「いいコーチと出会えるかどうかが、選手の成長を大きく左右する。」そういった指導環境の格差をなくすため、株式会社SportsTech JapanがAIと野球を掛け合わせた『Baselink AI』を立ち上げました。今回は『Baselink AI』立ち上げの背景やアピリッツとの共同開発で生まれた変化などを、株式会社SportsTech Japan代表取締役の金澤 賢人さん、CTOの飯島航己さん、そしてデザインのメイン担当であるアピリッツの山口義斗さんにお話を伺いました!(2026年5月取材)


選手が自分に合った指導者に出会える場をAIで実現する
──金澤さんが「スポーツ」に着目したきっかけを教えてください。
「スポーツ業界で仕事をする」ということが小学校の頃からの夢でした。元々幼稚園の頃からラグビーや野球をしていたということもあり、将来はスポーツ系のメーカーで研究職として働きたいと思って就職活動をしていたのですが、当時東京オリンピックの開催前に富士通さんがAIを使って選手を採点するというシステムを開発している記事を読んだことをきっかけに、「AI×スポーツ」という組み合わせに興味を持ち始め、25歳の時に株式会社SportsTech Japanを起業しました。
──金澤さんの身近にスポーツがあったのですね。株式会社SportsTech Japanでは『Baselink AI』というAIと野球を掛け合わせたサービスがありますが、サービスの立ち上げには金澤さんの実体験が関わっているのでしょうか?
そうですね。大学時代に科学的に指導してくれるいいコーチと出会ったことが、このサービスをつくろうと思った大きなきっかけとなりました。その当時受けていたコーチングを小学生の頃から受けていたら「もっと上手くなっていたのにな」と感じ、少なからずスポーツをしている子供たちも共感する課題なんじゃないかと思いました。それと同時に、指導者側に立つ大人も、どうやって指導すればいいのか分からないという悩みもあるんじゃないかと思い、そういった選手や指導者の格差をなくしたいという思いで、『Baselink AI』というサービスを立ち上げました。
──学校だと部活動を教える先生側の負担も大きいといったニュースもよく耳にします。いいコーチと巡り合うかは運次第というところに焦点を当てられたのは、実際にプレイヤーとしてスポーツと関わってきた金澤さんだからこその視点だと思いました。改めて『Baselink AI』はどういったサービスか教えてください。
いいコーチとの出会いを運やご縁ではなく、テクノロジーを使って解決することを目指す野球特化型のSNSです。ユーザーである野球の選手たちは、他のユーザーのフォームを見て勉強したり、お互いにコメントを送り合うことができるので、電子版野球ノートとしてもご利用いただけます。
──ユーザー層としては部活動やクラブチームなど、チーム単位で利用されている方々が多いのでしょうか?
個人でご利用いただいている方が多いですね。野球は教え方にも流派があるので、自分が所属するチームのコーチや監督の指導内容が上手くマッチしないと感じる選手も一定数います。そういった方々をターゲットに、私たちが選出した野球の指導者を「公認コーチ」として集めて、様々な流派のコーチを選んで指導を受けられるようなプラットフォームを作っています。


