この記事はアピリッツの技術ブログ「DoRuby」から移行した記事です。情報が古い可能性がありますのでご注意ください。
たのしいインプットメソッド、SKK をくわずぎらいのひとにもおすすめしたいです。
google 日本語入力や baidu type などあたらしい日本語入力システムが少し話題になったりして、色々試してみたかたもいるかと思いますが、そのついでに SKK も試してみてはいかがでしょうか。是非、試してみましょう。
■ SKK とは何ですか?
あえて語るまでもなく、インプットメソッド(以下 IM)の一種です。詳しいことは、Wikipedia (SKK – Wikipedia)などの解説に譲ります。
おおざっぱな特徴と比較
- SKK:
- ユーザに依頼された部分を漢字変換する。漢字変換する部分はユーザが指定する
- MS-IME やことえりなどの IM:
- ユーザの入力文字列を文章の構成要素にわける。必要なら漢字の変換を行なう。ただし、IM の仕事が複雑で、ユーザの意図する単語の区切りにならない場合がある
さらにおおざっぱな特徴と比較
文章を構成要素に区切る作業を、
- 常に自分でやるか(SKK)
- 誤変換があったとき直すか(その他 IM)
という、ユーザの負担のタイミングと頻度が違います。
小刻みに変換の合図を送ってリズム良く入力していくか、変換を丸投げしてときどき誤変換に対応していくか、くらいの違いなので最終的にどちらを選ぶかは好みの問題ですが、SKK は慣れればテンポ良く入力していけるはずなので、比較的ストレスなく日々を過ごせるのではないかと思います。
■ てっとりばやく体験してみる
こういうものは実際手をうごかしてみるのが良いと先人も言っているので、手をうごかしてみます。
Emacs で SKK のチュートリアルが用意されているので、これで試してみるのがオススメです。
準備
Debian や Ubuntu では SKK 導入のためのパッケージが用意されているのでそれを利用します(一番楽な方法)。その他の環境では「Emacs ddskk」とったキーワードで検索してみてください。
sudo aptitude install apel ddskk skkdic
それぞれ、以下のものをインストールしています。
- apel: Emacs で使われるライブラリ
- ddskk: Emacs で使われる SKK ライブラリ
- skkdic: SKK で利用される辞書ライブラリ
aptitude でインストールした Emacs 等であれば、ライブラリパス等の設定の必要もなく、起動して即利用できます。
試す
emacs を起動します。そしてチュートリアルを開始します。チュートリアルは M-x skk-tutorial で開始します。
あとは言われるままにチュートリアルを進めるだけです。
■ 導入する
SKK は Emacs だけで利用できる IM ではありません。skkime(Windows)、aquaSKK(OSX)、uim-skk(Linux など)といった様々な OS の IM で利用できます。Vim でも skk.vim というプラグインが利用できます(skk.vim : Japanese SKK。また、Vim での SKK については eskk.vim というプラグインの開発もはじまっています)。それぞれの利用したい場所での SKK を探して日常的に利用してみましょう!
■ 付録:よくある問題など
- 小指が疲弊します
- 慣れると意外と気にならないです。別解として、sticky-shift という、小指にやさしい仕組みが世の中にはあります。sticky shift で検索してみてください。
- Terminal.app で “▽” がきれいに表示されない
- iTerm を使う、次のバージョンに期待するなどの対策があります。
- 他の入力方式で入力できなくなる
- 他の入力方式で入力するケースことがあまりなくなるはずなので、おそらく問題ないです。
みなさんが SKK を利用してたのしい生活を送られることを願ってやみません。