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この記事はアピリッツの技術ブログ「DoRuby」から移行した記事です。情報が古い可能性がありますのでご注意ください。
Kali Linux(2017.1)をVirtualBoxにインストールして日本語化を行ってみました。Kali Linuxは、セキュリティ診断用ツールが標準で用意されている、Linuxディストリビューションです。新バージョン2017.3については、関連の記事を参照ください。
はじめに
Kali Linuxは、セキュリティ診断ツールを含むLinuxディストリビューションです。利用の仕方により不正アクセス行為と判断される可能性ががあります。またサービス停止やデータの破損が起こる場合もありますので事前にバックアップを行うなどしてください。そして必要に応じて管理者の許可を得て利用してください。
今回は、Light版の導入を行います。通常版については、下記の記事などを参照してください。
Kali Linux 2017.3 リリース
Kali Linux 2017.3 がリリースされてます。とても導入が楽になってます。新バージョンについては下記の記事も参照ください。
Kali Linux 2017.3 導入と日本語化
Kali Linuxの特徴などについて
- Debian派生のLinuxディストリビューションです。
- デジタルフォレンジック、ペネトレーションテスト(侵入テスト)用などのツールが用意されている。
- 基本的に、root権限で作業を行う。
- 現在は、ローリングリリースを採用している。
- バージョン2017.1がリリースされた。
Kali Linux 公式サイト
https://www.kali.org/
主な収録ツール
今回はLight版を初期導入しますが、通常盤には多数のツールが導入されています。(Light版も容易に追加導入できます。)
Nmap、Aircrack-ng、Wireshark、Metasploit Framework、Armitage、Burp Suite、OWASP ZAP、BeEF、sqlmap、wpscan など
※Burp Suiteの日本語化については、Burp Suiteを日本語化する方法として記事を書いております。
※Owasp ZAPについては、Mac版のOWASP ZAPで脆弱性チェックの設定として記事を書いております。
VirtualBox上にインストールする
仮想化ソフトウェア、VirtualBoxをインストールし、Kali Linuxのイメージを導入、起動させます。
VirtualBoxをインストールする
あらかじめ下記サイトからダウンロードを行いVirtualBoxをインストールしてください。
VirtualBox 公式サイト
https://www.virtualbox.org/
Kali Linux イメージファイルのダウンロード
Kali Linux Downloads – Virtual Images イメージファイルのダウンロード先
https://www.offensive-security.com/kali-linux-vmware-virtualbox-image-download/
書いている時点で、直接ダウンロード出来るのはバージョン2017.1です。
中段のKali Linux VirtualBox Imagesタブをクリックし、環境に適したものをダウンロードします。今回は、Light版を導入してみます。
Kali Linux 仮想アプライアンスのインポートと設定
VirtualBoxを起動し、ファイル、仮想アプライアンスのインポートで、先ほど展開したKali-Linux-Light-2017.1-vbox-XXXXX.ovaを選択しインポートします。
トラブルを避けるため、すべてのネットワークカードのMACアドレスを再初期化にチェックを入れます。
デフォルトの設定でも問題はないですが、ネットワークの割り当ては、診断対象環境との通信の関係上、ブリッジ などがよいかと思います。その他は、好みによって設定を変更します。私はメモリを4GBぐらいにしています。
Kali Linuxの起動と更新
Kali Linuxの起動を行いログインします。Kali Linuxのパスワードは、toorに設定されています。
ユーザー名:root
パスワード:toor
他のパッケージ導入前に、既存のパッケージを最新に更新してしまいましょう。
画面下部の黒っぽいアイコンのターミナルを起動します。
そして下記のコマンドを入力します。しばらく時間がかかり、確認のため途中にyなどの入力が必要となります。
# apt-get update
# apt-get upgrade
Kali Linuxの日本語利用について
英語環境のまま利用している方も多いようですが、ここでは日本語で利用できるように設定します。
1. Kali Linuxの日本語設定
ターミナルからコマンドで設定変更します。
変更画面では、タブキー、スペースキー、エンターキーなどを使います。
ロケールの変更
# dpkg-reconfigure locales
ja_JP.UTF8 を選択します。
キーボードの変更
日本語キーボードを利用できるようにします。
# dpkg-reconfigure keyboard-configuration
106キーが、ぱっと見で見当たらなかったのでとりあえず105キーで進めます。
Otherを選びます。
2回ほどJapaneseを選びます。あとはデフォルトでよいかと思います。
タイムゾーンの変更
タイムゾーンを環境に合わせて変更します。今回は東京に合わせます。
# dpkg-reconfigure tzdata
Asiaを選びます。
Tokyoを選びます。
2. Kali Linuxへ日本語関連パッケージの導入
下記コマンドで日本語関連パッケージをまとめて導入してしまいます。
# apt-get install task-japanese task-japanese-desktop
完了したら、一度シャットダウンして起動しなおします。
3. Kali Linuxの日本語変換の設定
Mozcがroot権限で、そのまま動かないため、ここではMozcを無効にします。
Mozcを利用したい場合は、一般権限で動作する別のディストリビューション(BackBoxなど)をお勧めします。Mozc自体の変更でも動作させることはできるようです。
右上のアプリケーション 設定 入力メソッド(青いアイコンの方)を選択します。
使用可能にする入力方式を編集します。
Mozcを無効にします。
通常版のパッケージ追加
Light版は、導入されているツールが少ないです。
下記のコマンドで、通常版と同様のツールをまとめて導入できます。
# apt-get install kali-linux-full
Kali Linux 2017.1 導入完了
Kali Linux 2017.1 Lightを、VirtualBoxにインストールし日本語表示、日本語キーボードの利用、日本語変換が行えるようになりました。
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