アピリッツのWebソリューションセグメントは、昨年から新卒研修のメニューの1つとして、22年新卒で入社した若手社員を対象とした「ミニプロ(ミニプロジェクト)」を行っています。今年のテーマは「ミーティングブース管理システム」の企画・実装・テスト・プレゼンです。サポートはありつつも、新卒だけでまるっと全部やります。
今年で2年目のミニプロ。指導や方針のアップデートについて、執行役員の西脇と、今年もサポートとして参加したエンジニアの及川と肘井に話を聞きました。(2022年6月 取材)
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「3つの観点」を行き来しながらサービスを考えて開発する
ーー 今年と去年のWebエンジニア育成の違いは何でしょう?
西脇:変わらず大切にしているところから話しますね。まず、研修の基本構成は一緒なんです。Rubyを学んで、実習としてミニブログを作ってみて、最後の仕上げの研修で「ミニプロ」をやる。このミニプロにアピリッツらしさが出ているはずです。
エンジニアとして開発のセオリーを学ぶことも大切ですが、プロジェクトは規模も内容も毎回違います。ですから、ミニプロでは次のようなことを身に着けてもらいたいと考えています。
1.開発者としての自分
2.お客さまのビジネス視点に立った自分
3.利用ユーザーとしての自分
この3つを大切にすることは、どんなプロジェクトにおいても不変です。3つの観点を行き来しながらサービスを考えて開発すると、お客さまや周囲から信頼されます。そういったアピリッツのエッセンスを、入社まもない段階で学んでほしかった。この下地ができていると、その後自分の得意なことや、やりたいことを伸ばすときに効くんです。エンジニアとしてのキャリアをうまく組み立てることができるはず。
このコアの部分以外は、去年と今年の内容はだいぶ違っていたと思います。
メンバーの割り振りかたを変えた
西脇:今年(2022年)は、メンバーの割り振りをこっちで決めました。去年もミニプロのPMOを担当してくれた肘井に、割り振りを全部任せたんです。
肘井:すでにインターンとしてアピリッツで活躍しているエンジニアもいましたし、なるべく公平になるように割り振りました。性別で偏りがないようにしたり。なんでこちらで決めたかというと、去年はドラフト形式でメンバーを決めたんです。でも、この方式は「つらかった」という感想がいくつか出まして……
西脇:「いつ自分に声がかかるんだろうか。本当に必要とされるんだろうか」ってソワソワしたそうです。入社したばかりだし、そもそもスタートラインはみな一緒なのだからそんな心配はいらないよってこちらは思うのですが、当事者たちは違ってました。
期限内に終わらせろ!
ーー 進め方にも違いはありましたか?
西脇:スケジュールがより明確になりましたね。とくに「とにかく期限内に終わらせないとダメ」「このタイミングでここまで進んでいないとダメ」と締切を明示して、同時にスケジュールに余裕を持たせていました。プレゼンのリハーサルの時間も用意してやっていたので、全員の発表のレベルが高かったと思います。内容も発表もしっかりしてました。
及川:サポートする側も、毎日誰かが必ず開発の様子を見に行っていました。
肘井:とにかくサポートする先輩社員に「見に行こう!」と呼びかけて毎日行ってもらうようにしたんです。
及川:毎日顔を出している人には、とくに質問がしやすくなるんですよね。遠慮しなくなるし、遠慮しなくなってほしい。
肘井:今年のサポートメンバーは、去年の新卒社員が大勢いました。去年の自分たちが何に苦労して、どんなアドバイスに助けられて、何を待っていたかをよく覚えているので、その視点でサポートできていたのだと思います。
西脇:「4月~5月の研修終了後、6月からの配属先でどんな案件に入るのかを早めに話すようにしたほうが良い」といった、研修後についても意見を出してくれたのはすばらしい動きでした。
ーー 3つのチームに分かれて開発をしていました。それぞれどんな差があったのでしょう?
及川:役割分担やタスクの切り分け方に差が出ていました。例えば今回もっとも評価が高かったBチームは、タスクを非常に細かく分けてマージに気をつけていました。ドカンと大きくタスクを分けて、おのおのが黙々と開発をして、最後にマージするとうまく合体できなくて慌てることもあるので、そこでBチームがリードしていたと思います。
西脇:マージの段階で相互認識がズレているとわかって、そこから修正するのは大変ですからね。B班はインターンとしてすでに活躍しているエンジニアも参加していましたが、一方でエンジニアではないメンバーもいたので、「エンジニアとエンジニアではないメンバーが一緒にものを作るには?」を工夫しながらタスクを切ったのかもしれません。
開発案件と並行して研修をサポートする
ーー サポートメンバーについても聞きます。単刀直入に言うと、忙しかったですよね?
及川:はい(笑)大変か大変じゃないかで言えば大変です。ただ「今年もミニプロをやる」とわかっていたので、それ前提で仕事を進めてバッファを取っておきました。
肘井:私も去年と比べて明らかに忙しかったのですが、「毎日必ずミニプロの現場に顔を出す」ことだけは守って、最低限を教えながら進めました。とはいえ、新卒同士で調べて解決してしまうことも多かったようです。
西脇:「忙しい」っていう点で言うと、実は新卒のメンバーのうち数名は、すでに開発案件に携わっている人がいました。すると、ミニプロの開発と案件が激突しそうになる。そのサインを先輩社員が察知して、「今の時期は研修を優先させてほしい。研修を受けさせてあげたい」って僕に教えてくれるんです。気がついてくれてうれしかったですし、とても助かりました。
次世代のリーダー育成
ーー 来年もミニプロはやりますか?
西脇:やりますよ! 新卒同士で話す機会が増えるので好評です。新卒同士の横のつながりが強まるとともに、ミニプロに関わったメンターの若手社員との縦のつながりとなります。さらに、こういった研修の場で若手社員に役割を持ってもらうことは、会社が「リーダーとして任せていきたい」という期待を込めているんです。
ーー 楽しみにしています!