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こんにちは!ゲームセグメント情報発信チームです。
チーム発足第一回目となる今回の記事は、運営主体変更当時の思い出をデザイナーさんにインタビューしてきました。
対象となるゲームタイトルは……
思わず動物の写真を出してしまいました。
こちらは……ドール!
ドール(Cuon alpinus) は、中央~東南アジアを中心に生息している、アカオオカミとも呼ばれるけものです。
狩りをするときに特徴的な鳴き声でコミュニケーションをとることから、「口笛を吹く狩人」と呼ばれています!
想像してみるとなんだかおとぎ話みたいで可愛らしいですね〜
(ドールの狩りについて深く調べる場合は相応の覚悟をもっておくことを推奨します(笑))
そんな「ドール」たちが「アニマルガール」化して、隊長さんたちと探検していくRPGといえば!!
『けものフレンズ3』
メディアミックスプロジェクト「けものフレンズ」のゲームタイトル。
2021年8月1日付で、株式会社セガ様から当社に運営主体が変更されました。
当社は、オンラインゲームの受託開発および自社ゲームの企画運用における10年以上の実績を活かし、運営移管(セカンダリサービス)の事業を展開しています。
デザイナーさん3名にインタビュー!!
今回インタビューした社員はこちらの3名!
O.H.さん:3Dデザイナー
S.K.さん:3Dデザイナー
O.R.さん:2Dデザイナー(現在は3Dデザイナー)
プロジェクト初期のデザイナーさんは……?
——まずは自己紹介をお願いします!
チーム発足初期から関わっていました。3Dデザイナーの窓口であったり、「けものミラクル」以外のモーションや、キャラモデルを担当していました。
参画当時から今までずっと「けものミラクル」のモーションやカメラワークを担当しています。
2Dアート部門で、プロモーション用のイラストや、PVに登場するキャラのイラストなどを作成していました。
——どのくらいの時期から関わっていたかを教えてください。
一番最初は多分自分です。2020年の12月からでした。S.Kさんたちが合流する前にデータ自体は受け取っていて。こういうのがくるかもよ〜という話が来ていました。
自分は2月末くらいにチームに入りました。
1月か2月ですね。別のチームにいたときに「けもフレ3」の話を知って、興味があるな〜と伺っていたら、声がかかりました!
——初期はどんなことをしていたのでしょうか。
3Dも同じ感じでした。初めはセガさんと相談してできる作業から行い、トライアルをやっていました。
ひたすら先方が用意してくれた引き継ぎ資料を読んでいた記憶があります(笑)。読みながら実際のデータを見て、どういう作りになっているのかを一つずつ理解していく期間でした。
アートでは、1、2か月はトライアルで制作をお願いします、という話があり、テスト制作をしていました。
『けものフレンズ3』ならではの新しい挑戦に奮闘!!
——デザイナーさんが技術を引き継ぐ際に大変だったことはありますか?
一番やりとりが多かったのは「けものミラクル」ですよね、おそらく。
そうですね、社内にカメラワークを制作する文化も人も存在しなかったので暗中模索でした。
——けものミラクルは3Dデザイナーさんにとっても新しい存在だったんですね!
けものミラクル以外のモーションやエフェクトに関しては、アピリッツでもともとやっていた作業を活かせたので比較的スムーズでした!けものミラクルでは、キャラのモーションやカメラワークができた後、最終的にエフェクトを載せて仕上げるのですが、新しい作業だったので難易度は高めでしたね。
アートに関しては、キャラのレタッチ絵を描いていくのですが、レギュレーションがしっかりしていたのでサクサク描いていくことができました。3Dのソフトも使いながら進める必要があり、戸惑いはありましたが、3Dのソフトに少し触れていた経験もあったのでなんとかクリアできました。
——2Dの作業でも3Dのソフトを使うんですね。レタッチ絵について詳しく伺いたいです!
吉崎観音先生が描いたフレンズは頭身が小さいので、頭身の大きい3Dモデルをレンダリングしてからイラストを描き起こしています。キャラPVに登場している絵です!
——けもフレならではだな、と思ったことはありましたか?
吉崎先生の監修があるので、先生からの戻しが少なくなるように心がけています。もともと好きな絵柄だったので作業はとても楽しかったですが、先生のこだわりポイントを汲み取りきれないことも多く…キャラの顔は先生の絵にしっかり寄せるように気をつけました。
頭身については先生のこだわりを教えてもらいながら頑張りました!
