製作ライフを。