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    生産的な振り返り方法「KPT」について

    この記事はアピリッツの技術ブログ「DoRuby」から移行した記事です。情報が古い可能性がありますのでご注意ください。

    たまごです。

    技術ネタではないですが。今回、開発フェーズ終了に際して、チーム内でKPTを実施しましたので、以下、KPTについてご説明したく思います。

     KPTとは

    「KEEP 続けていきたいこと」「PROBLEM 問題点」「TRY 次回からこうしよう」を順番に書き出していく振り返り方式です。

    左上部にKEEP、左下部にPROBLEM、そして両者を受けて右側にTRYを書いていきます。

     実施方法

    必要なアイテム

    最もオーソドックスなやり方は、ホワイトボードと付箋を使うやり方です。

    ホワイトボードへの準備

    まず、ホワイトボードの中心に縦線を引きます。次に左側の中心に横線を引きます。左上スペースにKEEP、左下スペースにPROBLEM、右スペースにTRYとマーカーで記入します。

    KEEPTRY
    PROBLEM

    ↑こんなかんじ。

    振り返り手順

    準備ができたら、KEEP⇒PROBLEM⇒TRYの順番で振り返りを実施します。

    付箋書き書きタイムを設ける

    この際、KEEP、PROBLEM、TRYの各振り返りのフェーズごとに、五分ほどの時間をとって付箋記入タイムを作ります。そして、付箋記入タイミング後、書いた付箋をホワイトボードに貼りだしていくわけです。

    ホワイトボードに貼りだした付箋をもとに、わいわいする

    貼りだす際は、進行者が似た付箋ごとである程度グループ化してあげると、より俯瞰がしやすくなります。また、貼りだした内容について各自が色々コメントしていくと(全部にコメントしていると時間がなくなると思うので、臨機応変に)盛り上がります。

     KPTの利点

    利点1 : 声なき声を拾える

    まずは、KPTというより、振り返り自体の効能について。

    普段なかなか共有できない各人の感じている思いを、共有することができます。「何か懸念点はあるか」と漠然と問いかけるよりは、フォーマットを提示した方がアウトプットしやすくなります。そのフォーマットのひとつとして、KPTが有用です。

    利点2 : we vs problem の構図を作れる

    こちらは、KPTというよりホワイトボードを利用する利点です。

    問題が人から切り出されて、ホワイトボードという形に可視化されるため、いわゆるwe vs problemの構図を作りやすくなります。人 vs 人になると不毛なので。個人攻撃ではなく、問題を解決するべきです。そのためにこの図式を意識することは有用です。

    これは何もホワイトボードに限らず、プロジェクタで映し出したexcelファイルでもいいし、evernoteでも同じことです。要は、皆が一同に見えるもので、かつ、個人から切り離されていればよいかと思います。

    利点3 : 「KEEP」の存在

    振り返りというと、ついつい問題点ばかりがクローズアップされがちです。しかし、KPTはまずKEEPの洗い出しから始める点が秀逸です。これによって、(1)出だしがポジティブになり、振り返り自体が生産的な場になりやすくなる。(2)忘れがちなプロジェクトの価値を再認識できる――などの効果があります。

    (1)の効果があるため、KPTの実施順は是非ともKEEPから始めた方が良いように思われます。

    利点4 : 「KEEP」「PROBLEM」を受けての「TRY」である点を可視化できている

    KPTは「続けたいこと」「改善したいこと」、その止揚としての「次からこうしようぜ」の三つから成り立つ非常にシンプルな振り返り方法です。

    にもかかわらず、KEEPとPROBLEMを左、TRYを右に配置することで、TRYが左のKEEPとORBLEMを精査した上での止揚であることが明示できていることが素晴らしい。「良い点がこれだけありました。改善点がこれだけありました。だから、次はこうしましょう」のストーリーがたった二本の線で表現できるのは、白眉です。

    利点5 : アウトプットが他人の影響を受けない

    最初に付箋を記入している段階では、互いがどんなことを書こうとしているかが見えないため、他人の意見に影響されずに済みます。「個人の意見を吸い出すタイミング」「それを共有するタイミング」が両方存在するのは、大きなメリットではないでしょうか。

    (もちろん、他人の意見が起爆剤となった発想が湧く場合もあるかと思うので、そういう場合は、思いついた段階で付箋を足していってもいいのではないでしょうか)

     KPTのカスタマイズ案

    以下は、KPTを実践して思ったカスタマイズ案

    ホワイトボードではなく、プロジェクタを使いたいかもしれない

    今回、付箋の文字が小さすぎたり読みづらかったりしたために、メンバーがホワイトボード上の付箋を判読できない問題が発生しました。

    ホワイトボードとの距離の近さによってミーティングのイニシアチブに差が生まれるのは、あまり好ましいことではありません。なので、次からはプロジェクタを使って、事前に書き込んでもらった共有ファイルを映す形も検討しようかなと考えています。(書き込む時間を会議外に持てるので、振り返り自体の時間短縮にもつながります)

    ただ、そのままやると、上記にあげたKPTの利点をいくつか潰すことになってしまうので、やり方を考えねばなりません。その辺りは、また書く機会があれば、いずれ。

    PROBLEMをPROBLEM(WISH)としたい

    これは以前からKPTをやるたびに思っていたことなのですが。KPTはKEEP(続けていきたいこと)、PROBLEM(改善したいこと)の観点しかないため、ふと思いついた次からやりたいことをどこに含めればよいか迷ってしまいます。TRYに書いてもいいのですが、できればTRYは「左の内容を精査したもの」という位置づけを保ちたいです。

    そこで左下の「PROBLEM」を「PROBLEM(WISH)」として、突発的なやりたいことはここに書いたらどうかと思います。

    「次から~したい」という思いは、いわば「今~できていない」の裏返しです。なので、WISHという観点をPROBLEMの中に含めることで、PROBLEMがよりポジティブで生産的なものになりやすくなる効果もあるのではないかと、勝手に思っています。