UX設計とAI活用で進化する。互いの強みを生かした、SportsTech Japanとアピリッツの共同開発
──色々な流派のコーチに出会えるだけじゃなく、自分に合ったコーチにアドバイスをもらえるのは革命的ですね!実際の開発側についてもお話をお伺いしていこうと思います。このアプリの開発にアピリッツメンバーもジョインしていると伺ったのですが、その背景を教えてください。
アピリッツさんに出資していただいた背景にも繋がるのですが、このアプリは元々私が営業、CTOである飯島が開発担当として二人で始めたサービスになります。我々は開発に強みを持つ会社なので、ゲームやコミュニティ系のアプリの開発実績が多いアピリッツさんであれば、デザインやUX分野のスペシャリストとして知見をいただきながら、お互いのシナジーを活かしたサービスができるのではないかと思いジョインいただくことになりました。
──今回デザイン側をメインで担当されているのが、アピリッツ25新卒の山口さんとのことですが、山口さんからみて何か気づきや発見はありましたか?
正直初めての経験ばかりで気づきは数えきれないほどあるのですが(笑)、プロジェクトは一人の力だけでは乗り越えられないということを改めて強く感じました。要件やUI周りの確認で、すぐ飯島さんやアピリッツの先輩方に話しかけに行くのですが、話しかけやすい雰囲気や風通しの良さが、アピリッツとSportsTech Japanさんとで共通していると感じています。デザイン側を自分がメインで担当する初めてのプロジェクトで不安なこともあったのですが、プロジェクト内外でメンバーの方々から温かい言葉をかけてもらい、そういった周りの存在がとても大きかったと感じます。「一人で抱え込みすぎない」ということの大切さを再度実感できました。
──実際SportsTech Japanさんの目線から見て、今回アピリッツとタッグを組んだことで、どのような変化が生まれたと感じますか?
ユーザーストーリーをウメムラさんのワークショップを通して1日で整理できたというのが、衝撃でした。勉強会で実施していらっしゃるように、当時も付箋を使いながら、ユーザーの行動や1日の流れを整理して、メンバーと話し合いながらペルソナを固めていって、本当に楽しく、かつスピーディーに整備されていったことが、初めての体験でした。その1日のワークショップで、今のアプリの基盤が決まったと言っても過言ではありません。
──HCD専門家のウメさんによるHCD関連の勉強会や、CAIO・AI駆動型開発エバンジェリストによる実務における生成AIの活用方法など、個人で蓄積されているノウハウや知見を共有して共通化させる動きがアピリッツ内で加速していますが、そういった動きが今回のプロジェクトでも活発に行われているのですね。


──ちなみに、SportsTech Japanさんの中でもAIの活用は積極的に行われているのでしょうか。
そうですね。正社員メンバーは全員Claude Codeをがっつり使っていますし、実際に運用で出てくるログをAIが理解して自動で分析・対応する動きも進めています。Claude Codeも日々進化し続けているので、それに伴って開発手法も色々試しながら実践しているところです。
実際ウメムラさんのワークショップだけでなく、アピリッツのエンジニアさんから生成AIをどうプロジェクトで活用するのかアドバイスをいただくことも多いので、そこで得たノウハウも実際のプロジェクトや社内でのAI活用の参考にさせていただいています。
──最後に、今後『Baselink AI』をどのようなサービスにしていきたいか教えてください。
アピリッツさんがジョインしてくださったおかげで、圧倒的にスピード感が変わりました。自社の中にデザイナーがいないので、アピリッツのデザイナーさんが入ってくれたおかげで、ボタン一つ一つにも「こういう思いやこだわりがあってこの形や色にしました」とお話してくださるので、我々も納得しながら進められましたし、今まで以上にアプリが華やかになったと実感しています。こういったパートナー企業同士の連携の強みを生かしながら、『Baselink AI』という野球界にとっての新しい文化を定着させつつ、そこを横展開しながら他のスポーツ業界でも応用できたらいいなと考えています。
──金澤さん、飯島さん、山口さん、ありがとうございました。SportsTech Japanさんが持つ思いや開発力と、アピリッツが持つサービス設計やデザインの力を掛け合わせて、よりユーザーに愛されるサービスを共に創り上げていることを改めて感じました。
次回はインタビュー後半戦!お三方のキャリアに焦点を当て、現在のポジションに至った背景や今後のビジョンについて深堀りしていきたいと思います。ぜひ次回もお楽しみに!
会社紹介
株式会社SportsTech Japan
2022年に設立したAIスポーツテックベンチャー企業。「SportsとTechnologyでスポーツ業界の未来を創る」をミッションに、誰もが平等に質の高い指導を受けられる環境を実現し、スポーツ指導の機会格差の解決を目指す。選手の体格やコンディションに合わせて最適化されたAIコーチによる、スポーツ科学に基づく練習と効率的な上達を支援。能力向上によるスポーツへの好感や健康的な生活につなげ、スポーツが苦手・無関心な方にも身近に楽しめる体験を届ける。
アピリッツでは、お客様のサービスや事業に対する思いをプロダクトとして形にするため、スタートアップ支援から既存サービスのUI/UX改善、複雑な連携が多い大規模開発など、事業の成長に伴走するパートナーとして、幅広くご支援しています。サービスづくりに関してお困りのことがありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。



























