この記事はアピリッツの技術ブログ「DoRuby」から移行した記事です。情報が古い可能性がありますのでご注意ください。
今回は、協力要素のあるソーシャルゲームにおける初心者について考える。
ソーシャルゲームにおける初心者
前回の対人ゲーム(格闘ゲーム)における初心者は「ジャンル自体が初めて」であることを指したが、今回は純粋に「弱い」人を指すこととする。
これは、基本的にソーシャルゲームの協力要素はそれ自体が目的のコンテンツではなく、それによって獲得できるアイテムや装備などが目的であるため、ユーザーにとって重要なのは「味方ユーザーが強いか」の一点に基本的に絞られるからである。
初心者にとっての協力要素
ソーシャルゲームにおける協力要素と言えば、レイドバトル(※ボス敵を複数のユーザーで倒す)である。最初のうちは初心者でも難なく一人で倒せるのだが、ゲームを進めるうちに到底勝てないボスに出会い、他ユーザーに助けを求める、というのが一般的な流れとなる。
つまり、初心者にとって協力とは「強い人に助けてもらうシステム」であることが多い。
初心者を助ける意味
前述した「初心者は強い人に助けてもらう」というのを成立させるためには、助ける側のメリットが必要になる。ユーザーは現金なもので、手間に対する見返りが十分にあれば積極的に行うことは想像に難くない。例えば、以下のようなものが挙げられるだろう。
・1日5回助ければ無償石が貰える
・自発(※自分の意思で特定のバトルを発生させること)回数に制限があるボスと何度も戦える
・助けるごとに、回数や活躍に応じて専用の報酬が貰える
協力要素の利用を更に盤石にするために
最初に述べたように、そもそもユーザーが求めているのはアイテムや装備といった報酬であって、協力要素自体ではないことを忘れてはいけない。つまり、ここが破綻しているとその協力要素は正常な動きをしなくなってしまうため、気をつける必要がある。
・ワンパン行為
「バトルに参加して1回殴って後は他人に任せる」という協力ではなく寄生と言える行為は最たる例となる。この対策としては「一定以上のダメージを与えるとより良い報酬が貰える」というような活躍度合いを要求するのが直接的で有効な手段となる。
・自発者と協力者の報酬のバランス
初心者がバトルの良い報酬を手に入れる手段として「自発者報酬」というのがメインとなる。これは、「自発したから良い報酬が貰える(または出やすい)」というもので、ユーザーが積極的に自発する要因となる。一方、「協力者報酬」とはMVP報酬なども含めた参加者の報酬であり、こちらは積極的に助ける要因となる。
この「自発者報酬」「協力者報酬」のバランスが悪いとどちらかにユーザーが偏ってしまう。どちらかに偏れば「誰も助けに来ない」「助けたくても相手がいない」という過疎やストレスを感じる状態となり、協力要素に対する悪印象へと繋がってしまうので、きちんとバランスを組む必要がある。
まとめ
協力要素は、ついその「快適さ」「参加のしやすさ」「楽しさ」といったものを追求しがちで、もちろん重要なのだが、それらはあくまでインフラであって「離れる要因を作らない」ことが主軸となる。
「やる、やりたい」という「集まる要因」はもっと現金でシビアな部分であることを忘れると、いくらやり易くてもやらないので、注意する必要があるだろう。