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    【ゲーム制作の現場から】04:シナリオ執筆のコト始め・プロット編
     

    【ゲーム制作の現場から】04:シナリオ執筆のコト始め・プロット編

    「04:シナリオのコト始め・企画書編」に続き、物語の筋を決定するプロット制作の風景についてです。

    ■ 狂気のプロット山脈

    ◎ そもそもプロットとは?

     物語の構成を書いたシナリオの設計図、それがプロットです。「誰がなにをして、どうなったのか?」因果関係を筋立てたものです。 脚本を書く前段階の資料となります。

    出版社:みすず書房

     筋なので構成を考えますが、表現はゲームシステム上で展開します。よって、プランナーが想定するプレイ時間やシステムについて話し合いながら検討します。プロット打ち(打ち合わせ)でライターからは、「こんな話だから、これくらいの構成にしたい」などシナリオ構成論を交えたアイデアが出てくるでしょう。

     中身が決まれば、分量も決まります。先に予算的なことから分量をきめて、それにあわせ話をつくることもあります。

    チェックする側が的確な指示を出せないと、無限リテイクが発生する。企画フェイズで各項目のゴールを設定しよう

    ◎ ゲーム性からの物量あわせ

     では、具体的にどのくらいのボリュームのシナリオを書くのか? それはスケジュールにも絡むので、企画フェイズであたりをつけます。

     小説ならばページ数の制限、映像作品ならば尺にあわせた長さがあります。同様にゲームの本(脚本)も、プレイサイクルとステージ構成にあわせた物量を決めます。ボリュームはゲームの制作規模(ステージ数や必要となるクリエイティブなど)に直結し、予算との関係性が大きくなります。そのため、ゲームプランナー側から制作ボリュームについて提案されることが多いのです。

     ライターは、物語の流れを大きなセグメント(節)にわけてどのように展開するのか? プレイサイクルを考慮してシナリオを何章何話で組むのか考えます。なのでプロットでは、ざっくとしていた尺についても詰めるのです。

    ◎ 実装までの流れ

     シナリオのボリュームが決まったら、物語の構成を決めるプロット起こしです。ログラインで話全体の見晴らしをよくして、物語の軸となる資料「プロット」に落とし込みます。それは因果関係が表した文章となります。ワードで書くことも、セルで一覧化できるように書く場合、様々です。

     出来上がったら関係者とプロットを共有し、意見交換。GOが出たら執筆して、初稿を提出する流れになります。

    ライターの作業は、執筆要件からプロット、執筆と進む。わたしの場合、アイデアレベルの話を数枚荒書きしてからログラインにまとめる

    ■ ログラインの山を超えて

    ◎ 檣楼(しょうろう)からの見晴らし

     さて、何度かログラインという言葉が出ていますね。ログラインとはストーリーの文脈を簡潔にまとめ、物語の見晴らしを良くしたものです。ストーリーテリングの根幹となる作業です。 

      企画のアイデア、テーマや世界観のモチーフという源泉から情報を整理。キャラクター、舞台設定、キーとなる世界観の情報をカテゴライズし、可視化情報にします。すると、関係性のポイントが見え、ストーリーの整理できます。

     この作業は ストーリーアーク(Story Arc) と呼ばれるものです。ログラインを書くということは、構成アイデア出しとストーリーの整理整頓であり、プロット書きの地図を作成する役割も果たしているのです。

    映画「スターウォーズ エピソード4/新たなる希望」のログライン。これだけでは面白さは伝わらない。どんな作品にできるか? 完成を想像できるDの目利きが必要

    ◎ 竜骨はゆらがない

      簡潔でわかりやすい言葉にまとめたログラインという幹から、プロットが生れ、いくつもの話が枝葉のようにつき、物語が成長するのです。

     ここで述べているログラインは、脚本構造についてのあらましで、プロット作成の前作業となります。その内容は、「主人公が抱える問題を、どこで何をして、誰と対峙して、どのように解決するか」といったものです。

     シナリオ概要を書く際にもライターは作品全体構造のログラインを出します。企画を進め、書くべき物語がより鮮明になってくると、章別のログラインも必要となってくるのです。

     それはどんなストーリーなのか?

     骨がしっかりしていれば、舟はゆらぎません。すべては「一歩一歩、順序よく」なのです。

    ■ ポイント・オブ・ヴュー

    ◎ 組んで検証

     続いて、プロットについてもう少しお話しましょう。何章・何話の話にするのか? どのようにキャラクターを登場させ、事件を起こし、解決に向かわせるのか? スジ組を構成するには、 物語が必要です。物語(Narrative)は、登場するキャラクターがいかに動くのかで決定します。

     ストーリーラインからキャラクターの経験や取得情報に即したエモーショナルライン(Emotional Arc)を考察。キャラクターが知り得る情報で、性格にあわせ、どのように反応するのか組み立てるのです。こうして全体を構成を決めつつ、行動にゆらぎがないかチェックです。

    ◎ 容赦なく斬る

     チェックとは、考えた話(Story)の構造を分解して検証することで、重要な工程です。解析スキルを発動させ問題点を抽出、調整するストーリーテリングのスキルが展開される部分。当然コストが、かかります。そのため予算がついてから動くのです。

     こうしてプロットを組み終わっても、より細かなキャラクターの動きや動線を共有する場合には「箱書き」と呼ばれる段階まで掘り下げます。

    どのシナリオライターを選ぶか? 裁量権を持っているの者の真眼が試される

    ■ セントエルモの火

    ◎ 君の灯火、僕の光

     今回は、プロットを切る流れを説明させていただきました。プロットを切るには、ストーリーを簡潔にまとめたログライン出しが骨子となります。 そして、話の見晴らしをよくする過程で生まれた、設定資料を整理することも大切なのです。

     「誰のためのどんな物語なのか?」ワールドひとつ立て、登場するキャラクターたちの人生を描くことで、物語は形作られます。作家の頭にあるものすべてを資料すると、かなりの密度を持った情報になり、簡単に肥大化します。月極イベントが実装されるオンラインゲームでは、ストーリーやキャラクターの設定はもちろん、武具や文化・時代背景の設定が膨張し続けるのです。そのため資料の、整理整頓は大切なのです。

    ◎ カテゴライズとUX

     複雑な世界観や設定であるほど、カテゴライズと一覧がきちんと区別された、見やすくシンプルな資料を作成すれば、初見でも理解できます。それは、ライティングの揺るぎない指標となり、製作関係者の有益な資料となります。

    ※※ 次回は 、コト始めシリーズの終章。脚本の執筆フェイズ、「ライティング編」です。

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