こだわりもしっかりと受け継ぎ!!
——吉崎先生からはどんなフィードバックがあるんでしょうか?
シルエットの細部や、キャラごとの体格の違いなど、キャラそれぞれへの思い入れを感じるフィードバックが多いです!
動物のこの部分を反映していたんだということに、後から気付かされることもあります。
けもフレというIPならではだと、元動物の生態が反映されているところがありますね。そこはセガさん時代から踏襲しています。
——運営主体変更後も、ユーザーさんから3Dのクオリティが高いという声もあったみたいですよね。
けものミラクルはクオリティを落とさないように必死で取り組んでいました。
慣れてきてからは、カメラワークが似たり寄ったりにならないように、いろいろな作品からインプットして作り上げていきました。
3Dキャラも、先生のこだわりを現場内で手探りしつつブラッシュアップさせていました。
モーションは、約1か月という短期間で引き継ぐ必要があったので、早めに提出をしてOKをいただけるように動いていました。
——けものミラクルは、デザイナーとプランナーでアイデアを出しあっているそうですね。
最初は手探りでしたが、自分で作るようになって分かるようになってきた部分がいっぱいありました。
あとは、似たようなものにならないように、毎回新しい印象を与えることを考えています。
モーションでも、似たものになりそうだったら変更したいという意見も出していました。
逆に、生態が近い動物はあえて揃えたりもしています。
さまざまなハードルを越えて、徐々に盤石な体制に!!
——これは乗り越えた!と特に思うことを皆さんにお伺いします。
まずは、O.Hさんはいかがでしょうか?
3Dデザイナーは3名スタートでした(笑)。先方は20名以上はいたのかなと思います。
——よくそれで引き継げましたね!
3名で役割分担をして、難易度を考慮して引き継ぎ順序の優先度付けを行っていました。
メンバーが増えてからは作業をうまく分散させていきました。
とりあえず初期のメンバーが一通り作れるようになって、その後、作業数が増えたときの体制については、人が増えるのを祈る、という感じでしたね。
——人数は順調に増えましたか?
当時は部署内の3Dデザイナーの人数が少なかったのですが、けもフレ3が始まってどんどん人は入ってきました!
——続いて、S.Kさんにお伺いします!
自分はやっぱりカメラワークです。
技術的にはモーションの作業と似ていたので大丈夫でしたが、知識についてはひたすら過去のデータを見て吸収していきました。
——センスがあったんですね。
結果的にそうな気はします。たまたま自分には向いていた。
セガさんからも、カメラワークはセンスが必要なので、できる人が限られるという話を聞きました。
——では、O.Rさんはいかがでしょうか。
私はスケジュール周りが大変でした。
先方の2Dの方々は早い段階で抜けてしまう方が多く、契約が固まってからはほとんどアピリッツ側で作業しました。
当時コラボ対応が2件ほどあり、特にきついスケジュールでしたがなんとか乗り切りました……!
残っていた担当者さんはとても親切で、ソフトのことや監修のことなど、たくさん質問させていただきました。
お互いに信頼関係は築けていたかなと思います。
——最後に、それぞれ言っておきたいことがあればどうぞ。
たとえば、しょうたい(ガチャ)モーションは、ユーザーさんが最初に見るものなので、可愛いやかっこいいをどれだけ表現できるかを突き詰めています。そういった表現を今後も作り上げていくと思います。
自分はやっぱり「けものミラクル」をアピールしたいです。PV動画でもメインで映るところですし、キャラの見せ場です。
セガさんも一番力を入れていたのではないかなと思いますので、より良くなるようにひたすら頑張っていきます!!
当時大事にしていたことを今のメンバーも引き継いでくれています。
メンバーが作ったイラストが、ポスターやタペストリーになっていくのは素晴らしいなあと感じています。これからも楽しみです!
——本日はありがとうございました!
あとがき
デザイナーさんの様々な挑戦がありつつ、短期間でも着実な引き継ぎを行っていたことがわかりました!
また、「けもフレ3」の新たな一面を知れて、取材班も1ファンとして、これからの表現がより一層楽しみになりました。
「けもフレ3」は2023年9月24日、リリース4周年を迎えました。これからもますます目が離せません!!